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残価設定、レンタル、サブスクと色々な方法がある
2022年初夏の現在、二輪免許取得者が若年層を中心に拡大中とのことで、バイク市場活性化の兆しが見えています。その理由のひとつとしては、一昔前よりも各段にバイクが入手しやすくなったということがあるのではないでしょうか。
昔はバイクを手に入れるには、一括払いかローンを組むしかありませんでした。しかし現在は、通常のローンはもちろん、数ヶ月後に一括払いができるものや、残価設定型といった種類が拡充。さらにレンタルバイクや、サブスクリプションのリースといったサービスも充実し、高額なバイクにも手を伸ばしやすくなっています。
これからバイクに乗ろうという人、また乗り替えを狙っている人にとって、一体どの方式がいちばん得なのか、バイクは買うべきなのか借りたほういいのか。当記事では国内トップメーカー・ホンダのサービスを一例として考えていきたいと思います。
ローン「短期だと安く済むし、なにより自分で所有できる」
まずホンダでは「ホンダクレジット」という独自のローンを展開しています。コースは3つ。最低価格3000円からでキリの良い金額を指定して回数を設定できる「金額指定」、支払い回数を優先的に決定する一般的なローンの「回数指定」、そして最長6ヶ月先に全額を払う「一括払い」の計3種類です。
これらのローンの金利については公表されていません。しかし一般的には短期ローンを組めば金利分は安く済みますし、長期ローンでは高くなります。ホンダクレジットは最大60回までの回数が指定できますが、なるべく早く終わらせるに越したことはありません。
残価設定型ローン「査定を下げないならば高額車でも乗り出しやすい」
そして昨今の流行で注目すべきは残価設定型ローン。ホンダも「Honda Dream 据置クレジット」を展開しています。
こちらのタイプは、数年後に販売店がバイクを買い取ることを前提に、残りの金額をローンで払うという方式。ホンダの場合、36回払いの場合は50%まで、48回は30%、60回は20%まで据え置くことが可能です。この残価型ではホンダは金利を公表しており、実質年率3.9%で利用することができます。
それでは実際にシミュレーションしてみましょう。
車種は超高性能スーパースポーツで高額車のCBR1000RR-R ファイアブレードSPを例にとりたいと思います。車両本体価格は税込278万3000円ですが、諸経費込みで300万円と考え、36回払いの50%据え置きに設定してみましょう。
試しにweb上で公開されているローンシミュレーターで計算してみると、毎月返済額は5万416円(ボーナス併用なし)、利子の合計は25万9706円となり、総返済額は176万4565円になります。これを高いととるか安いととるかは人それぞれですが、毎月5万円でホンダ最高峰スポーツモデルに3年間乗れることになりますね。
ただ、一般論として残価設定型には注意が必要です。先ほどのシミュレーションの場合、3年後に下取りとなるのですが、そこでバイクが傷んでいると査定が下がります。査定が下がった分は持ち主が負担することになります。もちろんその時点で残りを払えば完全に自分のものにできます。しかし、一括払いができなければ再ローンを組む羽目に。結果、余計な金利を払うことになります。
CBR1000RR-RファイアブレードSPを3年後も綺麗に保てている自信はあるでしょうか。せっかくスーパースポーツに乗るのだから、サーキット走行会やアマチュアレースにも参加したい──というような場合はまず無理でしょう。ですが「査定額を確保するためになるべく乗らないでおく」というのは本末転倒です。
長い目でみた場合は、通常ローンを組んでおく方が無難な場合もありますので、しっかりと検討しましょう。とにかくバンバンとバイクを乗り換えて行きたいというタイプのユーザーなら、残価設定型を利用すれば効率よく乗り換えていけると思います。
ちなみにバイクのローンは、お付き合いのある金融機関に相談する方法もあります。住宅ローンをすでに組んでいる場合、それと合算できる場合もありますので、幅広い視点でローンを考えると良いですね。
レンタル「旅先でツーリングの楽しいところだけ味わえる」
ここまでローン関係をみてきましたが、現在は買う以外にもバイクに乗るいい方法があります。それは「借りる」という方法です。
ホンダでは「ホンダGOバイクレンタル」というサービスを展開しています。簡単にいえばレンタカーのバイク版で、会員登録をして、車両を借りて、時間に応じて従量課金がなされるという仕組みです。
料金は4時間プランで原付二種までが税込4000円、〜250ccが8500円、それ以上は1万円〜1万6000円とそれなりの金額となっています。
もちろんガソリン代は自分持ちで、保険料金もかかります。1年間車両を手元に置いて利用する……なんてことをするととんでもない金額になってしまうので、一度乗ってみたいバイクがあるとか、飛行機を利用するような旅先でバイクに乗るとか、そういったシーンでの利用が良いでしょう。
「サブスク」なら色々な車種を楽しむことも
さらに最近、月の定額制で色々なバイクを借りて乗れるいわゆるサブスクリプションサービスも展開されています(ホンダでは行っていません)。月額料金は様々に設定されていますが、乗れる車種が限定されていない分割高です。ちなみに某サービスの料金は、原付二種の月額レンタル料が1万8000円。これが最低価格で、以降は排気量に比例して上がり、月10万円を超えるコースもあります。
サブスクはバイクの整備なども基本はサービスの提供者がおこなってくれるので便利ですが、あくまでレンタルな以上、どれだけ高いお金を払っても「自分のもの」にはなりません。同じ高額料金を月極で払うにしても、残価設定ローンであれば、CBR1000RR-RファイアブレードSPに約5万円で乗ることができます。バイクライフをより深く楽しみたいなら購入した方が良さそうですね。
以上、バイクの入手方法、乗り出し方を紹介しました。それぞれのサービスには一長一短がありますが、ひとつ言えるのは「便利になればなるほど高く付く」ということです。自分に合ったバイクとプランをよく吟味して契約書にハンコをつくようにしましょう。
レポート●ABT werke 写真●ホンダ/八重洲出版
■ホンダクレジット
https://www.honda.co.jp/HFC/motor/2credit/
■ホンダGOバイクレンタル
https://hondago-bikerental.jp/