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■キレイなライムグリーンになりました!
サビを落として地肌剥き出しのスプリング!早く表面処理をしておきたい
「2000km走行の中古KLX125が、なぜかサビがひどくてタイヘン!」なのを、できるだけ自分の手で何とかしています。作業はリヤサスペンション周りを外し、ショックユニットを分解し、サビを落としたところ。一部のパーツはユニクロメッキに出しました。
さて、このリヤサスの美化&作動性確認の作業を続けていた当時は秋口で、シトシトと雨が降り続けていました。強烈な台風が来なかったのは助かりましたが、湿度が70%台と高め。あまり塗装(クリア仕上げ)には向いていない気候ですが、サスのプリングはサビを落としたままの状態なので、早急に表面を保護しておきたいです。
と、焦る気持ちはあるのですが、ひとまずは抑えておいて、実作業では外しておいたスイングアームのモノサスの受け周辺の仕上げをしておきます。
バリやスパッタをペーパーで。仕上がりはキレイになるし、ケガもしにくくなるし
リンクの収まる部分周辺のカドに残っている尖ったバリは、洗車や作業時に指先を傷めそうなので全部丸めてしまいます。溶接のカスであるスパッタもサンドペーパーで処理し、削り落とします。スイングアーム根元の溶接部分にもサビの浮いた隙間があったのですが、こちらにもサンドペーパーを当てました。ブレーキホースを留める丸い金具がありますが、この先端で指を傷めそうでしたので丸めておきました。
ダート走行のあとなどに丹念に掃除をしていると、知らないうちに手を切ったりしているのって、こういう箇所が原因の場合もありますよね。そのため、車体から外してある今のあいだに、気になるバリやエッジの処理を全てやっておきます。山道でスッ転んで車体の下敷きになったときも、尖ったエッジなどで余計な怪我をせずに済むかもしれません。
そんな合間に自室でも磨いていたリンクアームのほうは、ウレタンクリアを塗る前段階となりました。バフ仕上げの寸前までいきました。この面は車体の陰になる部分です。走行中も停車時も、「ここの磨き、頑張ったんだ!」と自分から言わなければ、誰にも見てもらえないでしょう。著しい自己満足というか、雨続きのストレス発散といいますか、結果、高級重量車でもこの部分でこんな光沢を放つことはないだろうというレベルまで磨き上げられました(だからどうしたとも言えますが)。
特注?で厚めにかけておいてもらったユニクロメッキ
そうこうしているうちに、ユニクロメッキに出しておいたサスの部材やシャフト類が仕上がってきました。これだけ良い感じにメッキがかかっているのですから、ちゃんと保管すれば数年はサビないでしょう。親しいめっき専門工場に「山岳レースの追跡などをします」と用途を伝えておきましたら、しっかり厚めにユニクロをかけておいてくれました。
この勢いでダンパーの筐体も、汚れと腐食を一気に磨き落とし、仕上げてしまいます。
細いロッドの部分は汚れやサビがないのを確認後、入念に保護マスキングをしました。そのあと、ポリッシャー+600番でダンパーの筐体を研磨。すでに研磨の進んでいるスプリングの内側もダメ押しで、さらにサビと古い塗料を完全に剥ぎ落としておきました。
伸び縮みするスプリングに、硬い塗料は塗りにくいので……ちょっと考える
問題は、ウレタンクリアで保護する部品はヨシとして、伸び縮みするスプリングのコーティングをどうするかです。この晩は湿度が高かったので暫定的に鉄部用シルバーで陰蔽力の強い品種を軽く吹いておきました。いざとなればアセトンですぐに落とせるので、ひとまずサビ止め狙いです。弾力性もまあまああります。
なんにせよ、最初のサビだらけでギタギタの状態よりは俄然まともになりました。
スプリングの圧縮率と塗料の柔軟性の兼ね合いで、仕上げをどうしたものか……と、この時点でもまだ考え続けています。ダメ元で、ゴムコーティング的な塗料をいっぺん試してみても良いかな?という想いも少々ありまして。
カワサキだし、やっぱりライムグリーン!
数日後、「やっぱりライムグリーンにしよう!」と決心して塗装を再開です。
ただしスプリングの伸び縮みで塗装面はどうなるのかな?と考えてみると、硬い塗膜はよろしくないのか?と素人考えながら疑問を感じました。そのため柔軟性を持たせて塗ってみてはどうだろう?と試験的な方法をとりました。
いわゆるPPプライマーを吹き付けてから、本塗りとしてライムグリーンを重ねてみたのです。
こちらは過去にZZR600のカウリング補修その他に使っていたプライマーの残り。
これをサビ対策で塗っておいた鉄部用シルバーの上から薄く2回ほど吹いて乾かしておいた。
翌日、使い慣れていて安心感の高いデイトナ“MCペインター”シリーズのライムグリーンを塗装。発色がとても良くて。ホントにKXなどカワサキのモトクロッサーで見慣れた色合いになりますね。
ダンパーに面する内側も色を乗せないとおかしくなるので、焦らずに遠めから時間を置いて何度も吹き付けました。
これらが乾燥したら、車庫にあった手持ちのウレタンクリアを使い、加工した部品で塗装出来るものを塗装処理。車庫の単管パイプに吊るして2日以上乾燥させておきました。湿度計を時々見ては、ワクワクドキドキです。
各パーツを補修処理して組み付け
塗装を乾燥させている待ちの間に、バリや溶接スパッタを落として補修塗りをしておいたスイングアームですが、こちらにも、せっかくなので新品のチェーンスライダーを取り付けます。摩耗すると金属音がしますからね。
スプリングに塗装し、再めっきし直した部品を組み立てて、元通りに復元したリヤのショックユニットです。2000km走行の中古車で買った当初とはエライ違いです。過去にレストアした重量車や草レース用マシンでは、たいていユニットごと社外品に変えてしまうだけなので、ここまで手を入れることはありませんでした。
リヤのショックユニットが出来上がったので、リンク類のグリスアップや作動の確認もしつつ、車体に取り付けていきました。
バリやスパッタを全部ペーパーやポリッシャーで削ったので、素手でどこを触っても、切り傷なんてつきません!
コストをかけられない小排気量車こそ、そんな些細な“ブループリンティング”で密かに楽しむのも一興かも。まるでニッパーで細部の処理をしてから組み立てるプラモデル作りみたいです。
リヤ周りはこれで完了! ……次は?
先にリヤのホイールやブレーキには手を入れましたので、これでリヤ周りの復元がほぼ終わったことになります! あとはサイドカバーとシートを付ければ完成です。
メインフレームの補修より先に、後ろ周りをやってしまったなぁ……。本来だったら、フレームが先かなぁ。
ホイールの補修から始まって、次に奥まったリヤサスに手を入れました。
以前、モンキー系でも補修作業やレーサー製作をしたことがあるのですが、細かいところの見直しって楽しいですね。
この試験的なスプリングの塗装ですが、その後2年近く乗ってもほぼ剥がれておりません。PPプライマーが有効に作用したのかも!
レポート&写真●小見哲彦
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