雑ネタ

蘭、セピア、ビーノ──若き日の初々しさに胸キュン! 人気女性アイドルがCMに出た昭和・平成の原付スクーター6選

ホンダ・ライブディオ(1996年マイナーチェンジモデル)×広末涼子

「ライブ・ディオ」の通称でおなじみ3代目ホンダ ディオ。写真は前後連動ブレーキが装備された1996年のマイナーチェンジモデル。

1988年の初代モデル発売以降、多くの派生モデルも登場させたホンダのロングセラースクーター「ディオ」。
(現在50ccモデルはありませんが、4ストローク110ccのディオ110が販売されています)
その3代目モデル、通称「ライブディオ」の1996年マイナーチェンジモデルのテレビCMに登場したのが、女優の広末涼子さん(1980年~)です。

当時のライブディオ・シリーズには、リヤスポイラーなどのエアロパーツを装備し、最高出力7.2spを誇る2ストローク単気筒エンジンを搭載したスポーティ仕様のディオZXなどが人気を博しました。

一方、この時に発売されたベーシック仕様は、最高出力を7psに抑えて扱いやすい出力特性とし、初心者など幅広い層をターゲットとしたモデルに。
そのため、マイナーチェンジによる一番の変更点は、走りの性能ではなく、誰にでも安心して止まれる安全機能の追加──具体的には、前・後輪連動ブレーキシステム「コンビ・ブレーキ」を採用でした。

このシステムは、スクーターでは比較的仕様頻度が高い左ブレーキレバー(後輪ブレーキ)をかけた時に、前・後輪ブレーキを同時に作動させるとともに、適切な前後の制動力配分を行うというもの。
また、このマイナーチェンジでフロントブレーキは従来のドラム式からより制動安定性が高いディスクタイプに変更もされています。

テレビCMには、ちょうど芸能活動を始めたばかりの広末さんの初々しい姿が映っています。当時はまだ高校生で、学生生活と仕事を掛け持ちしていた頃の広末さん。CMは、海沿いの道をライブディオに乗り走るシーンから始まります。
その後、砂浜に着いた広末さんが、ワンピースタイプのかわいらしいイエローの水着に着替え、当時流行していたボディボードを楽しむといった展開。ラストでは、「コンビブレーキがありがたい」という広末さんのセリフが入り、バイクの特徴もしっかりアピール。

広末さんのあどけない表情ときれいな海という組み合わせは、まさに最強でした。当時は、このCMで思わずライブディオを買ってしまった人も多かった(?)のかもしれませんね。

ヤマハ・ビーノ(1997年)×パフィー

1997年登場のヤマハ ビーノ。

ファッショナブルなデザインなどを採用し、女性にも親しみやすい原付スクーターとして根強い人気を持つ「ビーノ」。その初代モデルのCMキャラクターには2人組のボーカルユニット、パフィー(PUFFY)が起用されていました。

1997年に発売された初代ビーノは、高い実用性を持つジョグアプリオをベースに、外装や足まわりなどを変更したモデル。
エンジンには、扱いやすい特性を持つ最高出力6.2psの49cc・空冷2ストローク単気筒を搭載(現行モデルには4ストローク単気筒エンジン車と電動バイクのE-ビーノがあります)。全体的に丸味を帯びたレトロなデザインが幅広いユーザーに支持されたともに、パフィーを起用した大々的なプロモーションが功を奏し大ヒットしたモデルです。

その初代ビーノのテレビCMやカタログなどに登場したパフィーは、大貫亜美さん(1973年~)と吉村由美さん(1975年~)の2人組ユニット。ロックミュージシャンの奥田民生さんがプロデュースした1986年のデビュー曲『アジアの純真』(作詞はなんと井上陽水さんと超豪華!)でいきなり大ブレイク。ビーノのCMは、まさにデビューしてまだ約1年足らずの時に収録されたのです。

