目次
■フォクランプを装着しました。
KLXは順調に整備・カスタマイズが進んでいます!
こんにちは。カメラマンの小見です。
前回は手直しと、使い勝手の向上を狙った作業でした。ヘッドライトシュラウドにカタナ用の社外スクリーンを短縮したものを取り付けて、若干の防風&防雨策を講じました。
また、ハンドルのバーエンドの振動対策は効果があったようで、国道の流れに乗って走っても不快な振動は特に発生せず、ノーマルと同じように快適。ハンドルガードによる安心感が増えました。
さて!こうなると「大型アドベンチャーのBMW R 1150 GSなど巨大なバイクの装備類を、いかに縮小して搭載し、KLXをそれっぽく機能向上させるか?」で、私の頭の中はいっぱいになるのです。そういう病気にかかっているのです。
でもこれは、市販車を改造してサーキットを走らせるというタイプのいじり方と似ているように思えませんか? 方向性はオフロードを重視した作り込みで、クラッシュも念頭においていろいろ考えないとイケマセンが。
■エンジンマウントのプレートに何か増設してフォグを付けようか、どうしようかな? タンク下両脇のシュラウドの下側ボルト穴と内側のステーの利用で何とかなるかも?な図。
■分かりやすいようにシュラウドを外してみたところ。下側右に6mmのネジ穴があります。ここを利用してフォグランプを付けてみます。
■ネット通販で買ったフォグランプ。中身はどんなんだろう?って、ついバラして観察。レンズが黄色なので、霧が出た際もそれなりに役立つかも?
■フォグランプの発光部分です。中央部分のこんな小さいLEDがそこそこの明るさで光ります。
大型アドベンチャーに付いているフォグランプをKLXにも!
ということで、夜間の林道や郊外の県道などで、あると心強いのが補助灯火=フォグランプなどの装備です。
大型のカッチョ良いアドベンチャーバイクって、ほとんどのモデルにフォグが付けられている印象があって、これはやっぱりウチのKLXにもフォグを搭載せねば!と考えた次第です。
林道の暗い場所での追跡撮影でも、被写体たる自転車レースの参加ライダーから分かりやすい仕様の方がいいに決まっています。追い越しの際にも目立ちますし、トンネルで伴走した場合などには補助照明代わりにもなりやすいかな、と。KLXを撮影車に使いたいマウンテンバイクの山岳レースって、まだ暗い明け方がスタートなものでして。
そんな思惑とともに、じゃあ車体のどこに付けるんだよ?と、ひと思案してみたのですが……付けられそうなのはガソリンタンクの下にあるシュラウドの取り付けネジの部分か、エンジンマウントの前部分でしょう。
エンジンマウントは、のちに別の構想があるのでできれば使いたくない……となれば、ライムグリーンに模様替えしたシュラウド下側を取り付ける部分(ステー)に何らかの工夫をしてみましょう。ネット通販にて、使えそうで廉価なフォグランプを物色してみると、ちょうど良さそうなライトを発見。それにハンドルに付けるべきスイッチとリレーも。
まとめて部品を調達。取り付けの加工はほとんどなく、六角形の長ナットの中にボルトを通し、そこにフォグのステーを噛ませてシュラウドごとネジ留め&裏から保険的にナットとワッシャーを締め付けて落下防止策としました。案外簡単に付いちゃった。
ただ、この位置だとコケた場合にダメージをじかに受けそうなので対策を考えておかないと……。
■6角の長ネジに、少し太めで外周が6角の長ナットがスペーサー代わり。これをシュラウドにねじ込んで固定します。
■コの字型のフォグランプ同梱のステーの角度を概ね合わせたら、シュラウド裏からナットとワッシャーでロック。主軸となる長ネジの固定にダメ押ししておきました。
■あとはコの字型ステーにフォグを取り付けたら、ランプ本体は装着完了です。
■取り付け完了後、前からフォグランプを見てみたところ。
■灯火類のスイッチながら、普段はあまり点灯させないのでハンドル左側に付けました。このスイッチもネット通販で取り寄せた部材です。
■左右どちらも取り付け終わり。対向車が眩しくならないように光軸を調整します。足元が明るくなれば、それでヨシ!
■小さいけれど、夜間走行ではにぎやかな感じになります。夜道では足元がとても分かりやすくなった感じです。
ドライブスプロケを1T増やして、「使えるローギヤ」に!
一方、フォグランプの装着より先に取り掛かっていたのですが、ギヤ比(最終減速比)の変更も行います。舗装路とダート区間において急傾斜の林道で大丈夫、かつ舗装国道で流れが速い状況でもノーマルより余裕が少し欲しい。
ドリブン側(リヤタイヤ側)にゴージャスなアルミ製スプロケットを入れたいのが本音ですが、予算をあまりかけたくないのでスチール製にします。しかもドリブン側よりも廉価なトランスミッション側のドライブスプロケットに、試しに歯が1T多い15Tを採用してみました。これで減速度合いが小さくなります。
ダートの急斜面でローギヤに入れたまま歩く程度の速度で登れるかを試したり(取材撮影では1速を発進用だけでなく、走行用ギヤとして使う必要性あり)、閉鎖された舗装路で最高速を何度も試してみたり、いろいろやってみた結果、 マイナス要素はほぼありませんでした。
たった1Tの違いで十分な効果が得られました。歯数を増やし過ぎない、この程度で良かったようです。
■純正ドリブンスプロケットの47Tは、表面の荒れのわりには摩耗が少なかったです。オドメーターの距離にちょっと信憑性を感じました。お財布に余裕があればこの後輪側スプロケをアルミの豪華スプロケにしたかった。
■いざドライブスプロケットを観察! 汚れとサビの粉末?にまみれています!
