雑ネタ

アフリカの「ナニコレ」珍バイク! インド製から正体不明車まで面白モデル13選

珍バイクの宝庫? エチオピアで出会ったバイクたち

東南アジアに続き、今日、経済成長が著しい地域として挙げられるアフリカ。
その経済成長にともない、日常の便利な移動手段として二輪車の需要が拡大しており、2019年、アフリカの二輪車市場は400万台にもなると言われている。そう、東南アジア地域同様の現象が起きているのだ(かつての日本もそうだった)。

日本の二輪車メーカーもかねてからアフリカ市場には参入しているが、成長市場として重視し、現地専用モデルの投入なども積極的に行っている。
では、実際アフリカではどんなバイクが走っているのか? その一例としてエチオピアを取材で訪れたバイク大好きカメラマンからのレポートを紹介したい。

インド製の小型バイクが主流

2020年初頭、世界各国がコロナウイルス騒ぎになる少し前の時期。国際交流的な撮影案件で、筆者はエチオピアに滞在していました。その道中、首都アディスアベバからやや北西の町インジバラ〜バハルダールというタナ湖に隣接した町で見かけたバイクたちを紹介します。

エチオピアのバイク事情は、ヘルメットの着用義務がないため、ノーヘルのライダーが多いですね。ただ、街中でも郊外でも無茶なスピードで走っているライダーはほとんど見かけず、概ね40〜50km/hくらいのペースで走っていました。

しっかりと舗装された道路もありましたが(舗装は新しいものもありました)、町から少し郊外に出るとすぐに未舗装の道も……ほとんどのライダーが「飛ばさない」のは、道路環境も影響しているのかもしれません。

エチオピアでは、100cc〜125ccクラスのインド製バイクを多く見かけましたが、中には正体不明の車体も多く、まさに「珍バイクの王国」といった感じでした。ここでは、そういった日本ではほとんど見かけないモデルを中心に紹介します。
また、後半の番外編では、現地のバイクショップ風のお店や、日本人の感覚では理解不能(?)な個性的カスタム車なども紹介します。

1:TVSモーター「アパッチRTR」

日本では見慣れない、インド・TVSモーターのアパッチRTR160(あるいは180)と思われるバイク。
ホンダ車の影響を受けたかのようなキャストホイールの形状ですが、TVSモーター社は一時スズキと合弁していた経緯があるといいます。乗り手はヘルメットこそ被っていませんが、乗車姿勢はビシッと決まっています。

ちなみに、近年TVSモーター社は、ほかもにもかなり先進的なスーパースポーツ系のアパッチRR310などを作っていて、とても興味深いメーカーだと言えます。
*アパッチRR310がどんなバイクか気になる方は、TVSモーター社の公式ホームページを参照下さい→https://www.tvsapache.com/rr310/

TVSモーター アパッチRTR

2:バジャジ・オート「ボクサー100」

ずら〜っと並んだ給油待ちの車列の中で見かけたネイキッドタイプのバイク。これまたインド製で、バジャジ・オートというメーカーのボクサー100というモデルです。エンジンは排気量100ccの単気筒エンジンを搭載し、リヤサスペンションは贅沢にダブルスプリング仕様!

車体のボリュームに比べて、シートは厚みがあってゴージャスな雰囲気。ワンサイズ大きなバイクに装備されているような長さと幅があり、ちょっとアンバランスな感じも。でも、舗装されていない道路でもクッション性はとても良さそうです。

バジャジ・オート ボクサー100

3:正体不明の3輪トラック

今ひとつメーカーや生産国が不明だった3輪トラック(中国製か?)。
元々3輪用に作られたようなフロントサスペンションや、増設されたとおぼしきゴツいサイドフレームに目を奪われました。

しかも、ドライブシャフトがギヤボックスからかなり車体後方まで伸びているのにも驚きです! このシャフトや荷台の重さに対し、フロントの小径ドラムブレーキは容量的に大丈夫なのかな? と少し心配になった1台です。

ドライブシャフトがあり得ないほど長いバイクベースの3輪トラック

4:ロバとスクーターの2ショット

郊外の一般家屋前では、ロバがスクーターのそばでのんびりしていました。こちらのスクーターもメーカーなど不明です。

ちなみに、エチオピアでは家畜を使った荷車も普通に広い道路を走っています。
のんびりと進む家畜の荷車を、それなりのスピードで走る四輪車や三輪車が追い越す場面は、日本人の目からすると少し危険に思える瞬間も。事故などがないといいんですけどね。

