岩手県といえば中尊寺や浄土ヶ浜、そして龍泉洞などの観光名所が多数ある、バイク乗りにも人気のエリアですね。
そんな岩手県をバイクで気持ちよーく走行していると、ふとした違和感が。
道路脇に掲げられている駐車禁止の標識の下に、どういうわけか「二輪を除く」という補助標識がやたらにあるんです……。
んんっ!? ほかではあまり見たことないぞ、この標識?
岩手県はクルマが駐車禁止でもバイクはOKなの?
「駐車禁止」の道路標識は、全国各地の至る所で見かける、ある意味メジャーなものですね。
もちろん当該道路上での駐車を禁止する意味を持っていますが、どういうわけか岩手県内の同標識の下には「自動車(二輪を除く)」という補助標識が表示されている道路がかなり多いのです。
例えば県内を南北に走る国道4号。
「自動車(二輪を除く)」という補助標識は、東京側から向かっていくと岩手県に入ってすぐのところにある、一関市の高梨交差点から表示が開始されています。
そしてこの区間は、岩手郡岩手町の沼宮内北口交差点までの約140kmにわたり断続的に続いているのです。
国道4号だけではありません。岩手県内のその他国道や県道にも、同様の補助標識が設置されているケースが非常に多いのです。
もしかすると他県にも設置されているところはあるのかもしれませんが、岩手県以外で同じような表示を見たことはあまり無いように思います。
「二輪車を除く」の標識は1980年代にはすでにあった?
いったい、いつからこの表示があるのでしょうか?
岩手県警察に問い合わせてみると、設定された時期は路線によって異なりますが、国道4号の場合は1987(昭和62)年の段階ですでにこの補助標識の設置がされていたとのこと。二輪車を除く駐車禁止の標識はそれ以前からあったそうです。
岩手県警察によれば規制の見直しは都度行われているそうで、1987年には総延長で約1万1000kmの道路が駐車禁止となっていましたが、2006年に見直され、駐車禁止道路の総延長自体が短くなったとのこと。
その際にもこの「二輪車を除く」の補助標識の見直しは行われず、現在まで継続しているそうです。
交通量が少ないから?
ではなぜ、駐車禁止から二輪車が除外されているのでしょうか?
これはあくまで編集部の予想ですが、岩手県内の全体的な交通量が少なく、さらに二輪車も少ないことから二輪車が除外されたのではないでしょうか。
実際にバイクで岩手県内を走行していると、首都圏との交通量の差に驚いてしまうこともしばしば。
なるほど、これならば二輪車が除外されていても不思議ではない……のかもしれません?
バイク乗りからすれば大変ありがたい話なのですが、岩手県内の道路でも、時代の流れとともに交通量が増大している場所が多いのも事実。
駐車する際は交通を阻害しないよう、しっかり安全を確認したうえで行いたいものですね。
レポート&写真●モーサイ編集部・日暮