目次
ドライブスルーといえばファストフード、はもう古いかも!?
クルマに乗りながらさまざまなサービスを受けられるドライブスルーは、ドライバーにとって欠かせない存在になってきました。2021年に過去最高の営業利益を記録したマクドナルドは、好調の理由に「ドライブスルーの売り上げ」を挙げたほどです。
そんな「ドライブスルー」でサービスを受けられるのはファストフードをはじめとする飲食店だけではなく、中には私たちの常識を覆すようなユニークなお店もあることをご存知でしょうか。
この記事では「そんなコトまで車内で!?」と言いたくなるような、激レアドライブスルーサービスを紹介します。
車内で故人とお別れを。車上焼香システムのお葬式
上田南愛昇殿(長野県上田市)が始めた、まったく新しいお葬式。受付から焼香までの一連の流れをすべてドライブスルーでおこなうもので、開始した2017年当時は朝日新聞などの主要メディアで取り上げられ、話題を呼びました。
クルマで葬儀場に入った参列者は、まず受付で記帳をして香典をスタッフに渡します。クルマに乗ったまま電熱式の焼香台へと進み、車内でボタンを押して焼香。手を合わせてお別れをすませたらその人の参列は終了となります。喪主は以上の様子をモニターで確認し、誰が参加しているかを見られるシステムです。
短時間かつ車内で完結するのがドライブスルー葬式のポイント。体が不自由な方や、ひとりではお葬式に行くのが難しい高齢者でも参列しやすい点がメリットとしてよく語られます。一方、「クルマから降りないのは故人に失礼じゃないか」などの批判も少なくないようです。
ラスベガスの名物ウエディング!お手軽なドライブスルー婚
人生の晴れ舞台である結婚式は、思い出に残るかたちでやりたいのが人情というもの。ラスベガスでは、その思い出をドライブスルーで簡単にすませちゃう結婚式が存在します。
「ドライブスルーウエディング」とも呼ばれるこの結婚式はとてもシンプルです。オープンカーに乗った新郎新婦が窓口に向かい、顔を出した牧師の前で誓いの言葉とキス、書類に記入をする。たったこれだけでおしまいです。所要時間は記念撮影や当日の打ち合わせを含めても3~5時間ほど、費用は日本円で5万円前後が相場と、非常にお手軽な(?)結婚式といえるでしょう。ドライブスルー婚は一般人だけでなく、世界的なスターも御用達。ブリトニー・スピアーズやマイケル・ジョーダン、日本人では浜崎あゆみがドライブスルー婚をおこなったことで有名です。
時間もかからずリーズナブルなドライブスルーウエディングは、コスパ重視の現代に合った結婚式といえるかもしれませんね。
目からウロコのホラーなアイディア「ドライブインお化け屋敷」
新型コロナウイルスの影響で従来のスタイルが難しくなったお化け屋敷。悲鳴をあげると飛沫が気になりますし、お化けに扮した役者と利用客の接触も課題として考えられます。そんな中、コロナ対策と斬新な恐怖体験を両立する驚きのお化け屋敷が登場しました。それがクルマに乗ったまま入れる「ドライブインお化け屋敷」です。
ドライブインお化け屋敷は、株式会社怖がらせ隊が企画した新しい形態のホラーアトラクション。おどろおどろしい雰囲気の会場でクルマに乗り込むと、お化けの大群がクルマを取り囲み、ガラス越しに襲いかかってきます。ただし、亡者たちは決して車内に入ってこないので、感染症対策もバッチリ。
臨場感の高さからホラー好きの評判もよく、「ドライブインお化け屋敷」は日本各地のイベント会場で活発に催されています。2020年には東京タワー、2021年には大阪YOLO BASEで好評を博し、2023年に入ってからもその人気は留まるところを知りません。
お化け屋敷の怖さもさることながら、3密回避と逃げ場のない密室空間を同時に実現したアイディアにもビックリなアトラクションです。
3分で完了!! お手軽ドライブスルー中古車査定
中古車の査定もドライブスルーで。中古車買い取りの大手、ガリバー(株式会社IDOM)では、2020年4月28日から香川県高松市にあるガリバー高松中央通り店に「ドライブスルー査定」を併設しています。
ガリバーの「ドライブスルー査定」は、利用者が査定したいクルマに乗車したままの状態で設置されたマイクに声をかけると、オペレーターが対応し、ガリバーが独自に開発したAIが買取価格を算出、3分ほどで査定価格がモニターに表示される仕組み。残念ながらクルマのみに対応しており、バイクの査定は出来ませんが、算出された査定価格はSNSチャットアプリ「LINE」を通して携帯端末等に保存でき、そのまま売却まで「LINE」で様々な相談に乗ってもらうことが可能になっています。
クリーニング店、百貨店、メガネ屋まで……!! 何でもアリな「ドライブスルー」
神奈川県横浜市にある「ホワイトステーション元町店」では、ドライブスルー方式でクリーニングの依頼、受け取りができます。このお店ではなんと1996年の開店当初から、ドライブスルー方式でのクリーニングサービスを提供していたそうです。
なぜ、ドライブスルー方式でのサービス提供を思いついたのか同店のスタッフに訪ねてみたところ「当店はもともとコスモ石油さんがガソリンスタンドの併設店として立ち上げたものです。なので、ガソリンを入れに来るついでにクリーニングも受け取れるという利便性と手軽さをを求めた結果、クルマに乗ったままのサービスというのがあっていたのではないでしょうか」とのことでした。
その他にもお弁当やパンをクルマから降りずに受け取ることができる「高島屋新宿店」などの百貨店や、株式会社タカサが運営する「ドライブスルー薬局」、「JINS パワーモール前橋みなみ店」などのメガネ販売店まで、実に様々な業種がドライブスルーを設置しています。
「車内にいながら」の可能性は無限大
世の中を見てみるとドライブスルーで受けられるサービスは買い物だけではなく、私たちの想像を超えるものもあります。
収束に向かいつつあるとはいえ、人同士の接触が未だためらわれる今、クルマに乗ったまま手軽なコミュニケーションがとれるドライブスルーはさらに発展していくのではないでしょうか。
レポート●ハチミツ 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実 写真●ガリバー高松中央通り店/株式会社タカサ/株式会社怖がらせ隊