目次
憧れのミシュランタイヤ
皆さんこんにちは。カメラマンの柴田です。
怪我が治ってGB350ライフを再開して、オイル交換の次はタイヤを交換しました。
今回もタイヤが磨耗したからではなく、どんな乗り味なのか興味本位優先で交換することになりました。
最初にお断りしておきますが、今回交換するミシュラン・ロードクラシックは中古です。走行数10kmという新品同様。装着時にはヒゲも残っていました。
ミシュランのロードクラシックはネオレトロやスクランブラー、ロードスターといったクラシックモデル用に新設計された、最新テクノロジーのタイヤです。これを見る限りではGB350にぴったりです。バイアスタイヤでウエットに強いらしいのですが、この記事を書いてる時点ではドライ路面のみしか走っていません。あしからず。
MotoGPでも使われている、あのミシュランです。おフランスのタイヤメーカーです。たぶん自分と同じくらいの年齢の方々はミシュランというブランドに一目置いているでしょう。
入手したタイヤの製造国はタイでした。GB350はインドで生産されて組み立てが日本の熊本なんですが、タイヤがフランスとタイ、オイルがアメリカとますますインターナショナルな1台になってまいりました。
名前こそ「クラシック」ですが、タイヤのルックスにクラシックな感じはなく、今時のツーリングタイヤ風です。19インチのフロント用は2サイズ、18インチのリヤ用は4サイズ用意されています。
GB350の純正とサイズが合っているか詳しく見てみましょう。GB350の純正タイヤはフロント100/19-19 57H、リヤ130/70-18 63Hです。一方、ミシュランは100/90-19 57Vと130/70-18 63Hです。
フロントの最後の数値が57Hと57Vと違っていますが、57はロードインデックス、HとVはスピードレンジと呼ばれる記号です。規定の条件下(空気圧等)でそのタイヤが230kgまでの重量を運べる最高速度が57Hは210km/h、57Vは240km/hということを示しています。純正の57H=210km/hもGB350には無縁な速度ですが、これが安全マージンというものだと思います。
「純正よりも高いスピードレンジのタイヤを履くのは問題ない」とされているので今回は自分で判断し試してみました。皆さんもご自分で理解と判断の上でタイヤを選んで下さい。
自分のGB350のタイヤ遍歴をおさらいをすると、GB350を購入したのが2021年の秋。最初に純正のダンロップのアローマックスGT601からブリヂストン・バトラックスBT46へ交換したのが2022年の春。BT46から純正GT601へ戻したのが2023年の春。で、今回の純正GT601からミシュラン・ロードクラシックへの交換が2023年の秋です。
ちなみに自分で体感したコラムだけでなく、BT46ではプロのテスターである中村友彦さんにもインプレッションしてもらい、モーサイwebで展開しています。よかったらご覧ください。
さて、それぞれの特徴を簡単に書くと、純正のダンロップ GT601は直進安定性が気持ち良く、バンクし始めにタメがあり積極的な操作が必要ですが「大きなバイクに乗っている実感」があり、自分では好きな感じ。
ブリヂストンBT46はヒラヒラと簡単にバンクして良く曲がるので、9割の人にお勧めできます。250ccくらいの軽さに感じます。この2つはどっちが良いとは比べられないほど両極端です。さてミシュランはどんな乗り味なんでしょうか?
ロードクラシックの乗り味はいかに?
今回は自宅に近い信用できるバイクショップで交換しました。空気圧はメーカー指定の2.0kg/cm2に合わせています。
走り出してすぐに柔らかくて、タイヤからの路面情報が多い事を感じました。でもこれは新しいタイヤだからでしょうか? バンクして行く最中も路面の感触を感じられます。感じられるだけに「ライダーにコントロールを要求する」と思いました。
でも常に自然な感じで、深いバンク角になった時にさらにバンクしようとする動きも穏やかでした。比較すればGT601は操作を要求するけどもっさりした感触。BT46は常にライダーの操作次第で、ヒラヒラも思いのまま。ロードクラシックはヒラヒラ感はなく、良き手応えと安定感が感じられます。
期待していた通りロードクラシックはGT601とBT46の中間でしたが、思っていたよりもが真ん中ではなく、かなりGT601寄りでした。
装着した後に1泊2日で1000kmほどのツーリングに行ってきましたが、その間も同じように感じていました。バイクを寝かし始めのタメは少なめでスーと傾いていきます。この時にヒラヒラした感じはなく自分にとって程よいタメは残っています。バンク中は十分な安定感と安心感があります。
あえて言えばコーナー入り口で決めたバンク角を維持する気がします。気を抜いて走っていても大丈夫な雰囲気なのに、実は自分の腕前ではそのコーナーのライン取りが入り口の操作で決まってしまい中途半端には走れません。
ミシュランとのGB350ライフではこういう風にバイクやタイヤと対話しながら、攻めてない時も寝かし起こしをコントロールする走り方を楽しもうと思っています。
まとめると「まだまだイケるよー」と誘ってくるBT46と「焦らず、ゆったり走ろうぜ」とたしなめるGT601。その中間のロードクラシック。比べてみて初めて分かる違いですが、暫くはこのロードクラシックと一緒にGB350を楽しんで行きます。
フレームがしなるくらいタイヤに荷重がかかる?
いい機会なので自分がつらつら考えている事を書きたいと思います。
「このバイクはフレームがしなるからよく曲がる」と、こんな話を聞いたことありますよね。GB350もフレームの下の方にあるエンジン重心を囲む4箇所にエンジンハンガーがあって、そこからヘッドパイプへの長い距離が最適なしなりとなって穏やかな運動性能を生んでいるそうです。
しかしよく考えて下さい。GB350の鉄パイプは結構太いです。人間の力では絶対に曲げられないと思います。テコを使えば曲がるでしょうか? 手が相当痛くなります。
この現象を自分の勝手な予想で見て行くと、例えばブレーキをかけると重たいエンジンがそれまでの勢いのままフレームの中で前に出ようとする。その時にエンジンハンガーやフレームがしなりながらそれを受け止める。その後は車体全体が前方に進むので、フロントフォークもしなるでしょう。たぶんホイールもしなるかな。ではタイヤは?
タイヤはゴムですからグイーっと変形して荷重を支えます。
おや? 鉄がしなるほどの荷重をゴムが支える? 言い方を変えると、柔らかいゴムが支点になって硬いフレームをしならせる? ホントですか、ウソですか?
バイクのタイヤの接地面積は名刺1枚分(前後で2枚分)と言われています。120km/hで曲がっている時も、300kgの車重が止まる時も名刺1枚です。そう考えるとタイヤの接地面はいかに凄い働きをしているか分かりますよね。
何が言いたいかというと、走る前にはタイヤの点検が大事。「空気圧の点検も自分でしっかりやる」と心掛けたいものです。説教くさいと思われますが、何よりサボりがちな自分に言い聞かせてます(笑)。
ではでは今回はこの辺で。
だいぶ寒くなりましたので凍結路面などにご注意しつつ、楽しいバイクくライフを。
カメラマン 柴田直行
モーサイwebや月刊モーターサイクリストでも撮影しているプロカメラマン。
バイク雑誌を中心に30年以上に渡って撮影活動を行なっている。子育て時期とデジタル化の波を同時に被ってXR250を手放したが約8年ぶりにリターン。50歳代のバイクライフをGB350と共に再スタート。