前半戦は中須賀選手、岡本選手、水野選手の3名が表彰台を独占!
国内ロードレース選手権の最高峰であるJSB1000クラスは、5月26日に第3戦SUGO大会が行われ序盤の3戦5レース(第2戦もてぎと第3戦SUGOは2レース制)が終わりました。
次のレースは鈴鹿8時間耐久レースを挟み、8月25日のモビリティリゾートもてぎまでちょっと間が間が空くとなります。というわけで、ここまでのレース結果を振り返りつつ、後半戦のスケジュールなども紹介していきましょう。
「JSB1000クラス」とは皆さんにもお馴染みの1000ccのスーパースポーツ車をベースにしたマシンで行われるレースです。2024年はドカティ パニガーレV4Rの参戦など楽しみな話題が豊富です。
さて、レース結果から言いますとヤマハファクトリーのYZF-R1が5レース全てで優勝。12回の年間タイトルを持つ中須賀克行選手が開幕から連続4レースを制し、今年も絶対王者の強さが揺るぎません。


一方、5レース目となるSUGOで優勝したのは中須賀選手のチームメイト岡本裕生選手です。シーズンが進むにつれて調子を上げて、昨年初勝利したSUGOで自身通算2度目のJSB1000クラスの優勝を記録しました。
ドゥカティのパニガーレV4Rで参戦の水野 涼選手はどのレースでも上位を走行し、毎回のようにトップ争いに絡んでいます。ドゥカティ本社製のファクトリーマシンの速さに注目が集まりますが(2023年スーパーバイク選手権で優勝したファクトリーマシンを使用しているのです!)、全日本のコースに合わせた調整が勝負の鍵になりそうです。
それでも開幕戦から十分な成績を出した水野選手とチーム加賀山のポテンシャルの高さが、後半戦での優勝を期待させます。



混戦の4位以下から浮上するのはどのライダー?
前半戦5レースの表彰台とランキング1位から3位は上記の3名が独占しています。しかし今年のJSB1000クラスは5位以下にもチャンピオン経験者などが参戦しており、後半戦はさらなる混戦が予想されています。
AstemoホンダドリームSIレーシングからCBR1000RR-Rで参戦している野左根航汰選手は2020年のJSB1000チャンピオン。海外のレースを経験してホンダへ移籍。ここまでの4位に3回入賞し、ランキングは4位です。

オートレース宇部レーシングの津田拓也選手はスズキ GSX-R1000Rで参戦。常に予選では上位に入り、第2戦もてぎのレース2では4位に入賞。スズキファンの期待に応えました。

今シーズン久しぶりにこのクラスを走る高橋 巧選手(日本郵便ホンダドリームTP)は元JSB1000チャンピオンで鈴鹿8時間耐久レースの優勝経験でもあります。徐々に調子上げており、津田選手と同ポイントを獲得しています。

もう一人の注目選手は鈴鹿8時間耐久レースで2連覇したダンロップレーシングwith YAHAGIの長島哲太選手です。ブリヂストンタイヤに席巻されていたJSB1000クラスで、ダンロップタイヤの開発を担いながらレースを戦います。マシンはホンダ CBR1000RR-Rで、気温の低かった開幕戦では好タイムを連発し、存在感を示しています。

名越哲平選手(SDGホンダレーシング)もCBR1000RR-Rで参戦。苦戦が続きランキングは現在8位です。後半戦での巻き返しに期待したいです。
岩田 悟選手(チームATJ/CBR1000RR-R)はSUGOのレース2で5位に、伊藤和輝選手(ドリームホンダRTサクライホンダ/CBR1000RR-R)はSUGOのレース1で4位にそれぞれ入賞しています。



全日本ロードレース選手権【JSB1000】 第3戦終了時ランキングTOP10
1位:中須賀克行 YZF-R1
2位:岡本裕生 YZF-R1
3位:水野 涼 パニガーレV4R
4位:野左根航汰 CBR1000RR-R
5位:津田拓也 GSX-R1000R
6位:高橋 巧 CBR1000RR-R
7位:長島哲太 CBR1000RR-R
8位:名越哲平 CBR1000RR-R
9位:岩田 悟 CBR1000RR-R
10位:伊藤和輝 CBR1000RR-R





2024年度全日本ロードレース選手権シリーズ全ランキング(第3選まで)

2024年JSB1000クラス後半戦のレースケジュール
- 8月24〜25日 モビリティリゾートもてぎ(栃木県)
- 9月7〜8日 オートポリス(大分県)
- 9月28〜29日 岡山国際サーキット(岡山県)
- 10月26〜27日 鈴鹿サーキット(三重県)
レポート&写真●柴田直行 編集●上野茂岐