目次
2024全日本ロードレース開幕レポート「NGK鈴鹿2&4レース」
2024年3月9日〜10日、三重県鈴鹿サーキットで「2024NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース」が開催。国内外7メーカーの1000ccスーパースポーツと国内のトップライダー29人が勢揃いし、日本国内最高峰の全日本ロードレース選手権JSB1000が開幕しました。
今年はF1が春に開催される影響で、例年よりも早い日程での開幕となりました。前日には雪が舞うなど、天候の影響で予選が中止になりましたが、日曜日の決勝は路面温度19度まで好転し無事開催となりました。
ドゥカティ パニガーレV4R参戦とダンロップの長島選手
今シーズンは初挑戦、復帰、移籍、新マシンなどの期待の高まる話題の多いJSB1000クラスですが、最も注目を集めたのがチームカガヤマのドゥカティ パニガーレV4Rと水野 涼選手の起用。「黒船来襲」と呼ばれ、全日本ロードレースに台風並みの新風を吹き込みました。
また、鈴鹿8時間耐久レースでHRCと共に2連覇中の長島哲太選手が新型となったホンダ CBR1000RR-Rでダンロップレーシングチームと共にJSB1000クラスに初挑戦。このクラスでは劣勢だったダンロップタイヤですが、金曜日の走行では長島選手がトップタイムを記録し、ポールポジションの位置からスタートします。
決勝レースのスタートと激烈に速いドゥカティ
決勝のスタートで飛び出したのはドゥカティの水野選手。しかし3番手で1コーナーをクリアした長島選手がすぐに前の2人を抜いてトップへ。注目の2人が活躍する展開になりましたが、4周目に転倒者が出てレース中断に。
レースはやり直しとなり、予定通り決勝14周で再スタート。長島選手が好スタートからトップを走り、ヤマハファクトリーレーシングのYZF-R1に乗る中須賀克行選手、岡本裕生選手が続きます。
少し間が開いてドゥカティの水野選手が追っていましたが、バックストレッチでスリップストリームを使い、3人抜きで一気にトップへ浮上。パニガーレV4Rの速さを見せつけ、その後は中須賀選手と共にトップを争う展開に。
荒れた展開を制したキング中須賀選手
残り8周となったところで中須賀選手が水野選手を捕らえてトップへ。次の週にはヨシムラSERTよりスポット参戦の渥美 心選手が、岡本選手を抜いて3位表彰台圏内へ。しかし渥美選手は残り5周というところで転倒。
この転倒により転倒ライダーの救助と作業員安全を確保すべく、ライダーのペースを下げるためにセーフティカーが導入されます。結果的にそれぞれのライダー間の差が無くなり、レースは仕切り直し状態に。
残り周回数が減っていく中、セーフティカー解除と共に一気に逆転を狙いたいライダー達が、タイヤを冷やさない様に強烈なウェービングで熱を入れます。
ところが緊張感がピークに達した解除直前に別の転倒者が発生。再びレース中断となり規定周回数を消化していたので、セーフティカー導入のままレース成立となってしまいました。
終わってみれば横綱相撲的な展開でヤマハの中須賀選手が優勝。強烈な印象を残したドゥカティの水野選手が2位で、ヤマハの岡本選手が3位でした。ダンロップ+ホンダ CBR1000RR-Rの長島選手は4位でレースを終えました。
2024NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース JSB1000決勝リザルト
国内外の1000ccスーパースポーツが参戦!各チームのマシンを紹介
今後の2024年全日本ロードレース選手権開催日程
4月13〜14日 栃木県・モビリティリゾートもてぎ
5月25〜26日 宮城県・スポーツランド菅生
6月16日 茨城県・筑波サーキット(GP3クラスのみ)
8月24〜25日 栃木県・モビリティリゾートもてぎ
9月7〜8日 大分県・オートポリス
9月28〜29日 岡山県・岡山国際サーキット
10月26〜27日 三重県・鈴鹿サーキット
レポート&写真●柴田直行 編集●上野茂岐
■全日本ロードレース選手権公式webサイト
https://www.jrr.jp/