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■ハーレーダビッドソン「X 350」パールホワイト 走行イメージ
GB350 Sのライバル「レトロスポーツ」車を集めてみた
2021年3月30日に発表されたGB350が大ヒットモデルとなったことは、多くのライダーが知ることではないでしょうか。
そのヒットは、350ccクラスにネオクラシカルブームを巻き起こし、現在も同カテゴリーの車種が増加している傾向にあります。
そしてGB350には「S」というスポーティグレードがあることを忘れてはいけません。
GB350自体にもライバルは多いのですが、GB350 Sの直接のライバルたり得るモデルが存在しているのも事実です。
そこで今回はGB350「S」のほうのライバルと言える「レトロスポーツ」カテゴリーのモデルを探してみました。
ホンダ「GB350 S」……スポーティグレードとしてのパーツを多数採用
まずは同カテゴリーの代表として、GB350 Sとはどんなモデルなのかをおさらいしましょう。基準グレードのGB350に対してスポーティなデザインを取り入れたのが「S」で、車名のSは、スポーツのSと捉えてもいいでしょう。
大きく違う点は、バンク角をより深くとっていることです。そのために、ステップの位置やマフラーの形状を変更しています。また、リヤタイヤをラジアル化していたり(GB350では130/70-18→GB350 Sでは150/70R17)、ハンドルの位置を変更していたりと、変更点は多数となっています。
その他、軽量・ショートタイプの樹脂製前後フェンダーや小型のサイドカバーを採用するなどし、性能面も見た目もスポーティさを高めています。
●ホンダ「GB350 S」主要諸元
【エンジン・性能】種類:空冷4サイクル単気筒OHC2バルブ ボア×ストローク:70.0×90.5mm 総排気量:348cm3 最高出力:15kW<20ps>/5500rpm 最大トルク:29Nm<3.0kgf・m>/3000rpm 燃料タンク容量:15L 変速機:5段リターン
【寸法・重量】全長:2175 全幅:780 全高:1100 ホイールベース:1440 シート高:800(各mm) 車両重量:178kg タイヤサイズ:(F)100/90-19 (R)150/70R17
【カラー】プコブルー、パールディープマッドグレー、ガンメタルブラックメタリック
メーカー希望小売価格●60万5000円
ロイヤルエンフィールド「ハンター350」……日本でなら大目立ち!
ロイヤルエンフィールドは、現在のネオクラシカルブーム到来以前より、クラシカルモデルを制作・販売していたメーカー。主要モデルの排気量が350ccということもあり、GB350のヒットで改めて注目が集まっているでしょう。
昨今のネオクラブームを受けて、ロイヤルエンフィールドはラインアップを強化しています。そこで登場したのが「ハンター350」です。古き良きロイヤルエンフィールドらしさを残しつつ、スポーティイメージを強化していることから、GB350Sのライバルと言えるでしょう。
デジタルを組み合わせたアナログメーターや、前後アルミキャストホイール、ABSなどが装備されています。ロイヤルエンフィールドには何となく時代遅れのイメージを持ちがち?ですが、「ハンター350」を見ると時代に即したモデルを制作していることが見て取れます。逆に今はロイヤルエンフィールドにとっても好機といえます。日本では希少なバイクであることは間違いないので、高い目立ち度も期待できそうです。
●ロイヤルエンフィールド「ハンター350」主要諸元
【エンジン・性能】種類:空冷4サイクル単気筒OHC2バルブ ボア×ストローク:–×–mm 総排気量:349cm3 最高出力:14.9kW<20ps>/6100rpm 最大トルク:27Nm<2.8kgf・m>/4000rpm 燃料タンク容量:13L 変速機:5段リターン
【寸法・重量】全長:2100 全幅:800 全高:1055 ホイールベース:– シート高:790(各mm) 車両重量:181kg タイヤサイズ:(F)110/70-17 (R)140/70-17
【カラー】レブルブルー、レブルレッド、ダッパーホワイト、ダッパーアッシュ、ダッパーグレー、レブルブラック
メーカー希望小売価格●65万7800円〜66万4400円
トライアンフ「スピード400」……同社モダンクラシックジャンルの末弟
トライアンフもネオクラブーム以前からクラシカルモデルを製作してきたメーカーです。その代表モデルは「ボンネビル」。並列2気筒エンジンを積んだレトロさ溢れるモデルで、トライアンフは現在、ボンネビルをベースに多彩なクラシカルモデルをラインアップしています。
