コラム

高速道路SA・PAのガソリン価格は超高額!! 輸送費だけじゃない意外な高騰理由は?「満タンで1000円変わることも」

一般道と高速道路のガソリン価格差は1リッターおよそ20円!

高速道路を走行中、給油しようとサービスエリアに入ってみたら、ガソリン価格のあまりの高さに驚いた人も多いはず。

埼玉県内の一般国道沿いにあるガソリンスタンドを調べてみたところ、2022年12月現在レギュラーガソリンの1リッター価格は157円だったのに対し、NEXCO東日本が管轄する関越自動車道にあるスタンドの平均価格は181円でした。

店舗にもよりますが、一般道に比べて高速道路の方が1リッターあたりおよそ20円ほど高くなっていることが分かります。

一般的なガソリンタンク容量は、軽自動車で30リットル前後、普通車で50リットル前後、大型車では100リットルを越えるものもあります。仮に高速道路上のガソリンスタンドで50リットル給油すると、一般道上のガソリンスタンドで給油するよりも1000円ほど高くなる計算になります。この価格差を負担に感じる人も多いでしょう。

ではなぜ高速道路上にあるガソリンスタンドの価格は、これほどまでに高くなってしまうのでしょうか。

その理由を紹介していきます。

ガソリン輸送費とスタンド人件費がかかっている

まず、ガソリン製油所からの輸送にコストがかかることが挙げられます。

高速道路上という特殊な立地まで運ぶ必要があるので、当然それらに経費がかかります。そして、ガソリンスタンドにかかる人件費も理由のひとつ。

高速道路内でのガス欠を防ぐために、多くのスタンドが24時間営業をしていますので、それに伴い人件費もかさみます。

とはいえ、これらは一般道のスタンドにも言えること。

多少のコストに違いはでますが、輸送元から遠いスタンドもありますし、24時間営業していることも少なくありませんので、数十円の価格差となる決定的な理由とまでは言えないかもしれません。

価格競争が少ない

大抵SA・PAにはひとつのガソリンスタンドしかなく、価格競争が起こらないということも理由に挙げられます。

一般道では「多少離れていても1円でも安いスタンドに行く」という人も多いはず。高すぎればお客さんが来ないので、集客と利益のバランスをとりつつ、近くのスタンド同士で価格競争が起きています。

一方で高速道路の場合は、サービスエリア内でほかにスタンドの選択肢がないので、多少高くてもそこで給油します。

ドライバーとしては、「なるべく安いところで給油したいけど、その前にガス欠になったら余計困る」というのが正直なところですよね。

ライバルの少ない場所では、無理な値下げ競争が起きないためガソリン価格が高くなっていると考えられます。

給油以外のカーケアサービスがない

ガソリンスタンドの大きな収益として、車検やオイル交換・洗車やタイヤ販売などの整備・メンテナンスがありますが、高速道路のガソリンスタンドでは、そういったカーケアサービスを依頼する人はほとんどいません。

長距離を短時間で移動するための手段として高速道路を利用する中、わざわざオイル交換やタイヤ交換、ましてや車検なんて依頼することはほぼないですよね。

そのためSA・PAのスタンドでは、そもそもメンテナンスやカー用品の販売をおこなっていない場合も多いです。

給油以外の売り上げがないならば、ガソリン価格を上げて利益を出す必要がありますので、これはガソリン価格が高くなる大きな理由と言えるでしょう。

高速道路のガソリンスタンドの方が安くなる時代があった?

過去には、一般道よりも高速道路のスタンドの方がガソリン価格が安くなった時期がありました。

2008年までは、ガソリン価格が不当に高くならないよう高速道路会社がSAの上限価格を決めており、上限は前の週の全国平均価格に設定していました。

しかし、原油価格の高騰でガソリン代が急激に値上がりし、一般道のスタンドは一斉に価格を上げます。SAも値上げしたいところですが、前週の上限価格のルールがあるので値上げできず。

結果的に、一般道のスタンドより高速道路のSAの方が価格が安くなるという期間が生まれてしまったのです。

これによって高速道路のSAで給油する人が殺到したため、上限価格は廃止されました。

上限価格が前週の平均によって変動するということは、「高くなったから高速道路で給油しよう」「安くなったから一般道で給油しよう」という選択ができてしまうということ。

ドライバーにとってはありがたいですが、利益の少ない時は多くのお客さんが来て、利益の多い時はまったく来ないという、高速道路内のスタンドにとってはかなり不利な状況だったようですね。

ガソリン代のケチりすぎはかえって高くつくかも

高速道路のガソリンスタンドで給油するより、一般道で給油したほうが安くなるのは紛れもない事実です。

ですが、あまりこだわりすぎるとかえって高くついてしまう場合もあります。

例えば、あとちょっとで高速道路をおりるからと無理に走ってガス欠に……なんてことも考えられます。JAFのお世話になって高額な支払いをするハメになれば元も子もありませんよね。

また、給油するためにいったん一般道におりてしまうと、高速道路の通行料金が割引きされなくなってしまうケースもあります。長距離の直通通行なら適用される「長距離逓減制」の対象から外れてしまえば割高になることも。

多少高くても、やっぱり高速道路上で給油できるガソリンスタンドは便利です。使いどころを見極めて利用するのをおすすめします。

レポート●清水秀明 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実

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