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元GPライダーおすすめのオイル
皆さんこんにちは。カメラマンの柴田です。
ずいぶんGB350日記の掲載が空いてしまいました。実は2023年4月に怪我をしてバイクに乗れない日々を過ごし、秋になってお医者さんからの許可も出て、やっとGB350ライフを再開です。
半年ぶりにカバーを外してご対面(なんせ乗れないどころか押し引きもできなかったので)。ホコリをかぶったGB350を洗車して、各部分をチェックしてセルボタンを押したら、なんと1発でエンジン始動。
「お前も走りたかったよなー」なんて久しぶりにバイクを擬人化してしまいました。
GB350ライフを再開するにあたって、一番最初にやったのはオイル交換です。
半年乗ってなくてもオイルは劣化していると思うし、撮影取材を通じて気になるオイルを見つけたんです。
皆さんはオイルの銘柄はどうやって選んでますか?
自分の場合は「特別良いオイルでないのなら、純正オイルでいいのでは?」と思ってまいした。メーカーがバイクを開発する際にそのオイルでテストをしているんですから安心です。ホンダの場合ならウルトラシリーズです(自分のGB350にはウルトラG2を入れてました)。オイル選び的目線で言うと無難なチョイスです。
社外のオイルを選ぶならメーカーの純正オイルよりも確実に良いものを選びたいと思っていました。
皆さんもお読みなっていると思いますが、オイル選びに参考になる記事がモーサイを始め、さまざまなメディアに掲載されています。ですがその記事を撮影する機会はあっても、自分がそれらのオイルを試す機会はありません。
そんな中、日本サン石油のREDFOXというオイルの撮影がありました。撮影はオイルをテストした後のインタビューでしたが、その被写体が元GPライダーの宮城 光さんと岡田忠之さんのおふたり。
お二人がテストに使用したバイクは普段から乗っている愛車のCBX(6気筒1000cc)とCB750Four K0でした。どちらもおふたりが大事になさっている名車中の名車。そのバイクに入れるオイルですから、かなりこだわっていると思います。


宮城さんは現在日本テレビのMotoGPの解説でお馴染みです。彼がスーパーノービスで大活躍されていた1983年に自分も駆け出しカメラマンで鈴鹿サーキットへ。キラキラしている宮城さんを撮った事を覚えています。ちなみに宮城さんと自分は同い年です。1990年代に宮城さんのアメリカレース時代に現地で撮影する機会があったり、最近ではメディアでの仕事でご一緒する機会もあって、楽しくお話しさせてもらっています。
一方、岡田さんの全盛期は自分がそのアメリカ取材撮影に没頭している頃で、岡田さんの世界GPを撮影する機会は少なかったです。しかしあのロスマンズホンダの岡田さんを知らない人はいない訳で、引退後にツーリング取材でご一緒して、勝浦の食堂の同じテーブルで担々麺を食べた時は感激でした。今でも岡田さんを見るとロスマンズホンダの栄光が……。長くなるのでこの辺にして、話をREDFOXオイルとGB350に戻しましょう。
ずばり結論から言いますと、このお二人はインタビューの前後もREDFOXオイルをお世辞抜きで絶賛していたので「俺も入れたい」と安心して決めました。
REDFOXオイルに交換してみたら
REDFOXオイルを販売する日本サン石油は、アメリカの石油会社「SUNOCO」の日本の拠点です。北米に油田を持つSUNOCOはアメリカでのモータースポーツにも深い関わりがあり、アメリカかぶれの自分にはストライクな銘柄です。
で、REDFOXの詳細や正確なレポートは元GPライダーのお二人の記事を読んでいただくとして「クランクシャフトがオイルの上でチュルルーンと回る感覚」を自分もGB350で味わいたい。
なのでお二人と同じレーシング&スポーツの10W-40を購入。100%化学合成にしては購入時アマゾンでは1Lで2,000円弱とお値ごろ価格でした(なんかタイアップ記事みたいになってますが、この記事は100%プライベートレポートでオイルは自分で選んで自分で購入しました)。

