目次
夏は朝駆けに限る、そんなバイカーは少なくないでしょう。朝は涼しいだけでなく、普段よりクルマやバイクが少ない道を、あたかも貸し切りかのように走る快感はなにものにも代えがたいもの。今回は、そんなシーンでより気持ちを爽やかにしてくれそうな曲をセレクトしてみました。曲につられて、思わずハンドクラップしたくなるかもしれませんが、そこはハミングでご辛抱(笑)なお、各曲ともスポティファイへのリンク、そして「モーサイJukebox」としてプレイリストもアップしていますので、ぜひご活用ください!
1.High and Dry/Quasimode
ジャズといえば夜のイメージが強いものですが、日本が世界に誇るジャズ・カルテット「クオシモード」は走り過ぎないテンポが絶妙で、朝の透明感ある空気にも似合います。艶のあるサウンド構成から、ランニング中に聴いている方も少なくありません。こちらは、イギリスのロックバンド「レディオヘッド」の曲をアレンジしたもので、クオシモードらしい晴れやかなテイスト満載です。
2.The Yeah Yeah Yeah song/The Flaming Lips
アメリカのオルタナティブロックバンド「ザ・フレーミング・リップス」はグラミー賞を3度受賞するなど実力派であり、日本でも熱狂的な支持を受けています。が、楽曲はそれほどメジャーでもないのが不思議なところです。ハンドクラップとちょっと野暮ったいコーラスのマッチングは、バイカーにも歓迎されるかと。理屈抜きにハッピー感あふれる曲なので、朝の爽やか気分をより盛ってくれることでしょう。
3.Y.M.C.A/Village people
言わずと知れたヤングマンの原曲、ヴィレッジピープルの大ヒットソングです。多様性を尊重するようになった現代の社会ですが、このゲイへのオマージュ(ヴィレッジピープル自体、ゲイコミュニティがコンセプト)が50年近く前にヒットしたのは驚きです。とはいえ、元気のいいテンポとメロディは普遍的でいつまでも心をアップさせてくれるはず。こちらも、思わずYとかMとか振付したくなりますが、くれぐれもバイクを降りてからになさってください(笑)
4.男と女/Francis Ray
ダーバダ、ダバダバダがあまりにも有名な同曲ですが、こちらはコーラスのみのインストルメンタル。とはいえ、ちゃんとダバダバ入ってますのでリズミカルでエモいニュアンスはそのままです。スムーズなメロディラインは、馴染んだ道を規則正しくトレースしていくような雰囲気。それでいて、心にはメランコリックなつぼみが芽生える、そんな詩的な気分にもさせてくれそう。雨上がりなんかだったら、より盛り上がるでしょう。
5.Purple Rain/Prince
雨上がりといえば、プリンスの名バラードも忘れ難い一曲。重たく響くパートもありますが、そこはプリンスのベルベットボイスとハイキーなリフが感じよくカバーしてくれます。ちなみに、曲のPVでプリンスが乗ったのはハーレーダビッドソンではなく、ホンダCM400(1981)のホンダマチック(2速AT)をカスタムしたもの。小柄なプリンスにとって、ハーレーは大きすぎたのです。フロントカウルはもちろんパープルに塗られ、プリンスが後に用いた「愛のシンボル」も描かれています。
6.Love’s Door feat. Faith Evans/DJ KOMORI
2012年リリース、DJ KOMORIによるハッピーソウルチューン。とにかく、女子ウケのいいコモリさんですが、中でもこの曲をドロップしたフロアの熱狂ぶりは忘れられません。フェイス・エヴァンスのシルキーなボーカルといい、グルーブ感満載のアレンジなど、クラブのフロアはもちろん、しゃきしゃきと走る朝のバイカーにはもってこい! クラブサウンドで、この時間帯でも耳に聞こえがいい曲というのは極めてレアではないでしょうか。
7.Stuck middle with you/Stealers Wheel
1972~1975年に活躍したイギリスのフォーク・ロックバンド、スティーリー・ウィールズ。田舎のビートルズなどと揶揄されることもありますが、ボーカルのゲリー・ラファティの気だるいボーカルや、しっとりと美しいメロディなどは彼らだけのアピールポイント。スタック(ハマる)なんて、バイカーにはありがたくないワードも入っていますが、自分の愛車にハマってると解釈すれば、朝駆けタイムもより濃くなるのではないでしょうか。
8.This will be (everlasting love)/Natalie Cole
アメリカではソウル/ブルースの歌姫として知られるナタリー・コールですが、実は幅広いジャンルで歌いこなしています。その証拠に、弾むようなハンドクラップやベースラインがポッピーなこの曲のハッピー具合ときたら! また、歌詞の内容も翻案すれば「愛車への永遠の愛」であり、まさに口ずさみたくなる一曲となっています。
9.All the sand in all the sea/DeVotchKa
デヴォチカはアメリカ、デンバー出身のサウンドグループ。テルミンやブズーキといったレアな楽器を取り入れ、独自の温かみあるサウンドづくりが特徴です。彼らの楽曲は映画やCMに引っ張りだこで「リトル・ミス・サンシャイン」での劇伴はアカデミー賞にノミネートもされました。こちらの曲は広く大きな海や、そこに連なる解放感がイメージされ、自由に走り回るバイクとの親和性があるかと。
10.Carnival Overture Op.92/Antonín Leopold Dvořák
モーサイJukeboxで初めてクラシック音楽をセレクトしました。ドヴォルザークの「謝肉祭」はわりと有名で耳にした方も少なくないはず。華々しさや、耳に馴染みやすいメロディー、そして10分程度の長さと、普通に聞きやすい曲になっています。どういうわけか、朝のクラシックはその日を整えてくれるような気もします。たまには、こんな曲でアクセルを捻るのもいいのではないでしょうか。
今回のセレクトを「モーサイJukebox Ep.5」としてプレイリストにしてあります。下記リンクからぜひチェケラ!
レポート●石橋 寛 写真●ハーレーダビッドソン