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バイク用のETC車載器は高額!「乗り換え」なら外したほうがお得
バイクを乗り換える予定があるなら、ETC車載器は外してから売却したほうがお得になる可能性が高いです。
なぜなら、バイク用のETC車載器の価格は一般的にクルマのETC車載器よりも高額で、およそ2万〜3万円もします。むき出しの車体に取り付けるので、雨や振動による故障を防ぐためにコストがかかっているわけですね。
次のバイクに新たにETCを取り付ける場合、ETC車載器代のほかに、さらに取り付け工賃やセットアップ料金に、依頼するバイクショップや用品店によっても異なりますが1万円程度かかります。つまり、安い端末を購入した場合でも3万円前後は必要になるということです。
しかし、ETC車載器を再利用して次のバイクに取り付けるなら、仮にバイクからの取り外しにかかる工賃が5000円程度、取り付けに1万円程度の工賃がかかったとしても、新品を再び購入して取り付けるよりははるかに安いですよね。
売却後に乗り換える新しいバイクにもETC車載器の取り付けを考えているなら、外してから売却したほうがお得になりそうです。
ただし、依頼するバイクショップや用品店によってはETC車載器の購入とセットアップ、取り付けがセットで販売されており、それぞれ単品では受け付けてもらえない場合もあるので、注意が必要です。
ETCが付いていてもはバイク査定額はほぼ変わらない
バイクを売る際に気になるのが査定額です。
ETC車載器をそのままつけて売れば、その分査定額が高くなるのでは?と考えるかもしれません。せっかく車載器本体の価格にセットアップ・取付工賃料に……と高いお金を出して取り付けたのだから、売り手としてはそれなりに評価をしてほしいところ。
しかし、中古車買取・販売店に聞いてみると、実際はETC車載器がついていることでバイクの査定額が高くなることはほぼないということです。
買取ショップによっては、おまけで数千円程度高くしてもらえる場合もあるそうですが、基本的にはETC車載器の有無で査定額に大きな差はないと言えるでしょう。
バイクの査定は、ボディの傷やエンジンの調子など、あくまでも車体の状態によって決まるのが一般的。ETC車載器がついているからと言って査定額を高くしてもらえる可能性は低いでしょう。
筆者も以前400ccのバイクを売却しましたが、USB電源やサイドバッグ・エンジンガードなどの付属物がついた状態でも、悲しいことに査定額は「取り外した状態」と比較して1円も高くならないと言われた経験があります。
査定額が変わらないのであれば、ETC車載器も売らずに再利用したほうがお得ですよね。
ETC車載器をつけたまま売却したほうがいいケースも
一方で、ETC車載器をつけたまま売却したほうがお得な場合もあります。
「バイクを乗り換える予定がない、もしくは乗り換え予定のバイクにETC車載器を取り付ける予定がない」「乗り換えるバイクにETC車載器がすでについている」というケースは、外さずにそのまま売却するほうがお得です。
前述したように、ETC車載器の取り付けや取り外しには工賃がかかりますので、今後ETCを使わない・取り付ける必要がない場合は、そのまま売却すれば余計な取り外し費用がかかりません。ただし、取り外さないからといってETC車載器をそのまま売却してしまうと、次の購入者がセットアップできずにETCを使用できない・場合によっては次の購入者に前使用者の個人情報が漏れてしまうため「二輪車ETC登録解除届出書」に記入し、二輪車ETC登録事務局に提出する必要があります(無料)。
また、ETC車載器があることで査定額がアップする可能性もゼロではないので、少しでも高く売却したいという人は交渉にチャレンジしてみても良いかもしれません。
ETC車載器だけ別で売却する方法もある
また「バイクを乗り換える予定がない」「乗り換えるバイクにETC車載器がついている」というケースであっても、ETC車載器を取り外して、バイクとは別に売却することでお得になる可能性があります。
バイクの中古パーツショップやフリマサイト、オークションサイトでは、中古のバイク用ETC車載器が数千円から1万円程度で取引されています。
バイクから取り外した工賃以上の価格で売れれば、その分利益が出るのでお得になりますね。
いくらで売れるのかはメーカーや機種によってさまざまですので、販売価格の相場を調べてから判断するのがおすすめです。
ただ、傷が多いものや古い製品の場合は、買取額が500円以下だったり、買い手がつかない場合もありますので注意しましょう。
ETC車載器が標準装備の車両は取り外しをせずに売却するのが一般的
ただし近年では、ETC車載器を標準装備している車両も増えています。
そういった車両の場合には取り外しをせずに売却するのが一般的です。
なぜなら、標準装備されているETC車載器は後付けのものよりもしっかりと車体に組み込まれているため取り外しに手間(工賃)がかかる場合が多く、かつ配線の長さなどが車種専用に設計されており、取り外したからといって別の車種には取り付けられないこともあるからです。
また、大手中古車販売店によると、ETC車載器が標準装備されている車種については「本来、ETC車載器がついているもの」として扱うため、取り外されていると「欠品」としてむしろ査定額が下がってしまうこともあるといいます。
売ろうとしているバイクが「ETC車載器標準装備」の車種なのであれば、たとえ次のバイクにETC車載器を取り付ける予定があったとしても、取り外さずに売却するのが無難と言えるでしょう。
ETC車載器の取り付けや取り外しはプロに任せるのが安心
「自分で取り付け・取り外しをすれば工賃もかからずお得なのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、ETC車載器の取り付けなどには専門の知識と技術が必要です。電装系の配線を加工することになりますので、専門業者に任せることが推奨されています。
それに、取り付け後にはセットアップが必要です。セットアップは認定されたショップでしかおこなえませんので結局はバイクショップに依頼することになります。
取り外しはある程度の知識を持っていれば自分でできる人もいるでしょうが、無理に作業をして、もしもトラブルが起きたらバイクの査定額にも影響します。
お得になるどころか損をしてしまう可能性がありますので、自信のない場合は数千円の工賃を支払ってでもプロにお任せするのが安心です。
レポート/写真●清水秀明 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実