バイクライフ

日本で買える「排気量のデカいバイクTOP3 2024」1位は2000ccオーバー、意外にもハーレーではなく…!?

400ccまでと制限のある普通自動二輪に対し、大型自動二輪免許を持っていれば乗れるバイクは排気量無制限。
そこで、気になったことはないだろうか。日本で買えるバイクで最も排気量が大きい車種は何なのだろう、と。

というわけで、当記事では2024年現在、日本で正規販売される国産車・輸入車のなかから排気量が大きいモデルのトップ3を紹介。果たして、どんな車種がランクインしてくるのか。

1990年に撤廃された、国内販売車の排気量上限自主規制

大排気量ランキングの話を始める前に、少し歴史を遡ってみよう。日本では、1969年のホンダCB750Fourの登場を機に、当時の国産車の最大排気量の自主規制が始まったと言われている(輸入車は別)。それ以降、国内のバイク界では、「ナナハン(750)」が大排気量モデルの代名詞となり1980年代を迎えるが、その流れが変わり始めたのが1990年前後だった。

1972年登場のカワサキ Z1(900スーパー4)以降、国産でも海外向けにはオーバーナナハンのモデルは生産・輸出されていたが、国内販売モデルでのナナハン自主規制が撤廃されたのはもう少し後のこと。ただし、国産オーバーナナハンモデルは、高価ながらも逆輸入車として、少量非正規で流通していた。

流れが変わり始めたのは1988年にホンダ・オブ・アメリカで製造されたゴールドウイング(GL1500)が、ホンダの正規ディーラーで輸入車として販売開始されたこと。

その後、スズキも1990年に創業70周年を記念してGSX1100Sカタナを1000台限定で逆輸入し、スズキディーラーで販売。また同年2月には、ヤマハがVMAX(1200)を国内発売。1990年は、長らく続いた国産国内販売モデルの排気量上限自主規制が撤廃された年となったのだ。

■ナナハンを越える1972年国産初の903ccDOHC4気筒エンジンを搭載して登場したZ1ことカワサキ 900スーパー4。当時は750超の国内販売は自粛されたため、国内向けには同意匠のナナハン版、Z750RS(1973年発売)が用意された。

■1988年4月よりホンダ・オブ・アメリカ・マニュファクチャリングからの輸入車として、ホンダから正規販売されたゴールドウイング(GL1500)。1969年から続いた、国内でのオーバーナナハン販売自主規制撤廃のきっかけになったモデルと言えるだろう。

大排気量ランキングTOP3は、大型クルーザーが占めた

前フリはこのくらいにして、本題へ進む。
現在国内で販売されるモデルでの最大排気量車は、やはり海外ブランドがトップ(ちなみに日本車の最大排気量車はホンダ ゴールドウイングツアーの1833cc)となった。

ダントツの1位は、トライアンフのロケット3ストームGT/ロケット3ストームRが2458cc。水冷並列3気筒エンジンを縦置き搭載した大迫力のクルーザーモデルは、3気筒エンジンを様々な排気量で展開するトライアンフの旗艦モデルと言え、強大なトルクを持ちつつ、意外とコントローラブルな動力と車体は万能性が高い。

【1位:2458cc】トライアンフ ロケット3シリーズ

日本で買える新車で排気量の大きさナンバー1は、2458ccエンジン搭載のトライアンフ・ロケット3シリーズ。写真は2024年新型、ロケット3ストームGT

トライアンフ ロケット3ストームGT主要諸元

■エンジン 水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク110.2×85.9mm 総排気量2458cc 圧縮比10.8 燃料供給装置:フューエルインジェクション 点火方式フルトランジスタ 始動方式セル

■性能 最高出力134W(182ps)/7000rpm 最大トルク225Nm(22.9kgm)/4000rpm

■変速機 6段リターン 変速比──

■寸法・重量 全長── 全幅920 全高1066 軸距1677 シート高750(各mm) キャスター27.9° トレール134.9mm タイヤF150/80R17 R240/50R16 車両重量320kg