パフィーといえば、自然体で力が抜けたスタイルや、親しみやすいキャラクターが人気だったのですが、CMでも、その魅力がうまく盛り込まれていました。

東京の下町らしきところを舞台に、2人がビーノで近所のお店などを巡るといった設定。まず、オープニングで2人は「のびのビーノ」といった、彼女たちらしい独特の言い回しで登場。東京の下町らしきところをビーノで走り、手焼きせんべいのお店やアンティークな佇まいのカフェなどを巡ります。
そして、ラストは「うちから5kmの大冒険」というキャッチフレーズ。ビーノと共に楽しむ「気負わず気軽な休日」を、簡潔に表現した上手いコピーでしたね。

ちなみに、このテレビCMで2人が着ていたヤマハ発動機のロゴ「音叉マーク」が入ったTシャツは販促グッズにもなっていて、ビーノ購入者などにプレゼントされました。また、彼女たちの3rdシングル『サーキットの娘』のPVでも、2人は音叉マークTシャツを着てビーノに乗って登場。曲がミリオンヒットとなったこともあり、前述の通り、一躍ビーノも人気スクーターの仲間入りを果たのです。

その後、アジアやアメリカにも進出し、世界的なミュージシャンとなったパフィー。今考えると、ビーノのプロモーションは(デビュー直後とはいえ)かなり豪華だったんですね。

スズキ・ユーディーミニ(1978年)×森昌子

1978年登場のスズキ ユーディミニ。

大取は時代をさかのぼること約42年前、1978年にスズキから発売された「ユーディーミニ」。当時、主婦層などに大きな人気を得たこのモデルのCMキャラクターには、歌手の森昌子さん(1958年~)が起用されました。

1970年代の原付スクーターというと、有名なのがホンダのロードパルやヤマハのパッソル。これらは、当時ソフトバイクと呼ばれたジャンルの原付スクーターで、自転車よりも楽に移動でき、気軽に買い物などに使えることから、主婦などの女性ユーザーを中心に人気を得たモデルです。

ユーディーミニもそういったソフトバイクの仲間で、軽い車体と扱いやすい特性のエンジンを採用。荷物が積載できるリヤキャリアなどの装備で、高い実用性も実現していました。

そのユーディーミニのCMキャラクターだった森昌子さんは、当時20歳。
1972年に14歳で歌手デビューした森さんは、元々は同時期にデビューした山口百恵さんや桜田淳子さんらと並ぶ大人気アイドルでした。森さんのデビュー曲『せんせい』をはじめ、3人の歌はいずれも大ヒットを連発し、「花の中三トリオ」と呼ばれていたのです。

森さんは、1977年頃から本格的な演歌歌手に転身をはじめますが、ユーディーミニのCMはその過渡期ともいえる頃。
まだ、アイドル的な雰囲気も残っていた森さんは、イギリスのお城のような場所で、赤いジャケットに白いヘルメット姿でユーディーミニに乗って登場。10数名はいるイギリス近衛兵の格好をした外人たちが両脇に立つ道を走りながら、あどけない笑顔を振りまきます。また、CMソングも森さんが自ら歌ったもので、当時としてはちょっとポップなイメージでした。

スズキは、その後1980年に同様のソフトバイク「スワニー」を発売しますが、やはりCMキャラクターには森昌子さんを起用。「昌子のバイクよ」というキャッチフレーズをユーディーミニとスワニーの両方に使っています。森さんは、当時のスズキ原付スクーターの顔だったんですね。


このように、今では「大物」と呼ばれている女性芸能人が、若いアイドル時代に原付スクーターに出ているテレビCMは意外と多いのです。そして、彼女たちの初々しい笑顔が、当時の原付バイクブームに大きく貢献していたのは確かなのです。
まだまだ「あのアイドルのCMが出ていない」なんて声も聞こえてきそうですが、それはまた別の機会でご紹介しましょう。

レポート●平塚直樹 写真●八重洲出版 編集●上野茂岐

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