バイクライフ

【元白バイ隊員が教える】「バイクは常にキレイであれ!」 個人的におすすめの磨き用ケミカルの話

「白バイは交通の花形。だから車両は常に綺麗でなくてはいけない」という教え

隅々まで綺麗にされた白バイ。この美しさは、各隊員の不断の磨き掃除のたまもの

今回は、私が白バイ隊員時代に愛用していた、バイク乗りにお勧めのケミカルについて紹介したいと思います。

1.白バイは常に綺麗であれ
私が白バイ隊員となり、真っ先に上司や先輩から教えられたことは、白バイは常に綺麗にしていなくてはいけないということでした。外装はもちろん、チェーンや各種油脂類など目に見える箇所意外にも気を配るよう厳しく言われていました。また、自分自身が指導する立場になった時にも、同様のことを後輩や部下に言い続けてきました。
白バイを綺麗にする理由は、白バイ隊員は、白バイに対して敬意を払い、市民の前に出る警察の顔だと思っているからです。白バイ隊員時代の先輩や上司からは「白バイは交通の花形」とよく言われました。国賓を先導したりマラソン大会の先導等、重要な行事があると何かと白バイの出番となるからです。
また、大きなイベントの先導では写真や映像を撮られたりと、メディア等への露出も多くなります。
そんな時に白バイが汚いと威厳や信頼感を失うばかりでなく「だらしない」「整備もきちんとされていない」など悪い印象を与えかねません。また、車両を綺麗にしておくことで清掃作業中に車体に出来たキズやオイル漏れ、部品の破損や欠落等、普段見落としてしまいがちな不備を早期に発見出来る効果もあります。

各地で開催される白バイ隊の模範走行なども、注目される晴れの舞台

2.バイク磨きは地味な作業だけれど……
ここまで白バイを綺麗にする理由等について説明してきましたが、白バイを綺麗にするのはとても地味な作業です。大きな行事等がある場合には、式典用の綺麗な特別車両を使う場合もありますが、通常は日頃、交通取締りで使用している白バイを使う場合がほとんどです。
ですので、先導などを伴う大きな行事の前には各隊員は一所懸命バイクを磨きます。車体を洗車するだけではなく、水アカや細かなキズや汚れをなくすため、コンパウンドなどを使って磨き、ワックス掛けを念入りに行います。さらに車体を磨くだけではなく、エキパイ(エキゾーストマニホールド)やマフラー等のメッキ処理が施された部品までピカピカに磨き上げます。
しかし、メッキ処理などが施された箇所を磨き始めるとキリがありません。一度磨き作業に入ってしまうと中々やめられないのです。

3.綺麗は正義
白バイのメッキ部の磨きに正解はないのですが、そこは負けず嫌いの白バイ隊員。こだわり始めると、他の白バイに負けたくないという気持ちが出てきます。
しかも、メッキ部を磨く際に使用する研磨剤等の違いにより、仕上がりに差が出ます。研磨剤などのケミカルは自前で揃えることがほとんどで、隊員それぞれネットショップやホームセンターなどで購入していました。基本、手作業で磨くことがほとんどですが、作業の効率化のため電動工具やエアツールを使う隊員もいました。

