コラム

【レトロ信号機 】日本最古は何年現役? 「愛称が包丁」「廃教習所にひっそり」「両面一体型」マニアが推す5選

信号機の約6割がLEDに置き換わったが……

街にある信号機は近年、急速にLED信号機への更新が進み、令和3年度末現在では全国の信号機の約6割以上がLED信号機に置き換わっています。LED信号機は電球式信号機に比べ、視認性が非常に良く、省エネルギーの点でも優れているため、全国的にも飛躍的に普及しており、旧来の電球式信号機は淘汰されています。今回はその中でも昭和40年代〜50年代前半に主に設置された全国でも絶滅危惧種の激レアなヴィンテージ信号機を紹介していきます。

日本の公道に2022年現在残っている車両用の信号機の中で最も古い「角型信号機」

日本の公道に2022年現在残っている車両用の信号機の中で最も古い「角型信号機」。筐体自体が緑色に塗装されています。

まず紹介するのが愛知県知多郡阿久比町の「卯坂」という交差点にある角形信号機です。角形信号機とはその名の通り、信号機の形が全体的に四角く角ばった形をした信号機で、戦後すぐ現在のような信号機の形になってから一番最初に設置されたタイプの信号機で主に昭和53年ころまで製造されました。

この「卯坂」交差点にある角形信号機は日本の公道に2022年現在残っている車両用の信号機の中で最も古いと思われる信号機で、昭和42年ころに製造されたものです。

この信号機の特徴としては信号機の筐体自体が緑色に塗装されていることです。通常現在の信号機は、観光地など景観に配慮した地域などを除き灰色がかった白色に塗装されているのがスタンダードですが、昭和40年代までは緑色に塗装されていました。

また昭和40年代に設置された信号機であっても現在使用されている白色に上塗りされたものも多いのですが、ここのものは上塗りの塗装が剥げてしまい、緑色が出ていて歴史を感じます。また、白と緑の縞模様のいわゆる背面板と呼ばれる板が設置されており、現在の新しい信号機でも背景の看板が派手な場所や歩道橋・高架下等では設置されている場合もありますが、昔は信号機の光が弱く目立たなかったこともあり、信号機の存在を際立たせる目的で普通の交差点にも設置されていました。

因みにこの信号機は小糸製作所(当時)(昭和43年より”小糸工業”に信号機製造を移管、平成23年に現在のコイト電工に移管)製です。

廃校となった教習所にひっそり残る超レトロ「角型信号機」

北海道の廃教習所に残るレトロ信号機。六角形の背面板が付いているのが特徴です。

上記の信号機は愛知県の公道に残っている化石級の信号機でしたが、続いては地元北海道の公道以外にひっそりと残る古い信号機を紹介します。

こちらも1番目のものと同じ角形信号機で、こちらは歌志内市にある廃校となった教習所に残っています。こちらは昔の緑塗装が綺麗に現れていて(この信号機は白色を上塗りしていないようです)、また白と緑の縞模様の背面板が付いていますが、こちらは昔の信号機にしか設置されていない六角形の背面板が付いているのが特徴です。この信号機も小糸工業製です。

公道では全国にここだけ!! 赤1灯式両面一体型信号機

赤の1灯のみの信号機。細い道路向けに一時停止を促すために常時赤点滅しています。
特徴は両面が一体型になっていること。

3番目に紹介する信号機は山梨県西八代郡市川三郷町の信号機で、こちらは赤の1灯式の信号機です。

細い道路向けに一時停止を促すために常時赤点滅しています。この信号機の特徴は両面が一体型になっていることで、かつては角型信号機や一部丸型信号機でもこのように両面が一体となった信号機が設置されていましたが、数年前に青・黄・赤の3灯式の信号機の両面が一体となったタイプは公道から既に絶滅し、1灯式も公道ではここのみとなっています。

昭和50年製で角形信号機としては新しいものですが、かつて古い信号機は両面設置をこのように一体にしたタイプで設置されていたことを知ることができる貴重な資料となっています。こちらもメーカーは小糸工業となっています。

設置方法からマニアが「包丁」と呼ぶ信号機

接続部が包丁の柄と刃のようにみえることからマニアの間で「包丁」と呼ばれる信号機。
「包丁」信号機の背面。

4番目に紹介する信号機は角形信号機の次に登場した丸型信号機。昭和40年代後半〜昭和50年まで製造されていた所謂「包丁」と我々信号機マニアは呼んでいる信号機です。その名の通り、設置方法が包丁のような形で接続されているためにこう呼ばれています。この信号機ももう設置されて50年近く経っているため、全国的にもほとんど撤去されてしまっていますが、静岡県等に僅かに残っています。こちらも小糸工業製。

日本の公道に2022年現在残っている歩行者用の信号機の中で最も古い「弁当箱型」

日本の公道に2022年現在残っている歩行者用の信号機の中で最も古い。この形の信号機には「弁当箱」という愛称があります。
信号機の青の庇が赤より短くなっているのも特徴。

最後に紹介するのは歩行者用の信号機。兵庫県のJR神戸駅前のまん前に堂々と残っている信号機で、昭和43年6月製と2022年11月現在公道にある歩行者用信号機の中では最古ではと思われる信号機です。特徴としては信号機には信号機の製造年月などの情報が記載された銘板というものがあり、通常は歩行者用信号機の場合、信号機の背面に付いているのですが、それが側面に付いていて、また信号機の青の庇が赤より短くなっている(歩行者用信号機は通常そろっている場合がほとんど)のが特徴です。またこの種類の信号機の形が厚みがあり、弁当箱に似ていることから信号機マニアは弁当箱型と呼んだりしています。このような古い歩行者用信号機が現在でも神戸市の都心のJRの駅前に未だに残っていることに驚きを隠せません。こちらは日本信号製。

レポート/写真●丹羽拳士朗 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実

筆者プロフィール

●信号機マニアの丹羽拳士朗です。4歳の頃から信号機に興味を持ち、大学入学後の2014年からは積極的に全国各地に信号機撮影に出かけ、2017年に全都道府県を制覇しました。今まででLCC等を駆使し、宿泊はネットカフェ・夜行バスで済ませながら、居住している北海道の外へ116回信号機撮影に出かけ、全国の792市の6割程度に訪問しています。

現在はホームページ「Let’s enjoy signal!!」やtwitter(@LED60590495)で珍しい信号機などを発信しています。好きな信号機はヴィンテージものの信号機や赤黄赤、黄黄赤などの変わった配列の信号機等です。好きな食べ物はラーメン、パスタなどの麺類ですが、信号機優先のため旅行の際も食事は蔑ろになりがちでネットカフェでカップ麺をすすることも。

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