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同時にやればいいじゃない
「仕事放り出して、釣りとかバイクでツーリングとか行きてぇ……」
いやまぁ、のっけから本心ダダ漏れなセリフをつぶやいちゃったのだが、ご存じのように編集という仕事はとにもかくにも暇がない。やれ取材だやれ打ち合わせだと仕事続きで、趣味に時間を割くことはなかなかに難しいのである。
無論のことながら私こと編集部ひぐらしもデスマーチに合わせて毎日行進するばかりで、釣りにも個人的なツーリングにもなかなか行けない。そりゃぼやきたくもなる。

よしんば運よく休日があったとしても、釣りかツーリングのどちらかしか行けない……。とまぁ、そんなこんなで友人の前でぼやいていたところ、
「じゃあ、いっそのこと釣りとツーリングを同時にやっちゃえばいいんでない?」
友人が何気なく放ったひと言が、天啓となって心へ突き刺さる。そうか、同時にやってしまえばいいのだ!
意外に多いぞ釣りツーリング人口
とはいうものの、そもそも釣りとツーリングを一緒にやってしまおうなんて人がどれだけいるのよ? 試しにグーグル先生で検索してみると、……意外に多いじゃないの、バイクで釣りツーリングしている人。先達がたくさんいるなら私にだってできるはず! まずはやってみて、不便な点は改良を加えていけばいいだろう。そうすればネタとして続ける言い訳にもなるだろうし(←オイ)。
というわけで、栄えある釣りツーリングのメイン車両として白羽の矢が立ったのがこのバイク。

エイプは2002年にホンダから発売された、乗ってもいじっても楽しい原付二種のスポーツバイク。ちなみに類人猿を意味するエイプという名は、人間に最も近い動物=あらゆる人にとって身近な存在と位置付け、気軽に乗れる身近なバイクからイメージしたものだとか。ならば釣りのお供としても身近な存在と言うことだ。とてつもなく強引な理屈だけど、実際のところは手持ちの車両でこれしか適当なのがなかったというオチだったり。
しかしこのバイク、ラゲッジスペースというか、荷物を積む場所がほとんどないぞ? リュックに満載という状態は極力避けたいので、まずは釣り道具が積載できるようにせねば……。
釣りツーリング用に準備
というわけでまず準備したのがこちら。

「スペースがなければ作ればいいじゃない」とどこぞの王妃様的台詞をつぶやきつつ購入したのはリヤキャリア。これがなければなにも始まらない。クロームメッキで見映えがいいのもいい感じ。

キャリア本体のほか丁寧な説明書&交換用のボルトも付属しているので、慣れた人なら15分もあれば装着可能。前側のボルトは通すのに少々コツが必要だったが、それでもすんなりと装着できる。耐荷重は3㎏未満というのが少々ツライが、荷物を軽量化して対処するようにしよう。
ちなみに作業は、オールドタイマー編集部のガレージにて夜中こっそりと行った。ここで言っちゃったらこっそりもなにもないし、同じ事業部に所属しているから問題ないのだけれど……(じつはひぐらし、オールドタイマー編集部所属なのです)。

そうこうしているうちに取り付け完了。釣り道具ををごっそりと移動させることを想定して、ボックスは固定式にしないほうが何かと便利じゃないかと判断。というわけで、ホームセンターで売っているごく普通のボックスを、タイダウンベルトで固定することにした。ガッチリと止めれば問題ないだろう……たぶん。

固定方法に一抹の不安が残るものの、ひとまず車体側の準備が整った。あとはいつ決行するかだが、そもそも決行できるのかしら……。
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