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ガソリンが切れただけなのに……「高速道路でガス欠」は違反!! 反則金9000円、点数2となかなか厳罰

夏の行楽シーズン、ガス欠に注意

もうすぐ夏休みシーズン! クルマやバイクで行楽に出かける人も増えるのではないでしょうか。特にお盆の時期などは帰省ラッシュで、全国的に渋滞が予想されます。渋滞にはまってしまうと、ストップ&ゴーを繰り返すために燃費が低下しがちです。また、今年は記録的な猛暑といわれており、燃費に悪影響だとと知りながらも、エアコンをフル稼働して走るクルマも多いでしょう(残念ながらバイクにエアコンは付いていませんが……)。

そうなると心配になるのが、走行中に燃料が足りなくなってエンジンが停止してしまう「ガス欠」ですよね。

高速道路上にもサービスエリアなどに併設されたガソリンスタンドがありますが、路線によっては100km以上給油できるポイントのない「空白区間」も存在します。ガソリン残量と給油できる施設の位置に十分注意して走行しなければ「高速道路でガス欠」というのは誰にとっても起こり得るトラブルなのです。

この記事では、万が一高速道路上でガス欠による停車をしてしまった場合、交通違反になるのかどうか、また停車してしまった際にはどう対応すれば良いのかを解説します。

高速道路でのガス欠停車は「高速自動車国道等運転者遵守事項」違反

結論から言えば、高速道路で「ガス欠」によって停車をすると、道路交通法第75条の10(自動車の運転者の遵守事項)高速自動車国道等運転者遵守事項違反となり、検挙された場合には違反点数2点が課され、反則金普通車9000円、バイク7000円も課されます。

「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」というのは聞き慣れない言葉かもしれませんが、違反点数2点、反則金9000円(普通車)というのは「赤信号無視」での罰則と同様です。このことからも「高速自動車国道等運転者遵守事項違反」がなかなかに重大な違反として扱われているのが感じられるのではないでしょうか。

そもそも道路交通法第75条の10(自動車の運転者の遵守事項)高速自動車国道等運転者遵守事項というのは「高速道路を安全に走行するため、ドライバーやライダーに注意義務のある項目」を説明したもので、以下のような条文になっています。

自動車の運転者は、高速自動車国道等において自動車を運転しようとするときは、あらかじめ、燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量又は貨物の積載の状態を点検し、必要がある場合においては、高速自動車国道等において燃料、冷却水若しくは原動機のオイルの量の不足のため当該自動車を運転することができなくなること又は積載している物を転落させ、若しくは飛散させることを防止するための措置を講じなければならない。

道路交通法第75条の10

この条文に説明されているように、ドライバーやライダーは高速道路等に進入する際には事前に車両の点検する義務があります。義務付けられた点検箇所は燃料と冷却水とオイルの量、荷物の積載状態です。

高速道路を走行中にガス欠で停車したり、積載物を落下させたりした場合には、この義務を怠っていたと判断されて違反になるというわけです。

燃料の残量に気を配り、もし燃料警告灯が点灯しても慌てず対応を

高速道路等に乗る際には燃料に余裕をもっておき、給油できるポイントも頭に入れておきたいところです。しかしときには計画通りに給油できず「ヤバい!!」と思うこともあるかもしれません。

燃料警告灯が点灯しても、落ち着いてください。クルマやバイクは即座に動かなくなるわけではなく、点灯から30〜50km程度は走ることができるのが一般的です。

ガソリンが残り何Lになると燃料警告灯が点灯するかの目安は、取扱説明書に書いてありますので、知らなかったという人は一度確認してみるのがいいでしょう。またバイクには、燃料警告灯どころか燃料計も備えられていない車種が多く存在します。日頃から燃費を気にかけ、自分のバイクの航続距離やリザーブ容量を把握しておくのが安心です。

燃料警告灯が点灯してしまったら、あるいは走行距離などから「もうすぐガソリン切れだ」と思ったらすぐにガソリンスタンドのあるサービスエリアなどに入りましょう。

高速道路上では目安として50kmごとにガソリンスタンドが設置されていますが、閉店などにより100km以上給油できない区間もあります。

次の給油ポイントまで走れるか不安なら下道へ

辿り着けそうな位置にガソリンスタンド付きサービスエリアがない場合には、最寄りの出口から一般道に下りましょう。

一般道の方が高速道路上よりもコンビニなどの店舗駐車場、広い路肩など、安全に停車できる場所も多く、万が一ガス欠で停車してしまっても高速道路に比べて迷惑をかけることが少なく、また交通違反として検挙されません。

それさえも間に合わず、万が一高速道路の路上で燃料切れになってしまったら、ハザードランプ(ない車両の場合はウインカー)を点灯し、後続車に停車の意思を表示してから待避所など、できるだけ広い路側帯のあるところに停車します。

停車後は後続車に十分注意しながら、発炎筒と三角停止表示板を車両後方に表示して、ガードレールの外側など安全な場所に退避します。

安全が確認できたら、ロードサービスを呼びます。携帯電話以外にも1kmごとに設置されている、高速道路の非常電話からも道路管制センターに救援を求めることができます。

高速道路での停車で最も怖いのは、クルマから出たところを後続車に轢かれたり、停車中に衝突されたりする二次的事故です。
高速道路上で停車することにならないよう最大限留意し、万が一停車してしまった際には、同乗者も運転者もすぐに安全なところに退避するようにしましょう。

高速道路上には原則1kmおきに、またほとんどのサービスエリアやパーキングにも非常電話が設置されています。
トンネル内では、原則200mおきに非常電話が設置されています。
バイクに発炎筒と三角停止表示板の携行義務はありませんが、バイクに積載できる収納サイズの小さいものも販売されているので、積んでおくと安心です。

まとめ●モーサイ編集部・中牟田歩実

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