コラム

防災関連の見本市「危機管理産業展2021」で見たヤマハ、カワサキ、ホンダの災害対応製品

ヤマハ以外にも、カワサキとホンダが「危機管理産業展2021」に出展

2021年10月20日から22日に東京ビッグサイト・青海展示棟において開催された防災関連の見本市「危機管理産業展2021」。
実は国産バイクメーカーも縁のある催しで、ヤマハは悪路対応防災コミューター「ラフロード トリシティ コンセプト」などバイクファン的にも興味深い車両を展示していました。

トリシティ ヤマハ
ヤマハ「ラフロード トリシティ コンセプト」。

「バイクそのもの」ではないものの、会場にはカワサキ、ホンダのブースも。当記事では、ヤマハブースの「バイク以外」の展示物や、カワサキ、ホンダの出展内容を紹介していきましょう。

ヤマハ テネレ700(危機管理産業展2021 特別カラー)

マットブラック2のカラーリングに、危機管理産業展2021ヤマハブースのテーマに沿ったステッカーを追加。車両自体は市販モデルそのままです。
セロー250がすでに生産終了になっていますが、今後はテネレ700が赤バイ(消防活動二輪車)のベースになるのでしょうか?

ヤマハ 洪水救難艇「RS-13」(コンセプトモデル)

洪水災害における救難活動を目的としたボートです。
小型トラックの荷台にも積載できる全長4mのコンパクトな船体ですが、乗船定員は最大で大人6人。船首がゲートになっていて、標準装備のスロープを使って車いすでの乗降も不安なくこなします。また浅瀬での救助やガレキなどでの破損リスクを考慮して船底は丈夫に作られているそう。
4サイクル、432cc2気筒のF25Gを船外機として取り付けています。

ヤマハ 救難仕様水上バイク「MJ-FX HO」 (コンセプトモデル)

レジャー用としても人気を集めているほか、東京消防庁を筆頭に各地の水難救助団体に採用されている市販モデル「MJ-FX HO」にリヤ牽引式のフロートなど各種特殊装備を追加したコンセプトモデルです。
搭載される1812ccの水冷4サイクル4気筒エンジンは、最高出力なんと170ps!

ヤマハ 発電機「EF1800iS/EF900iSGB2」(コンセプトモデル)

市販品にブースコンセプトであるイエロー+グレーのカラーリングを施し、始動手順をそれぞれの操作部に明記。さらに停電時などの暗闇でも迷うことなく扱えるよう蓄光塗料が施されたものです。
ちなみに、どこかで災害が起きるたびに修理依頼が増えるのが発電機で、ガソリンを燃料にする製品は使わないまま長く保管しているとバイクと同じように燃料が揮発してトラブルを起こしがち。
いざというときに困らないよう、バイク同様に点検やメンテナンスを心がけたいところです。

カワサキ「MULE PRO-FXT」

カワサキは主に北米市場で展開しているMULEを展示。
Multi-Use Light Equipmentの頭文字で「ミュール」と名付けられたモデルは全輪駆動による悪路走破性はもちろんですが、ベッド(荷台)の広さを変えたり、雪道用クローラーを装着できたりと、用途に合わせたカスタマイズが可能! 牧場、ゲレンデ、クローズドオフロードコースなどさまざまなシーンで活躍しています。

展示車は自衛隊に試験採用されている仕様でフラッシャーなどを装備していますが公道走行はできません。エンジンは812ccの水冷4ストロークDOHC直列3気筒で、ベッドに載せられているタイヤはミシュラン製のエアレスタイプ。1本10万円を超えるものだそうです。
なお、ミュールは2022年春以降、ナンバーなしではありますが、国内向けに販売を予定しているそうで、価格は250万円前後ではないかとのことでした。

ホンダ「モバイルパワーパックe:」ほか

「モバイルパワーパック」をポータブル電源として使うことのできる「パワーポッド」(プロトタイプ)。「モバイルパワーパック」の充電もできる。

ホンダはEV、PHEV、FCVなど大容量リチウム電池搭載車から、電気を取り出し家庭用電気製品に安定した電力を供給する「Power Exporter 9000」(120万1750円)のほか、新型バッテリー「モバイルパワーパック:e」(プロトタイプ)を展示していました。

これはPCXエレクトリックやベンリィe:シリーズなどですでに使用しているリチウムイオンバッテリー「モバイルパワーパック」の強化版ともいえるもので、さらなる高効率化、長寿命化などが図られているとのこと(10月28日に発表されたジャイロキャノピーe:にも採用されましたね)。

そして「モバイルパワーパック」を組み込んで使うポータブル電源「パワーポッド」(プロトタイプ)も同時に展示。内蔵したバッテリーから交流1500W×2、USB端子などで外部へ電気を供給することができるほか、ACからバッテリーに充電することもできます。

会場では実際にバルーン式投光器に電気を供給し明かりを灯していましたが、PCXエレクトリックでキャンプにいって、これを使って野外で電気製品を使ってみたら面白いかも……なんて妄想をついしてしまいました笑

左から「パワーポッド」(プロトタイプ)、リチウムイオンバッテリーの「モバイルパワーパックe:」(プロトタイプ)、蓄電器「Lib-AID E500」。
右端がリチウム電池搭載車から電気を取り出し家庭用に安定した電力を供給する「Power Exporter 9000」。中央の黒い物体が「モバイルパワーパックe:」、中央手前は既に市販されている蓄電器「Lib-AID E500」。

レポート&写真●飯田康博 編集●上野茂岐

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