■容量 燃料タンク18L

■車体色 黒×赤、灰×黒、黒×青

■価格 305万9000円

トライアンフ ロケット3シリーズが搭載する、存在感たっぷりの2458cc縦置き並列3気筒DOHCエンジン。
1気筒当たり800cc以上の3気筒エンジンは、頼もしい強大なトルクの反面、扱いやすさも兼ね備える。

【2位:1977cc】ハーレーダビッドソン CVOシリーズ

それに続く排気量のナンバー2は、ハーレダビッドソン CVOシリーズの1977ccV型2気筒エンジン。CVOロードグライド/CVOロードグライドST/同CVOストリートグライドに搭載されるもので、可変バルブ機構(=VVT)を持ち、「ミルウォーキーエイトVVT121」と称されるエンジンだ。

121はキュービックインチによる排気量表記で、ハーレー史上最大排気量となるが、熱対策として排気バルブまわりに液冷却を実施。ハーレーのビッグツインの中では「ツインクールド」エンジンとして区別されている。

ハーレーダビッドソンのCVOロードグライドは、ハーレーで最大排気量の1977ccミルウォーキーエイトVVT121エンジンを搭載の1台。ほかにCVOロードグライドST、CVOストリートグライドも同エンジンを搭載。

ハーレーダビッドソン CVOロードグライド主要諸元

■エンジン 空水冷4ストロークV型2気筒OHV4バルブ ボア・ストローク103.5×117.5 総排気量1977cc 圧縮比11.4 燃料供給装置:フューエルインジェクション 点火方式フルトランジスタ 始動方式セル

■性能 最高出力86kW(116.9ps)/5020rpm 最大トルク183Nm(18.7kgm)/3500rpm

■変速機 6段リターン 変速比1速9.593 2速6.650 3速4.938 4速4.000 5速3.407 66速2.875 一次減速比1.353 二次減速比──

■寸法・重量 全長2410 全幅── 全高── 軸距1625 シート高720(各mm) キャスター26°00′ トレール170mm タイヤF130/60B19 R180/55B18 車両重量393kg

■容量 燃料タンク22.7L

■価格 562万9800円(赤茶)、651万3100円(オレンジ)

排気量1977ccエンジンの名称は「ミルウォーキーエイトVVT121」。「121」はキュービックインチ単位での排気量。VVTはエンジンに装備される可変バルブ機構に由来。

【3位:1923cc】ハーレーダビッドソン「ミルウォーキーエイト117」搭載モデル

そして大排気量エンジンの3位は、1923cc「ミルウォーキーエイト117」エンジンで、ロードグライド、ストリートグライド、ブレイクアウト、ローライダーS、ローライダーSTに搭載されるが、こちらは「ミルウォーキーエイトVVT121」と異なり空冷エンジン。
ちなみに、この下には1868cc空冷Vツインの「ミルウォーキー114」エンジンがある。

日本で買える新車の排気量ナンバー3は「ミルウォーキーエイト117」と呼ばれる1923ccVツインを搭載する5モデルで、写真はその中の1台ブレイクアウト。

やはり、エンジンの大排気量化はサイズ・重量も大きくなるため、運動性能や軽快性よりも、直進安定性やゆったりした巡航性能重視のクルーザーモデルで有効ということだろうか。

まとめ●モーサイ編集部・阪本
写真●トライアンフモーターサイクルズ、ハーレーダビッドソンジャパン、八重洲出版
参考資料●「最新バイク図鑑2024-2025」(八重洲出版)

CONTACT

トライアンフモーターサイクルズジャパン
TEL:03-6809-5233(トライアンフコール)
https://www.triumphmotorcycles.jp/

 

ハーレーダビッドソンジャパン
TEL:0800-080-8080(お客様窓口)
https://www.harley-davidson.com/

 

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https://www.yaesu-net.co.jp/item/bike-catalog-2024-2025/

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