スクーターとロバによる、のどかな共演。こんな光景に出会えるのもエチオピアならでは

5:ホンダ「XR125L」

インド製のバイクが多いなか、我らが日本車、ホンダXR125Lも頑張っていました。ブラジルにあるホンダの現地法人が生産した125ccのオフロード車です。

見かけたバイクは、かなり使い込まれている印象。左右のバックミラーは無く、リヤタイヤは摩耗しています。
でも、カウルなどはきれいなので、きっと大事にされているのでしょうね。

ホンダの海外専用オフロードモデルXR125L

6:TVSモーター「ヴィクター」

先ほど紹介したインドのTVSモーターが生産するヴィクター。リヤまわりのデザインが、個人的にはホンダCB750(教習車によく使われた方)の雰囲気を感じさせます。
現地では125ccクラスの人気モデルらしく、日本でいえば、かつてのスズキGS125やホンダCB125JXみたいな存在でしょうか? ちょっと懐かしささえ感じます。

TVSモーター ヴィクター

7:TVSモーター「ストライカー125」

こちらもTVSモーター製。車体のつくりが近代的で、デザインも今風なストライカー125です。
バイクの後ろにある手芸品や木造家屋と対象的!? 最近購入したのでしょうか、外観がキレイで、車体も新しい感じがしました。

TVSモーター ストライカー125

8:TVSモーター「アパッチRTR」

道路脇でおしゃべりをしている人々が多いエチオピア。
幹線道路を外れた道に出ると、すぐにこうした土の路肩が現れて、そこで楽しそうに会話をしている人たちをよく見かけます。左側のバイクにまたがる坊ちゃんはタンデムで来たのでしょうか。

バイクは、TVSモーターのストリートファイター系モデル、アパッチRTRのカスタム仕様でしょうか。ヘッドライト下にある謎の飾りが、とても気になります。

インド製のストリートファイター系バイクが多いのも、エチオピアの特徴

9:「バジャジ」と呼ばれる3輪タクシー

バイク以上に多く見かけるのが、市街地でタクシー役を務めるこれら3輪バイク。通称「バジャジ」と呼ばれています。
とても狭い車内に詰め込まれているのに、乗員やお客さんが他国から来た筆者に笑顔で手を振ってくれたのがとてもうれしかったですね。
ひとつとして同じバジャジが無いと言っていいくらい、それぞれ好みのカスタムをされています。

バジャジと呼ばれる3輪バイクのタクシー

10:郊外のバイクショップ?(番外編1)

市街地のバイク屋さんはビルの1階などにありますが、こちらは郊外の集落で見かけたバイク屋さんと思しきお店です。
もしかしたら洗車場かもしれないのですが、ホイールが外されたバイクがあるところを見ると、おそらくバイク屋さんだと思います。
小さな海の家っぽい建屋は、郊外ならではのシンプルさです。

郊外にあるバイクショップとおぼしきお店

11:エチオピア流行のシートカスタム!?(番外編2)

手前はバジャジ製、奧はTVSモーター製のバイク。メーカーも車種も違うのにシートのカラーがお揃いの2台です。
手前のバイクのシートはやけに肉厚に仕上げられており、まるでアンコを足したような形状です。ライダーの身長が高くて、ステップまでの距離が短過ぎた?

シートをお揃いのカラーで揃えた2台。仲良し2人組み?

12:グラフィックが斬新なカスタムバイク(番外編3)

不思議なグラフィックでドレスアップされたイエローのバイクはTVSモーターのアパッチ。
グラフィックはカッティングシートによるもので、持ち主さんが喜んで写真を撮らせてくれましたが、英語が通じずデザインの意図を聞けずに残念。
なお、ステップやセンタースタンドの付近に追加でゴムホースのようなプロテクターを付けていた点も、コダワリポイントだったのかも?

カッティングシートでグラフィックを施したアパッチ

13:三角プレートでドレスアップ!?(番外編4)

ステッカー、ぬいぐるみ、吹き流しに加え、フロントホイール脇に謎の三角プレート! 今回の旅で見かけたバイク中、ダントツに主張の激しかった1台です。
この三角プレートの金属板は空気の整流効果を狙ったものなのか、戦闘の際に役立つアイテムなのかは不明です……。

三角プレートはエチオピア流のエアロパーツ?

現状、小排気量車、実用車的な車種が多いエチオピア。さらに発展していくに従って、街を走るバイクの種類が増えていったり、さらに独自のカスタム文化も花開いていくのかもしれませんね。

レポート&写真●小見哲彦 編集●平塚直樹

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