コラム

”ライダー”なのにバイクに乗らない『仮面ライダー』はアリ?ナシ?「主人公が運転苦手」「時速1010kmのスーパーマシンがほぼ自走しない」だけど面白い4作品

「今の仮面ライダーってあまりバイク乗らないよね」

読者の方は、こんな声を聞いたことはないでしょうか?

近年では道交法の改正もあり、バイクで怪人に突撃するような派手なアクションはおろか、バイクで公道を走る撮影すら難しくなってきました。人気の平成ライダーシリーズでも濃密なバイクアクションを描いたのは「クウガ」ぐらいで、以降は徐々にバイクの印象が薄くなっていきます。事実として、仮面ライダーはバイクに乗らなくなってきたのです。

それでは、バイクに乗らない仮面ライダーはどんな乗り物にライドしているのでしょうか?そして、バイクにはまったく乗らなくなってしまったのでしょうか?

この記事ではバイク以外の乗り物が印象的な主役ライダーを4人ほど取りあげ、その実態を探っていきます。

1.仮面ライダードライブ「脇役ライダーが“バイク要員”」

バイクの代わりに愛車のトライドロン(四輪車・ホンダ NSXがベース)に乗る仮面ライダーです。2014年の放送当時は「バイクに乗らない仮面ライダー!」というフレコミで話題になり、一部のファンの間では「それは仮面“ライダー”なのか?」などの議論も交わされたようです。

ストーリーとしては、仮面ライダードライブこと刑事の泊進ノ介と、人格を宿すダンディなベルト、ベルトさんが怪事件を追うバディものの側面が強め。特撮としてはもちろん、刑事ドラマとしても楽しめる作品となっています。

作中でドライブは本当にバイクに乗らず、クルマで移動したり戦ったりしました。一方で、仲間の仮面ライダーマッハや仮面ライダーチェイサーは愛用のバイクを持っており、搭乗シーンも多数あります。バイクに乗らない主役の穴埋めに「バイク要員として」がんばったのかもしれませんね。

2.仮面ライダー電王「電車のイメージが強いけれど、実はバイクのスペックもスゴい」

時の列車・デンライナーとともに時空を超えて戦う仮面ライダーです。放送から14年が経った現在でも根強い人気を誇り、今年なにかと話題のスーパー戦隊「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」ともコラボしました。

ストーリーは、弱気だけど芯の強い青年・野上良太郎が怪人・イマジンと協力して仮面ライダー電王に変身。過去の改変を企む悪のイマジンを止めるため、デンライナーで時間を行き来しながら戦う時間旅行ものとなっています。そのため、電王の相棒は列車のデンライナーなのです。

「マシンデンバード」という電王専用バイクもあるのですが、作中ではデンライナーを操縦するコントローラーとしての用途が大半を占めます。列車の操縦席代わりに「マシンデンバード」がドンと鎮座して、バイクの操縦が列車の挙動に反映されます。そんなユニークな(?)マシンデンバード、東映が公開している『仮面ライダー図鑑』によると、走らせれば時速1010kmのスピードが出るとのこと。こんなスーパーマシンの出番が少ないとは、なんともったいない。

主な移動手段が「電車」という前代未聞の仮面ライダー・電王ですが、「マシンデンバード」という電王専用バイクも持っており、こちらは走らせれば時速1010kmのスピードが出るとのこと。

3.仮面ライダー響鬼「主人公はペーパードライバーの運転嫌い」

『仮面ライダー響鬼』は和風な出で立ちや変身アイテムがベルトでなく音叉(おんさ)であるなど、平成ライダーシリーズでも異色を放つ仮面ライダーです。作品としても、職業としてヒーローをまっとうするカッコイイ大人を丁寧に描いており、他シリーズとは雰囲気がまったく違うドラマとなっています。

本作の異色っぷりは、バイクの扱いにも表れています。主人公の響鬼ことヒビキさんは機械が大の苦手で、物語の前半ではバイクどころか乗り物そのものを運転しないのです。当初は仮面ライダーとはまったく違うヒーローとして企画されたとの説もあり、その名残かもしれません。

響鬼がバイクに乗るようになるのは、第25話で専用マシン凱火(がいか)を手に入れてから。これも最初はまともに運転できなかったのですが、練習の末に克服。努力で苦手を乗りこえる、大人ライダーの底力を見せつけてくれました。

4.仮面ライダーBLACK RX「元祖・バイク以外の乗り物を相棒にしたライダー」

『仮面ライダーBLACK RX』は1988年から1989年に放送された仮面ライダーです。前作『仮面ライダーBLACK』の主人公・南光太郎が仮面ライダーBLACK RXとしてふたたび登場。地球を狙う悪の組織クライシス帝国との戦いに挑む、クラシックなライダー作品となっています。

この作品では、「ライドロン」と呼ばれる四輪装甲車がBLACK RXの愛機として活躍します。ベース車となっているのは、マツダ 初代サバンナRX-7(SA22C)。「ライドロン」は時速1500kmの超スピードを筆頭に、次元や時間を移動する能力、意思を持って光太郎と会話するなど、そのスペックはまさにスーパーマシン。作中でも光太郎のピンチを何度も救いました。

いち早く「バイク以外の乗り物に乗るライダー」の先駆者となった、BLACK RXですが、彼はバイクにも乗るライダーです。むしろアクションシーンではバイクの活躍が多く、BLACK RXは2機の相棒を使い分けるライダーといえるかもしれません。

忘れられたわけではない仮面ライダーのバイク

バイク以外の乗り物が印象的な4人の仮面ライダーを見てきました。たしかにバイクに乗らないライダーはいるものの、作品内でバイクが一切登場しないわけではないようです。実際、バイクの出番が皆無なライダー作品は現時点で存在しません。

むしろ仮面ライダーを見ていると、さまざまな事情の中でなんとかバイクを活躍させようとするスタッフの葛藤が垣間見えることも。

いま放送中の『仮面ライダーギーツ』では、CG技術を駆使した派手なバイクアクションがファンから好評を博しています。また、2018年に公開された映画『平成ジェネレーションズ FOREVER』では、歴代平成ライダーがそれぞれの愛用バイクに乗って集合するシーンがありました。

仮面ライダーといえばバイク。印象的なバイクシーンが減ったとしても、その構図が忘れられたわけではないのです。

『シン・仮面ライダー』のサイクロン号はどうなる?

2023年3月公開予定の『シン・仮面ライダー』のプロモーション映像では、仮面ライダーがバイクアクションをくり広げるシーンが映っています。

監督の庵野秀明氏は「被写体として実在するバイクによるアクション描写にこだわりたい」とのコメントを残しており、そのために仮面ライダーの愛機・サイクロン号のデザインに苦心したとのこと。ちなみにベース車両はホンダの250ccストリートファイター、CB250Rとなっています(変形後はホンダ CB650R)。庵野秀明氏入魂のバイクアクションが期待できます。

『シン・仮面ライダー』によって「仮面ライダーはやっぱりバイク!」が復活するのか。2023年3月の公開が待ち遠しいですね。

庵野秀明監督こだわりのバイクアクションが見られる『シン・仮面ライダー』は2023年3月公開!!
『シン・仮面ライダー』の出演者とサイクロン号

レポート●ハチミツ 写真●東映 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実

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