お二人のバイクはいわゆる旧車ですが、自分のバイクは2021年型のGB350。果たしてオイルの違いは素人の自分でも分かるんでしょうか?
オイル交換の前に近所をぐるっと回って、エンジン内に入っているオイルの感触をチェック。微振動が増えたような気がします。ハンドルの端などにビリビリと確実に感じます。以前とは違うエンジンの様子に「5,000km走行でこれでは将来が心配」とビビる自分でした。坂道をワザとゆっくり上がったりしてトルクの感じもチェックしました。
いよいよREDFOXに交換して走り出すと、いや、正確に言うと走る前の1速に入れる瞬間にビックリ。「スッ」とシフトショック無しで入りました。期待感とともに走行開始。もうね、シフトタッチが「スッ」すぎて、シフトするたびにニヤニヤします。
次に感じたのは鼓動感がよく伝わってくる事。気になった微振動が消えていて、その分、鼓動感が強調されて感じられるんだと思います。あのバババッと後輪が蹴って行く感触が、蘇った感じです。
高回転までの吹け上がりで様子を探ると、スムーズなんですが回転感にスカスカした様子はありません。だったらトルクアップしているはず、と思ったらトルクの厚みは変化無し。何度試してもトルクアップは感じません。
確実に良くなったエンジンフィーリングなのに、パワーやトルクだけは変わらないのが逆に違和感。(後日、宮城さんに「オイル交換でトルク等の数値的アップは無いよ」とアドバイスをいただきました)全体的感触では鼓動感の回復と微振動の解消、シフトのスムースさなど、新車の頃の「好きだったGB350」に戻った感じです。


個人的感想ですが「新車以上に好きになった」
もっと個人的感想をオーバーに言うと「新車以上」になったように感じます。GB350はもともと振動が少ないんですが、気がつくと3速で走っているんです。新車の頃から「4速60kmが最高に気持ちいい」と思っていたんですが、今はついついで3速で引っ張ったり、そのまま走ったりしてます。なぜなら振動が減っているので、3速50〜60kmでも鼓動感が消えずに気持ち良いから。一方、5速の低速側の使用範囲も増えていますからスムースになった分、変な言い方ですが「実使用トルク感」がアップしています。
たぶんGB350に乗っている人なら分かるでしょ。分かるよね。そしてこれが「オイルの上でチュルルーンと回る感触なんだ」と、ひとりで感激していました。「ちょっと何言ってるか分からない」かもしれませんが、オイル交換で感激するなんて、期待以上の効果でした。
その後1,500kmほど走りましたが、宮城さん岡田さんの記事の通り、オイル交換時の感触が持続しています。ツーリングの際に高速道路も走りましたが、ここでは奇跡のパワーアップはありません。100km/hを越えると加速が鈍りますが、苦しい感じも無くクルージングできます。REDFOXを入れても今までのGB350のままでした。

高速道路ではハンドルにはそれなりの振動を感じます。ところがハンドルの端とハンドルポストでは振動量が大きく違います。試しにそこでエンジンやをフレームを触ってみると(火傷します。真似しないように)全く振動を感じません。
自分なりの解釈ですがGB350で感じる振動は、自分が思っていたよりもエンジン由来の振動よりも、それ以外(オイル交換では解消できない)の振動の比率の方が多いのかも。例えば道路から、またはタイヤの回転によって発生した振動波が、ハンドルやステップに至るまでの間に増幅や共鳴するとか。こんどメーカーのエンジニアさんに会ったら聞いてみたいと思っています。
オイル交換のレポートのまとめです。春秋に交換するとして1年間に2L X 2回 = 8,000円でこのくらいエンジンが気持ち良くなるなら今後も続けて入れてみたいです。なんせ今回はカメラマンの素人オイルレポートですから、気になる方は元GPライダーのお二人の記事を読んで下さいね。
そんなこんなで今回はオイル交換の話だけで長くなりました。次回はまたまたタイヤ交換です。ミシュラン・ロードクラシックにしてみたよ。ではでは、寒くなりましたが、楽しいバイクくライフを。

カメラマン 柴田直行
モーサイや月刊モーターサイクリストでも撮影しているプロカメラマン。
バイク雑誌を中心に30年以上に渡って撮影活動を行なっている。子育て時期とデジタル化の波を同時に被ってXR250を手放したが約8年ぶりにリターン。50歳代のバイクライフをGB350と共に再スタート。
https://www.shibaphoto.com/