■中心のシャフトとCクリップがサビていて外しにくく、こんなところで難儀しました。でも粉を拭き取ってみると、案外きれいっぽい。
■歯の磨耗、少ないんですよね~。ここまでの話で買ってきた当初の車体の状態を覚えてくださっている方はお分かりと思いますが、走行距離1000km弱なのにサビだらけだったのは表面の塩害を放置していたからだったのかな。
■コストと歯数を考えた結果、ドライブスプロケットの歯数を15Tと決めて、キタコ製を購入して取り付け。スプロケットカバーを取り付ける前に、この周辺もしっかり掃除しておきました。
ブレーキはキャリパーピストンの清掃とフルード交換
ギヤ比の調整とテストの合間、新しく買ったブレーキ用工具(こういうときにあると嬉しいピストンを内側から回す工具)を使って、キャリパーピストンの清掃とグリスアップを実施。ブレーキの作動性とタッチを向上させます。
バイクのブレーキキャリパーピストンは、キャリパーからパッドを外せば見えて分かるのですが、内側には大きな穴が空いています。その穴の内側にゴムのギザギザ(セレーション)の付いた工具を入れて固定し、グリ~と回します。こうすれば軽く押し出したブレーキピストンの向きを任意に変えられて清掃がしやすい!という工具です。これは便利だ!
クリーナーで汚れを落としたピストンを、真鍮のワイヤーブラシで擦って清掃し、ブレーキグリスを薄~く塗って、キャリパーにじわっと戻す。キャリパーをKLXに装着しなおして近所をひと回りしてみると、動きがぐんとスムースに変化していて、とても快適になりました。折しも、この作業のころにA.S.H.のブレーキフルードのテストをZZR600で実施していたので、KLXにもA.S.H.のブレーキフルードを入れてみると、これが非常に良かった!
カックン作動のブレーキはもってのほかですが、できるだけ軽く握った瞬間や緩くリリースしたときの反応が乗り手の操作に素直であるブレーキの方が、特に荒れた林道では使いやすいと考えます。KLXはうまく整備できました。
■バイク仲間が「使ってみたら、良かった」というので、ブレーキキャリパーピストン回し器(略称)を私も。掃除の際、陰になったりしていてピストンに磨きにくいところがあれば、コレを使ってぐるりと回せて、清掃作業がしやすくなりました。エアで押し出すと、タイミング操作を誤るとピストンがすっぽ抜けそうでドキドキするんですよ。
■フロントのキャリパー、最初はこんな感じでそれなりに汚れていました。
■ピストンの片側を清掃したところです。ブレーキレバーを少しずつ握って軽く押し出したピストンを、例の工具でぐるんと回しながら真鍮ブラシと細く切った3Mスコッチブライトでシコシコ。いい感じになりました。
■外したキャリパーをそのまんまにしておくというのは、ホースやバンジョーにキャリパーの重量がかかって負担になりそうなので、低い椅子にそっと置く方式でリヤ側のブレーキ整備をやってみました。
バンパーの市販品はない!どうする?
フォグランプが付いたKLXを眺めていると、「ミニアドベンチャー」として小細工をするにはフォグランプの保護にも有効なガードが欲しくなります。アンダーガードは市販されているのですが、自分が考えるのは陸上自衛隊の偵察部隊のバイクについているバンパーっぽい形状のガード。
実用車とか輸出仕様の小型バイクに付けるようなバンパーっぽいものはありますが、同じ125ccクラスといえどオフ車に使うようなものは一般的には市販されていないんですよね。
野望を持つのはいいけど、実現には意外にハードルが高い……さて、どうしましょう? (続く)
■オマケのネタです。作業合間の休憩時間には、サビだらけだったスコップの修復をしています。アウトドア撮影や自転車用のダートコース脇に半分埋まって忘れられていた品。こういう作業、電動工具の磨きや削りの練習としてやっています。
レポート&撮影●小見哲彦
プロフィール●小見哲彦
無類のバイク好きカメラマン。
大手通信社や新聞社の報道ライダーとしてバイク漬けになった後、写真総合会社にて修行、一流ファッションカメラマン、商品撮影エキスパートのアシスタントを経て独立。神奈川二科展、コダック・スタジオフォトコンテスト等に入選。大手企業の商品広告撮影をしつつも、国内/国外問わず大好きなバイクを撮るように。『モーターサイクリスト』誌ほか多数のバイク雑誌にて撮影。防衛関係の公的機関から、年間写真コンテストの審査員と広報担当人員への写真教育指導を2021年より依頼されている。
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