「スピード400」は、そのクラシカルファミリーに追加されたモデルで、排気量がひとつのトピックです。ボンネビルは大型二輪ですが、スピード400は400ccのエンジンを積んだ普通二輪となります。わざわざ普通二輪を用意したということは、GB350を中心に盛り上がるクラスに勝負をかけてきたといえます。
そしてスピード400の特徴はスポーティモデルであるという点。無駄を省いたスリムな車体に、倒立フォークや前後17インチのアルミ鋳造ホイールを装備し、車名通りのスピーディさを醸し出し、GB350Sを追撃します。
●トライアンフ「スピード400」主要諸元
【エンジン・性能】種類:水冷4サイクル単気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:89.0×64.0mm 総排気量:398.15cm3 最高出力:29.4kW<40ps>/8000rpm 最大トルク:37.5Nm<3.8kgf・m>/6500rpm 燃料タンク容量:13L 変速機:6段リターン
【寸法・重量】全長:– 全幅:814 全高:1084 ホイールベース:1377 シート高:790(各mm) 車両重量:170kg タイヤサイズ:(F)110/70R17 (R)150/60R17
【カラー】カーニバルレッド/ストームグレー、カスピアンブルー/ストームグレー、ファントムブラック/ストーグレー
価格●69万9000円
ハーレーダビッドソン「X 350」……本格的スポーティネイキッド!
ハーレーダビッドソンは激変期の真っただなかです。本格的なアドベンチャー「パンアメリカ」を発表したり、EVの「ライブワイヤー」を発表したりと、クルーザー以外にも手を広げています。
そして登場したのが「X 350」。350ccのエンジンを積んだ普通二輪のハーレーです。小型のハーレーが登場することを誰が予想したでしょうか。
しかもX 350はクルーザースタイルではなくネイキッドスタイルをとっています。倒立フォークや前後17インチホイールを採用するという本格的なスポーティさで、以前ラインアップしていたスポーツモデル「XR1200」を彷彿とさせます。ハーレーが参戦したということも、350ccクラスの加熱を証明しています。
●ハーレーダビッドソン「X 350」主要諸元
【エンジン・性能】種類:水冷4サイクル並列2気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:70.5×45.2mm 総排気量:353cm3 最高出力:27kW<36.7ps>/8500rpm 最大トルク:31Nm<3.1kgf・m>/7000rpm 燃料タンク容量:13.5L 変速機:6段リターン
【寸法・重量】全長:2110 全幅:– 全高:– ホイールベース:1410 シート高:777(各mm) 車両重量:195kg タイヤサイズ:(F)120/70R17 (R)160/60R17
【カラー】ドラマティックブラック、ダイナミックオレンジ、スーパーソニックシルバー、パールホワイト
価格●69万9800円
日本ではGB350が引っ張る普通二輪「ネオクラシカル」
トライアンフやハーレーまでもが参入を果たした350ccクラスは、今後の盛り上がりが期待できるクラスです。バイク業界は、ここしばらくはアドベンチャーブームに沸き、昨今はそれと変わるようにネオクラシカルに注目が集まったと思いきや、GB350という伏兵により普通二輪のネオクラブームが到来しています。老舗のロイヤルエンフィールドも改めて本腰を入れる加熱ぶりです。
ベーシックに加えてスポーティのSをラインアップするGB350は、今や日本のこのクラスのリーダーです。例えばGB350をベースにしたアドベンチャーなどを製作したら……さらに面白い展開になるかもしれませんね。
レポート●ABT werke 写真●ホンダ/ロイヤルエンフィールド/トライアンフ/ハーレーダビッドソン ジャパン
○ホンダ(GB350)
https://www.honda.co.jp/GB350/
○ロイヤルエンフィールド(ハンター350)
https://www.royalenfield.co.jp/lineup/hunter/index.html
○トライアンフ(スピード400)
https://www.triumphmotorcycles.jp/bikes/classic/speed-400/speed-400-2024
○ハーレーダビッドソン ジャパン(X 350)
https://www.harley-davidson.com/jp/ja/motorcycles/h-d-x.html