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警察官はいたるところで監視している。違反を逃れることより、まずは違反しないことを心がけたい
気持ちよく道路を走っていると、いきなり目の前に停止棒を持った警察官が飛び出してきた!
こんな経験がある方は多いはずです。
世間には「こそこそ隠れて違反を見張るなんてズルいぞ!」「堂々と姿を見せていれば誰も違反なんてしないのに」という意見があふれています。
もちろん、警察官の姿が見えているのに目の前で違反を犯すドライバーなんていないはずです。しかし「警察官の姿が見当たらない」から違反も気にしないという悪質なドライバーが少なからず存在するのも事実でしょう。本記事では、交通取り締まりで「警察官が隠れがちな場所」を挙げていきます。
先に言っておきますが、本記事で明かすのは「違反を逃れるため」の情報ではありません。
そもそも、ドライバー側が「あそこに警察官が隠れている!」と気づいたときには、すでに警察官側から違反が現認されているので、隠れている場所を把握しても取り締まりの回避は困難です。警察官は街のいたるところで監視しているので、常に「見られている」という心づもりで運転してください。
「街路樹の陰」……警察官が隠れている場所、その1
歩道に街路樹が植えられている場所では、街路樹の陰がいい隠れ場所になっています。ある程度の太さ・高さがあり、青々とした葉が生い茂っている街路樹は、隠れる場所としてはベストポイントです
なお、日本で植えられている街路樹のうち、高木ではイチョウが最多で、次に多いのがサクラ類だといわれています。どちらも人ひとりが姿を隠すにはちょうどいい程度の太さですが、シーズンオフには葉が枯れて落ちるので、裸になった街路樹の下で隠れている警察官の姿は周囲から見るとモロバレです。
「建物の陰」……警察官が隠れている場所、その2
市街地では、建物の陰にも警察官が隠れています。とくに、ビルとビルの間や雑居ビルの外階段の入口あたりは身を潜めるにはもってこいです。
これを走行中のクルマからドライバーが見つけようとするなら激しいよそ見運転をしなくてはならないので、「ここら辺りに隠れているかも」といって探そうとするのはやめましょう。
「見られているかもしれない」と気を引き締めて、交通ルールを守った安全運転に努めてください。
なお、建物の陰に隠れていると、歩行者を驚かせてしまうことも少なくありません。歩行者はドキドキしてしまうかもしれませんが、警察官のほうはもっとバツの悪い思いをしているので笑って見逃してあげましょう。
「自販機の陰」……警察官が隠れている場所、その3
市街地でも郊外でも「あるある」なのが自販機の陰です。人ひとりが隠れるにはちょうどいい大きさなので、「自販機の陰には警察官がいるかもしれない」と警戒しておいたほうがよいでしょう。
とくに警察官が隠れている割合が大きいのが郊外に設置されている自販機です。路肩がポケットになっていて複数の自販機が並んでいるような場所では、かなりの高確率で警察官が隠れているので、のどが渇いてジュースやコーヒーを買いに立ち寄るとびっくりするハメになるでしょう。
そう考えると、市街地・郊外を問わず自販機はいたるところに設置されているので、気を抜いて走ることができる道路なんてほとんど存在しません。
「堂々と駐車」警察官が隠れている場所、その4
もはや隠れてさえもいないわけですが、店舗の駐車場や会社の敷地、空地などにパトカーや覆面車両を堂々と駐車して監視するパターンもめずらしくありません。
当然、警察官の目で違反を現認する必要があり、違反を発見した際はすみやかに、しかも安全にパトカーを発進させて追跡しなくてはならないので「道路に近くて出入りしやすい場所」に駐車しています。
ドライバー側からも割と発見しやすいわけですが、実際に違反した人に尋ねてみると「パトカーがいたことに気づかなかった」という答えが返ってくるパターンが最多です。
しっかり前方道路だけを見ている方が多いことに感心しますが、ほかの車や歩行者が多い場所では道路外の情報も広く取り入れたほうが事故防止に役立つかもしれません。
「横断歩道のある交差点付近」……警察官が隠れている場所、その5
意外にもドライバーが気づかないのが、横断歩道のある交差点付近です。
警察官は身を隠してはいないのですが、ほかの歩行者に紛れてしまい警察官の姿に気づきにくいという、ある意味ではもっともトラップ性が高いスポットだといえます。まさに「木を隠すには森」です。
なお、横断歩道のあたりに警察官が立っている状況では、とくに歩行者妨害の取り締まりに注意する必要があります。
横断歩道を渡ろうとしている人がいるのにサッと通り抜けてしまうと、すぐに警察官が笛を吹いて、パトカーが追いかけてきます。横断しようとしている人がいればかならず一時停止、どちらかわからない状況ならすぐに停止できるように徐行しながら近づくのが正解です。
「横断歩道や交差点ごとにいちいちそんな運転できないよ」という方は、商店街や生活道路の通行をできるだけ避けて、広い幹線道路を走ったほうが利口でしょう。幹線道路は渋滞するから、こっちのほうが早いだろうといった理由で抜け道を使っていると、取り締まりを受けてしまい、かえって時間がかかる結果になるかもしれません。
レポート●鷹橋公宣
元警察官・刑事のwebライター。
現職時代は知能犯刑事として勤務。退職後は法律事務所のコンテンツ執筆のほか、noteでは元刑事の経験を活かした役立つ情報などを発信している。