バイクライフ

ライダーに聞いた、実は苦手なバイク乗り同士の風習「ピースサイン、あまり好きじゃないんです」

どんなに好きな趣味や、興味を持っているジャンルでも、「そのすべてを愛せる!」なんていうのは稀。
少なからず、苦手なことや嫌いなモノは混ざっているはずです。それは、バイクにおいても同じ。そこで全国各地に住む幅広い年代のライダーに、「バイクの世界に浸透しているこの慣例や伝統、好きじゃないかも……」ということがあるか聞いてみました。

圧倒的な苦手ナンバーワンはすれ違いざまの「ピースサイン」!?

ツーリング先ですれ違ったバイクのライダーから、突然のピースサイン。
あるいは、手を振られるなどの派手なアクション。
これ、若い世代で最近バイクに乗り始めたライダーの中には、初めて遭遇して驚いたという人も少なくないかもしれません。

すれ違いのピースサインというのは、日本がバイクブームに沸いた1980年代に広く普及し、その後にかなり廃れたものの、ツーリングライダーが聖地としてきた北海道などでは生き残り、近年はまたこれを行なう人も増えてきた……とされるバイク乗り特有のコミュニケーションです。
すれ違うバイクのライダー同士がハンドサインによって連帯感を高め、「お互い、安全運転で」という意思疎通を図るのが目的。しかしこれ、じつは苦手な人も少なくないようです。

ライダー同士がハンドサインで挨拶を交わす風習。最近では「ヤエー」の愛称でも親しまれています。

「そもそも、なぜバイクだけがピースサインするのか。僕はその時代を直接知らないけど、バイクブームの時代ならまだ良かったのかもしれません。でも、いまやバイクはマイナーな乗り物。なんかマイノリティ同士が群れている感じが嫌いです」

首都圏在住のAさん(35歳・男性)はこのように話します。バイクがマイノリティかどうかという議論は置いておいて、たしかに「バイクだけ」というのはちょっと気にかかります。

「そもそも日本人はシャイで、マンションで同じエレベーターに乗るときですら、挨拶もないことが普通。ましてや『ハ~イ、今日はいい天気だね』とか『Have a nice day』なんてやらないわけです。それなのになぜ、バイクに乗ったときだけ突然社交的になるのか、と」

同じく首都圏在住のBさん(47歳・男性)はこのように笑います。たしかに、日本人は礼儀正しいなんてよく言われますが、見ず知らずの他人に対してフレンドリーに挨拶する文化はほとんどありません。
町内会や同じマンション内などで知らない人に挨拶することはありますが、ツーリング先ですれ違うのはお隣さんではありませんし……。さらに、ピースサインの文化そのものは尊重するけど、自分には対応できないという意見も多数ありました。その一部をご紹介!

「長い直線の途中ならまだいいですけど、相手がカーブから立ち上がったところでピースサインされると、本当に困ります。だって、これから私はカーブにアプローチするため、減速したりギヤチェンジしたり周囲の状況に気を配らなければならないのに、左手を挙げて返すなんてムリ。結局、曖昧に会釈とかしてすれ違って、そんな鈍くさい自分に悲しくなります。ピースサインなんてなければいいのに……」

信州に住むCさん(28歳・女性)のように、「自分も輪に加わりたいけど、うまくできないから苦手」という人もいるわけです。そして極めつけは、北海道在住のDさん(51歳・男性)からの意見。これ、妙に納得させられてしまいました。

「夏になると内地(=道外)から大勢のライダーが北海道にやって来ます。私は、これまで北海道以外の場所もたくさん走ってきましたが、本州などでピースサイン文化がほぼ消滅した1990~2000年代でも、北海道だけには残っていました。でもこれ、やっているのは内地から来た人がほとんど。たぶん、憧れの大地をツーリングしているという高揚感が、そうさせ続けてきたんだと思います。でも、北海道在住の私にとってそこは地元であり、興奮気味にピースサインやハンドサインをされても困惑するわけです。だって、土地の規模こそ違いますが、私にとって北海道をバイクで走るというのは日常で、都内に住む人が奥多摩を走るとか、神奈川県の人が箱根を走っているのと同じなんです。すれ違うすべてのバイクにピースサインするようなテンションで走っていませんから……」

もちろん、ここに紹介したのとは反対に、ピースサインを肯定する意見もありましたが、今回は「苦手特集」なので割愛。賛否両論とはいえ、ピースサインが苦手というライダーは少なからずいることがわかりました。

なぜバイク用品界の「女性向け商品=ピンク」の文化はなくならないのか

女性ライダーに、バイクの世界にまつわる不満を聞いていると、必ず挙げられるのが「ライディングウエアが選べない!」というもの。
ライダーの数は圧倒的に男性のほうが多く、どのライディングウエアメーカーも女性用ラインアップは少なめ。さらに、売れ残りを避けるため国内メーカー製の場合は生産、海外メーカー製の場合は輸入する量を絞っていることがほとんどです。

種類が限られるということは、そのぶん自分の好みに合うデザインを見つけるのに苦労するということ。それにも増して、「なぜか女性用というだけでお決まりのことがいくつかあり、それが自分の趣味に合わないと一気に選択肢が減って……」と、首都圏在住のEさん(42歳・女性)は言います。

