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高速道路でインターチェンジの名前を見て「なんと読むんだろう」と思ったことは誰しもあるはず。変わった読み仮名や常用外漢字が使われていることも多く、知らないと読めない名前がたくさんあります。中にはちょっと面白い歴史を持ったインターチェンジ名も。
この記事では日本全国の「難読」インターチェンジ名を5つ紹介します。
磐越自動車道「磐梯河東」
福島県会津若松市にある磐越自動車道のインターチェンジ「磐梯河東」。読み方は「ばんだいかわひがし」です。
福島県会津若松市河東町という場所に位置しており、付近には日本百名山の1つである「磐梯山」、星野リゾートのスキーゲレンデ「アルツ磐梯」、「道の駅ばんだい」など地名を冠したスポットが豊富。また、この区間は「磐梯熱海」「猪苗代磐梯高原」と同じ地名が入った名前のインターチェンジが連続で続きます。
「磐梯」という漢字を覚えておくと、会津若松付近の高速ツーリングで便利かもしれません。
日光宇都宮道路「徳次郎」
栃木県宇都宮市にある日光宇都宮道路のインターチェンジ「徳次郎」。
読み方は「とくじら」です。
とくじろうと読みたくなりますよね。実は2021年の3月1日に今の名前に変更されるまでは「とくじろう」だったんです。
名前の由来である宇都宮市徳次郎町の町名は、市区町村の合併に伴って昭和29年以来「とくじろう」という読みでした。しかし歴史・文化的な背景から「とくじら」という読みが愛着を持たれており、地元住民からの要望で2021年3月に町名変更。インターチェンジの名前も同じく変更されて現在の名前になりました。
住民の要望で「とくじろう」から「とくじら」に戻った、地元に愛されるインターチェンジ名なのです。
三遠南信道「飯田上久堅・喬木富田」
長野県飯田市にある三遠南信自動車道のインターチェンジ「飯田上久堅・喬木富田」。読み方は「いいだかみひさかた・たかぎとみだ」。
2023年1月現在、漢字の文字数が日本一多いインターチェンジです。漢字以外も含めた文字数の日本一は「大井川焼津藤枝スマート」ですが、常用外漢字である「喬」を含めた漢字9文字は読み方を推察する前に、読むこと自体に時間がかかります。
ちなみに前後のインターチェンジも「氏乗(うじのり)」(建設中・仮称)「龍江(たつえ)」と、文字数は少ないものの難易度は高めです。
伊豆縦貫自動車道「河津七滝」
静岡県賀茂郡にある伊豆縦貫自動車道で建設中のインターチェンジ「河津七滝」。読み方は「かわづななだる」です。
比較的読みやすい漢字で構成されていますが、「七滝」を「ななだる」と読める方は多くないのではないでしょうか。
「たる」「だる」という滝の呼称は「水が垂れる」に由来した伊豆の河津町の文化です。出合滝・初景滝・大滝・カニ滝・ヘビ滝・エビ滝・釜滝と7つの滝が見どころであり、7つの滝の総称が「河津七滝」となっています。
2023年3月19日に開通予定ですので、高速道路上の標識でこの名前を目にする瞬間ももうすぐ訪れるでしょう。
米子自動車道「蒜山」
岡山県真庭市にある米子自動車道のインターチェンジ「蒜山」。読み方は「ひるぜん」です。
“ありがちな地名”というのは全国各地に重複して存在しますが、この「蒜山」というのは日本に1つしかない地名となっており、知らずに読むのはなかなか難しいのではないでしょうか。
真庭市観光局公式サイトによると、蒜山という地名の由来は「ヒルが多く生息する」「肌にヒリヒリする植物が多い」「日出る方角にある」など諸説あるものの確証があるものは見つかっていないそうです。
ちなみに蒜山インターチェンジは2022年12月に「難読地名インターチェンジ標識アクリル」として商品化され、全国のカプセルトイ売り場に並んでいます。同じく商品化された「麻績」「南風原北」「国縫」は過去記事で紹介していますので、ぜひこちらも読んでみてくださいね。
レポート●穂高いずる 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実 写真●レインボー