バイクライフ

最高峰ヘルメットの素材は電子基板が原点!? 今やカーボンホイールは高くない!? 最新自動車技術の裏側を垣間見る

人とくるまのテクノロジー展2022とは

2022年5月25日〜27日、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜において「人とくるまのテクノロジー展 2022 YOKOHAMA」が開催されました。この催しは1992年から行なわれている、その名の通りクルマの技術系展示会です。

人とくるまのテクノロジー展 2022 YOKOHAMA(写真提供「公益社団法人・自動車技術会」)

クルマメーカーを筆頭に部品や素材などを扱う企業、484社が展示を行なうもので、過去2年は新型コロナウイルスの影響を受け会場での公開を見送り、パシフィコ横浜での開催は3年ぶりとなりました。
クルマに関する最新技術が一堂に会する見本市ですが、会場内を歩いて受けた印象はやはり昨今のカーボンニュートラルを意識したEV向けの技術、そして自動運転やそれに関連するドライバーサポートといった先進安全に関する技術が多かったように感じました。

さて、その中でもモーサイ編集部が気になった、バイクに関係する技術や製品を紹介していきましょう。

日東紡のグラスファイバー「ヘルメットと電子基板の意外な共通点」

日東紡はガラス繊維(グラスファイバー)分野における日本のトップランナー企業。このほか繊維、メディカル分野、飲料などさまざまな事業を展開しています。主力製品であるグラスファイバーはおなじみのアライヘルメットに納入されていて、ブースには「RX-7X NAKAGAMI GP2」と四輪用ヘルメット「GP-6」の小暮卓史選手が実際に着用したものが展示されていました。

展示品には「高強度グラスファイバー」との説明が。これはグラスファイバー素材には特性や強度が違う製品がいくつかあり、同社のグラスファイバー素材でもっとも強いものが使われていることを示しています。
とはいえ、グラスファイバーはマット状の状態から固める際に使う樹脂によって特性が変わるので、どのように重ね、どのように固めるか、このあたりはグラスファイバーを使う各製造側のノウハウとのことでした。

ちなみに日東紡はグラスファイバー製プリント基板(電子部品がハンダ付けされている緑色の板です)の製造事業を展開していて、この高強度グラスファイバーは絶縁性や耐熱性など、さらに高機能な基板素材を研究・開発している際に生まれたもの。
それを他分野へ水平展開した結果、ヘルメットなどの素材として活用されているのだそうです。

『チョップドストランドマット』とシールが貼られたマット状のものが「高強度グラスファイバー」。ハンドレイアップ成形に合わせ固さを調節した素材となっています。

こちらは「Eグラスファイバー」という製品。同じくヘルメットに使われていますが、「高強度グラスファイバー」とは引張強度や弾性率が違うといいます。なお、ヘルメットは部位によってグラスファイバーの種類を使い分けているのだそうです。

カーボンホイールはユーザーが思うほど高くない……?

ドイツの自動車部品サプライヤーであるムベア。日本にも現地法人があるグローバル企業で、1916年に設立された歴史あるメーカーです。

同社はスプリングやスタビライザーなど多くのパーツを手がけていますが、TRB(テイラー・ロールド・ブランク)技術が有名で、これは鋼板の厚さを圧延機で部分的に変えるもので日本語では「差厚鋼板」といわれるもの。クルマのボディではピラーやサイドシルなどで使われています。

使用箇所の必要強度に合わせ板厚の違う鋼板を溶接で組み合わせるよりも、一枚の鋼板が部分部分で必要な厚さをもっていたほうが強度分布の最適化が可能→部品点数も減って軽量化や組み立て工数の削減ができる……と、この技術を採用するメーカーは増えています。
つまり、軽量化技術に長けたメーカーがムベアというサプライヤーともいえるでしょう。

そしてグループ内にムベアカーボテックという企業を持ち、近年はカーボン素材の使用にも積極的です。そのムベアブースに展示してあったのが二輪用カーボン製ホイール。BMWに納品されている部品です。

ムベアのカーボンホイールはリム部分の製造は完全に機械化されていて、スポーク部は人が機械の力を借りて成形するなど半自動化で造られているそうです。
一般的な鋳造、切削仕上げのアルミホイールと比較しておおよそ25%程度の軽量化が見込め、加速、ブレーキ性能、燃費など、各数値の性能向上が期待できるとのこと。

そして気になったのがその価格。
もちろんムベアはBMWに部品を納めている立場なのではっきりと価格は教えてくれませんでしたが、マグネシムの鍛造ホイールと比較してそんなに価格差はないようなニュアンスを、説明員の方のお話からは感じられました。

BMWの二輪に採用されているフロント用リム幅3.50インチの17インチホイール(レース用などではなく市販車に装着されるもの)。製造はオーストリアで行なわれています。

こちらはクルマ用カーボンホイールのカットモデル。二輪用はすべてカーボンでできているのに対し、クルマの場合、荷重の大きさへの対応やスポークデザインの自由さを実現するために金属部品とのコンポジットカーボンホイールとなっています。


なお、「人とくるまのテクノロジー展」は2022年6月29日〜7月1日、愛知県ポートメッセ名古屋でも開催されます。

https://aee.expo-info.jsae.or.jp/ja/

レポート●飯田康博 写真●飯田康博/公益社団法人・自動車技術会

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