コラム

2023年各メーカーの生き残り戦略は?「来年のカーボンニュートラルバイク市場」を占う!! 【押し寄せる電動化の波】

車ではハイブリッドが当たり前!! バイクはどう?

さまざまな分野で叫ばれているカーボンニュートラル。Co2などの温室効果ガスを将来的にゼロにする取り組みだが、モビリティ関連は特にやり玉にあげられがちである。

四輪では、ハイブリッドなんてもう当たり前、電気自動車も着実に増えている。それでも海外勢に比べて電動化が遅れているなんて言われるのだから可愛そう。

そもそも、発電・送電、充電時間&充電スポット、走行可能距離、製造・廃車時のコストと環境負荷など、さまざまな問題があり、電気自動車がほんとうにカーボンニュートラルにつながるのかははなはだ疑問だ。

そして二輪である。ちなみにバイクのCo2排出量は、クルマ、航空機、船舶などのモビリティ全体からみれば非常に軽微。それでも、ゼロを目指さなければ人にあらず、という風潮もあって、各メーカーは電動化に舵を切ってがんばっているのである。

2023年、ホンダの目標は「自社総販売台数の約15%にあたる年間350万台レベルの電動二輪車の販売」

まず業界の盟主たるホンダは、2040年代に全ての二輪製品でのカーボンニュートラルを実現することを目指し、二輪車の電動化を加速させている。具体的には、「2025年までにグローバルで、電動二輪車を合計10モデル以上投入。今後5年以内に100万台、2023年にホンダの総販売台数の約15%にあたる年間350万台レベルの電動二輪車の販売を目指す」と数値目標をうち上げた。

もちろん内燃機関も進化させ、ガソリンやエタノールなどを混合したカーボンニュートラル燃料に対応するモデルの開発にも取り組んでいる。こちらのほうが現実的に思える。

ホンダはまずは中国やインドで急速に普及している電動自転車や電動モペットのニーズにも応えていく。現在の電動二輪の規模は5000万台だが、そのほとんどがこのカテゴリーだ。そしてパーソナル領域のファンモデルは2024〜2025年に4モデルを投入予定。こちらはクルーザー、スポーツ、スクーターらしきシルエットで、中間排気量クラス(250cc以上か?)の動力性能になりそうとのこと。2024年に登場と言うことは、すでに開発に目星がついているころ? 2023年度内には何らかの新情報が明らかになるかも知れない。

ホンダはパーソナル領域の電動ファンモデルを2024〜2025年に4モデル投入予定。
2022年9月の方針発表後、初めての電動スクーターが「EM1 e:」。欧州で販売されるパーソナル向けモデル。交換式バッテリー1つを搭載し、1充電で45kmの走行が可能。日本には導入されない予定だ。残念……。

2023年中に電動ファンバイク市販化か!? ミラノショーでは「Z」「ニンジャ」のEVを公開

そして昨今、もっともカーボンニュートラルに熱心に見えるのがカワサキだ。2022年11月のミラノショーではネイキッドの「Z」とフルカウルの「ニンジャ」という2車種のEVを公開。搭載されるバッテリーは3.0kWhで交換式。性能的には欧州のA1ライセンスに準拠(125cc以下のシティコミューター)。航続距離は示されなかったが、近距離用となりそうだ。2023年中の発売を目指す。

2022年11月のミラノショーで発表された「Z」と「ニンジャ」2車種のEV。

このほか、2024年発売を見込むハイブリッドモデルも用意。モーターのみの走行も可能なストロングハイブリッドで、リッタースポーツ並みのパワフルな走りが可能だという。電動二輪に懐疑的な人をも電動信者に変えてしまうようなニューモデルの登場に期待したい!

カワサキが2024年の発売を見込むハイブリッドモデル。EV、ハイブリッド、水素と全方位でカーボンニュートラルに取り組む姿勢を明確にした。

2023年も引き続き「E01」の実証実験を行うヤマハ

ヤマハは2022年に「E01」という原付二種クラスEVを使った実証実験を行った。その続編が2023年に実施される。モーサイ編集部でも実際にE01に試乗したが、今すぐに市販化しても問題なさそうな完成度だった。ヤマハはeビーノなど電動バイクに実績があるだけに、次なる一手に期待が高まる。

ヤマハの「E01」。2023年も2022年に引き続き実証実験を行う。

まとめ●モーサイ編集部 写真●カワサキ/ホンダ/ヤマハ

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