コラム

「バイクで町おこし」の埼玉県小鹿野町!交通安全に重点を置いた次のステージへ

「オートバイによるまちおこし」を掲げる埼玉県小鹿野町

志賀坂峠やバイク神社である小鹿神社など、ツーリングに人気のスポットを多数有し平成18年(2006年)から「オートバイによるまちおこし」を掲げる埼玉県小鹿野町。

ライダーの聖地となっているバイク神社「小鹿神社」。

「オートバイによるまちおこし」の成果を問う地域住民の声も

バイクに対して友好的な自治体があるというのは、ライダーにとってはとてもありがたい話です。しかし、地域住民の反応はすべてが好意的なものとは限らないようです。

「町長への手紙」として町民から寄せられた意見の中には「空吹かしや車の追い越し、信号待ちでの爆音や夜中の騒音で住民の安全と安眠が妨害されている。バイクの町として小鹿野町に何か利益が大きくあったのでしょうか?」というものも。

これに対する、小鹿野町の見解はどのようなものでしょうか。

「オートバイによるまちおこし事業」現在は「交通安全に重点を置いた取組」にシフト

住民の不安に対して小鹿野町は

「オートバイによるまちおこし事業を推進する中で効果(町の知名度アップや経済効果など)が上がる一方、騒音問題などの課題が解消されず、行政で推進すべきでないと判断し精査した結果、平成27年(2015年)からは同事業は交通安全に重点を置いた取組にシフトしております」

と回答しています。

「バイクを能動的に誘致する」というよりは「バイクが安全に走れる町」を目指していくというわけですね。しかし小鹿野町は積極的ライダー誘致による「オートバイによるまちおこし事業」を一切諦めてしまったわけではありません。2022年現在の取り組みについては、以下のように説明しています。

「町内にはオートバイによるまちおこし事業の経済効果などを高く評価し、事業継承を望む声も多くあったことから、現在は、西秩父商工会に事務局を置く任意団体『ウェルカムライダーズおがの』がボランティアで各種事業を継承しているところです。なお、近年のオートバイライダーの傾向として、中高年層や女性などのユーザーが増加しており、以前よりは比較的静かで、無謀運転や騒音問題なども減少してきているのものと思われます」

また『ウェルカムライダーズおがの』の活動の中でもオートバイライダーの交通ルールやマナーの厳守などを重点に、警察署とタイアップし二輪車を対象にした交通安全街頭キャンペーン実施などのほか、小鹿野警察署交通課の協力を仰ぎ交通安全講習会などを定期的に開催して交通ルール、マナー厳守の呼びかけなどをしております」

このように「バイクによる地域活性化」という行政の志は、ボランティア団体『ウェルカムライダーズおがの』に引き継がれているようです。

実際に、2021年3月には小鹿野町のバックアップのもと2010年に閉館したライダー向け施設「小鹿野バイクの森」(旧名・バイクの森おがの)が復活オープン。館内にはアライヘルメットミュージアムのほか、バイクのタンクを模した弁当箱が人気の「バイク弁当」の販売所、「伝承・ポップ吉村メモリアルコーナー」が設けられ、ライダーたちの憩いの場となっています。

「小鹿野バイクの森」の館内。
2021年4月には小鹿野バイクの森館内に「アライヘルメットミュージアム」がオープンしました。
館内ではフューエルタンク型の容器にジューシーな豚唐揚げが入った「バイク弁当」を販売しています。
「バイク弁当」。写真はヨシムラとのコラボレーションメニューとして販売されている「1978年ヨシムラGS1000・8H・赤」。

結局「オートバイによるまちおこし」は小鹿野町に利益をもたらしたのか

小鹿野町は「オートバイによるまちおこし」が小鹿野町にもたらした利益についても、合わせて説明しています。

「主立った観光収入の無い小鹿野町にあって、オートバイライダーが町内で消費する飲食や土産、農産物や特産品などの売上が当該事業開始前と比較すると大幅に伸びているようです。さらには、地元神社へ交通安全祈願に訪れるオートバイライダーは年々増加し、町内宿泊施設を利用される方も多々おります。一見オートバイとは無関係のようですが、一度、オートバイで来町した方が、その後、家族やグループなどを連れて町内宿泊施設を利用したというケースも度々見受けられるようになりました。これらのことを考えると『オートバイによるまちおこし』は町への経済効果には相当貢献しているものと思われます」

「また、オートバイによるまちおこし事業は、全国でも例を見ない町おこし事業だったことから、新聞やTV、雑誌などでも度々取り上げられ、小鹿野町の知名度アップには大きく貢献したものと思われますし、長年休眠施設だった旧バイクの森おがのが民間団体により2021年4月から再利用が始まったのもオートバイによるまちおこし事業が背景にあったからこそのことだと思われます」

小鹿野町は「オートバイによるまちおこし事業」について、メリットとデメリットが背中合わせの事業であるということを受け入れ、住民の生活を守りつつ「バイクの町」としても進化していくべく、最善の形を模索しながら取り組んでいるということが読み取れます。

バイクと小鹿野町との良好な関係をこれからも続けていくために、ライダーの皆さんは来町の際の(もちろん小鹿野町以外を走るときも!)安全運転とグッドマナーを心がけましょう。

まとめ●モーサイ編集部・中牟田歩実 写真●小鹿野町/アライヘルメット

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