「バイク用のライディングウエアは、女性用というだけで不思議とピンク、それに次いでパープルを使いたがります。それがメインカラーではなくても、差し色などで。でも私は、ピンクはあまり好きじゃないんです。もっと若いころなら、まだ受け入れられたと思うのですが……。もちろん、ピンクじゃないウエアも世の中にはたくさんあるのですが、ピンク率は高め。そして元々選択肢は少ないのに、そこからピンクを除外するとさらに数は減ります。他の女性は皆さん、ピンクを着たいのでしょうか……」

Eさんは、「もちろんピンクが好きな人がいて当然だし、それは個人の好みだから否定しません。それどころか、他の女性がピンクを着ているのを見て『似合うなあ』と思うことは多々あります」としながらも、「レディースで明るい色といえばピンク一辺倒な雰囲気なのが……。本当はメンズと同じように、レッドやブルーやオレンジなど、もっと好きな色から選びたいのに」と言います。

そしてこの意見には、同じく首都圏在住のFさん(38歳・女性)も同調しながら、さらに苦手を付け足してくれました。
「あと、レディース用はなぜかワンポイントで花とかの刺繍が入ることも多いのですが、個人的にはアレも苦手なんですよねえ……」

なぜ夏になるとライダーは、下着で徘徊するのか!?

「私が気にしすぎなのかもしれませんが、真夏によく見かけるライダーのある姿が苦手でして……」と問題提起してくれたのは、ピースサインについても意見を寄せてくれた首都圏在住のBさん(47歳・男性)。彼には、どうにも「モヤっと」する苦手があるようです。

「最近は、汗を素早く吸収してすぐに乾かすことで、気化熱により涼しさを感じさせるインナーウエアが、バイク乗りの間にも普及するようになりました。私もこれを愛用していて、真夏のツーリングではインナーの上に直接ジャケットとパンツを着用しています。ところで、私にとってそれらのインナーはあくまで下着。休憩時に暑くてジャケットを脱いだからといって、そのままの姿でウロウロするのはどうにも気が引けます。とくに、インナーがメッシュタイプのときは……。だから私は、ジャケットを脱いだら必ずTシャツを着るのですが、他人がインナーだけでいると違和感を覚えます。それでもまだ、パーキングエリアにいるぶんにはそれほど気にならないのですが、ライダーがインナー姿で食事処などに入店着席している姿を見るのが、同じバイク乗りとしてなんとなく苦手なんです」

たしかに、インナーの扱いは微妙。とくに、着圧により運動のパフォーマンスを上げることを狙ったインナーは、「下着感」がたっぷりです。
一方で、自転車乗りが着用しているピチピチのウエア(あれは何というものなのでしょう?)には、下着感があまりないようにも思います。皆さんは、バイクのライダーがインナー姿で休憩することをどう考えますか?

仲良くしたいけど話したくない私は天邪鬼?

Bluetoothの誕生と技術革新により、ツーリングライダーの間で一気に使用率が高まっているのがインカム。ソロツーリングでは、携帯電話の通話や音楽のリスニングなどにも使え、タンデムや2台以上のツーリングでは、会話を楽しみながらライディングできるアイテムです。しかしこのインカム、機械オンチとかではなくても苦手とするライダーはいるようで……。

マスツーリングをより楽しいものにしてくれるインカムですが、中には「使い方が分からない」「何を話していいか分からない」と悩むライダーも……。

「私は、仲間とツーリングするのはとても好きなのですが、ひとつだけ困っていることがあるんです。それは、他のツーリング参加者がインカムの使用を強く薦めてくること。もちろん、彼らに悪気はまったくありません。『みんなで会話しながら乗ろうよ』と、純粋によりツーリングが盛り上がるようお薦めしてくれているだけです。でも私は、バイクに乗っている間は自分の走りに集中して楽しみたい派。もちろん、インカムがあれば『あの店に寄ってみようよ』とか『ガソリンなくなった』などの意思疎通や情報交換が簡単になり、よりスムーズなマスツーリングになると思います。それは理解できるのですが、バイクは孤独で不便な乗り物だから楽しい……というのが、人生の中に染みついているので、どうにもインカムの存在が受け入れられないのです。でも、休憩中に仲間とバカ話をするのは大好き。私、天邪鬼すぎますかねえ……」

九州在住のGさん(57歳・男性)は、このように悩んでいるとのこと。そう、苦手としているのは「インカムは導入して当然という空気感」なのだと言います。若い世代を中心にインカムの普及率はかなり高くなってきましたが、一方でFさんのようなベテラン勢の中には「バイクに乗るときは、インカムどころかナビも使いたくない」なんてライダーは意外といます。彼らにとっては、アナログで不便であることがバイクの魅力でもあるのです。

しかし、ナビなら使う、使わないは個人の自由で済みますが、インカムの場合、マスツーリングでひとりだけ不使用だと仲間はずれ感がハンパありません。苦手とはいえ、仲間との関係を守るにはやっぱり……。

じつは多くのライダーが苦手なことは、まだまだありそう

日本では、クルマと比べれば公道を走っている絶対数が大幅に少ないバイクですが、とはいえ現在でもバイクという趣味を楽しむライダーは大勢います。たくさんの人がいて、なおかつそれが趣味となれば、好みや価値観は多様化して当然。一方で好まれていることが他方で避けられているなんてことは、たくさん挙げられます。

今回は、苦手意識がある側の意見をまとめましたが、きっと反論もあることでしょう。または、「それなら〇〇のほうがもっと苦手!」なんて意見も。皆さんは、バイクの世界で苦手に感じていること、ありますか?

レポート●田宮 徹 写真●モーサイ編集部 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実 

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