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レブル1100Tはレブル1100と比較して17万6000円高
半導体不足をはじめとする社会情勢により二輪の生産が思うようにいっていないのはご存知の通り。ホンダの人気モデルである「レブル」シリーズも、ご多分にもれず新車をオーダーしても納車までは時間がかかっています。
そんな中、2022年11月にレブル1100に新バリエーションである「1100T」が追加設定されました。レブル1100のツアラー性能を引き上げるべく、ライダーへの走行風をやわらげる大型フロントカウルを採用しています。
カウルの防風正常により長距離走行時の快適性を高めているのに加えて、積載時の利便性を高めるサドルバッグを車体後部の両側(容量:右側16L、左側19L)に標準装備しているのもポイントです。車名に「T」というアルファベットを足しただけですが、Tという文字が示すようにツーリング性能を快適にした新グレードとなっています。
メーカー希望小売価格はレブル1100 Tが131万4500円、レブル1100 T Dual Clutch Transmissionが142万4500円となっています。
レブル1100のメーカー希望小売価格が113万8500円、レブル1100 Dual Clutch Transmissionが124万8500円ですから、T専用装備によって17万6000円高になっているという風に捉えることもできます。
フロントカウルとサイドバッグで17万6000円というのは、はたして高いのでしょうか、はたまたバーゲンプライスなのでしょうか。いずれにしても、いわゆる「コスパ」を判断するには、なんらかの比較対象が必要です。
費用面では老舗パーツメーカーキジマ提案の「レブル1100 トランスコンチネンタル」仕様が有利か
そして、レブル1100のツーリングカスタムといえば、老舗パーツメーカーであるキジマが提案する「トランスコンチネンタル」仕様を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
キジマのレブル1100 トランスコンチネンタル仕様において主役といえるのは、やはり防風効果の期待できるフェアリングキットです。ハーレーダビッドソンの愛好家に「ヤッコウカウル」として親しまれている定番の形状をレブルに最適化したもので、FRP製カウル(黒ゲルコート仕上げ)とスチール製ブラケットのセット価格は5万2800円となっています。
塗装や取り付けのコストは別途かかりますが、レブル1100にフロントカウルをつけたいだけであればキジマのフェアリングキットを使えば、グッとリーズナブルにツーリング仕様へ作り込めるというわけです。
キジマのトランスコンチネンタル仕様には、サイドバッグを取り付けるためのオールインワンパッケージも用意されています。しっかり巻き込み防止も考えられたバッグサポートの価格は左右セットで1万9800円。これに好きなサイドバッグをつけてもプラス3万円もみておけばおつりがくることでしょう。
このほかキジマの提案するトランスコンチネンタル仕様には、立ちゴケなどのアクシデント時に助かるエンジンガードや、スマホホルダーなどを装着しやすいマウントバーステーといった便利アイテムも揃っています。こうした発展性もトランスコンチネンタル仕様の魅力といえるでしょう。
いずれにしても、レブル1100にフロントカウルをつけ、積載能力を高めることでツーリング性能をブル1100Tと同等に仕上げるにしても、アフターパーツならば10万円程度の予算で可能になり得るという見方ができるのです。
レベル1100Tの専用装備は標準モデルとの価格差である17万6000円の価値だと仮定すると、標準モデル+10万円でカウル&サイドバッグ付きのスタイルにできるキジマのトランスコンチネンタル仕様を参考にカスタマイズしていくほうが、コスパ的には有利という風に考えることができます。
レブル1100Tには「車両メーカーならでは」の利便性も
もちろん、レベル1100Tのサドルバッグはキー付きのハードタイプで、タンデム乗車も考慮した形状になっているなど、そこには価格なりの価値は確実に存在しています。
とはいえ、レブル1100Tを見た印象として「フロントカウル付きのレブルがほしい(サイドバッグはどちらでもいい)」と感じるのであれば、キジマのフェアリングキットをつけるという選択が、もっとも費用対効果が高いといえるかもしれません。
レポート●山本晋也 写真●ホンダ/キジマ 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実