シミや汚れひとつない白バイの各部

隊員各自が選ぶ磨き用ケミカル用品だが、個人的なおすすめアイテムは……

元白バイ隊員が現役時代からお気に入りだった磨き用ケミカル。右は「メタルポリッシュ」、左が「ホワイトダイヤモンド」

4.個人的なおすすめケミカル
ここで私が現役隊員時代に使用していたメッキ部を磨くケミカルについて紹介します。まず、エキマニを磨く際に使用していたのは、車やバイク好きな方なら誰もが知っている(?)ブルーマジックです。
このケミカル剤は、白バイのエキパイ部やバンパー等を磨くのにとても効果的なのです。私がそもそもこのケミカルを知ったのは、20年ほど前、今ほどネットショッピングなどがメジャーになっていない時代に、トラックドライバーの友人から勧められて使い始めたのがきっかけでした。
友人は休日に暇さえあれば仕事で使うトラックを綺麗に磨いており、特にアルコアのホイール(大型トラックのアルミホイール)をピカピカに磨いていました。その時に使用していたのが、ブルーマジックだったのです。今は、メッキ部を磨くケミカルの定番商品となっていますが、当時は知る人ぞ知るケミカルで、入手するにもトラック用品専門店などに行かないと購入出来ませんでした。
その効果に感動し、いつしか私もバイクを磨くために使用するようになっていました。そんなわけで、私は白バイのエキパイを磨く時はいつもブルーマジックを使用していましたが、他の隊員はステンマジックやピカールなどを使用している人もいました。

ほかに白バイ隊員に愛用者の多いケミカルが「ステンマジック」
もうひとつ、人気の磨きケミカルが定番の金属みがき「ピカール」

やる気が高じて、余計な箇所をピカピカに磨くこともある

通常のCB1300Pのチェーンカバーは、ご覧のような光沢のないアルミ地
だが、磨き進めていくとご覧のとおりピカピカの鏡面仕上げになる模様。元白バイ隊員もチェーンカバーのピカピカにこだわっていたひとりだった

5.やる気が高じて、磨けるパーツを探す
エキパイを磨き終わると、そのほかに磨けるパーツがないか探してしまいます。行事前などは、エキパイはほぼすべての隊員が磨いているので、ほとんどの白バイのエキパイはピカピカになってしまいます。
しかし、エキパイだけでは満足できずに、チェーンカバーまで磨く隊員も出てきます。白バイのチェーンカバーは、元はくすんだアルミ地となっているのですが、これが磨くと意外と光るのです。
このアルミ地のパーツを磨くのにお勧めなのが、ホワイトダイヤモンドというケミカルです。
先ほど紹介したブルーマジック同様、昔は中々買うことは出来ませんでしたが、現在はネットショップで普通に売っていますし、バイク用品店でも時折見かけることがあります。ただ、チェーンカバーを磨いたところで何かある訳でもなく、完全な自己満足であることに間違いはありません。

6.隊員の性格が出る「磨き」
同じ白バイでも、車両を管理している隊員の性格が出ます。几帳面に毎日白バイを綺麗にする隊員やイベントの時だけ綺麗にする隊員、見える所だけピカピカにする隊員など、人それぞれ個性が出ます。
これは白バイに限らず、バイカーあるあるではないでしょうか。いずれにしてもケミカルは白バイの綺麗さを維持するためには必要不可欠なものとなっていることは間違いありません。

今回、白バイ隊員だった当時に使用していたお勧めのケミカルを紹介してみました。白バイ隊員だった当時、私は仕事道具として使っていた白バイを気持ちを込めて綺麗にしていました。私自身、精神論的な話はあまり好きではないのですが、バイクを大切に扱っていると、いざという時に助けてくれたり、何か不思議な力が働くのではないかと多少なりとも思っていたのも事実です。

「最近バイクを綺麗にしていないな」と、少しでも思った方は洗車用品やケミカルなどにこだわって綺麗にしてみてはいかがでしょうか。

文●睦良田俊彦  写真●睦良田俊彦、モーサイ編集部


著者プロフィール

睦良田 俊彦(むらた・としひこ)1986年北海道生まれ
趣味:クルマ、バイク

歯科技工士を経て警察官となり、約15年間勤務(白バイ隊員歴約10年)。警察学校卒業後は約3年半の交番勤務を経て交通部門へ。白バイ警察官として第一線で交通取締りをメインに活動し、ライダーのための安全講習、交通安全啓発イベント、マラソン大会先導、大統領車列先導など、様々な経験を重ねてきた。
県警主催白バイ大会での優勝経験もあり、白バイ新隊員の育成などにも携わった後、巡査部長の階級で依願退職。現在は退職後の夢でもあったライディングレッスンなど、ライダーのためになる活動が出来る場を作るべくYouTuber「臨時駐車場チャンネル」として活動。バイクイベント等に積極的に参加し、出身の北海道で開催のライディングレッスンで講師も務めている。

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