■無事故・無違反で居続けるためには、日頃から事故に遭わない・起こさない、違反をせず安全運転を心がけるという「意識」が大切
日頃からクルマやバイクを運転しているなら、長い間、無事故・無違反で居続けるのは簡単ではありません。
ちょっとした不注意で小さな衝突事故を起こすこともあるし、自分に責任がなくても事故に巻き込まれることだってあるでしょう。
いつもは真面目に交通ルールを守っているのに、うっかり違反をしたときに限って警察の取り締まりを受けてしまうのだから不思議なものです。
どうすればこの交通社会で無事故・無違反で居続けられるのでしょうか?
ただのラッキー? 無事故・無違反だから優良ドライバーというわけではない
警察庁が毎年公開している「運転免許統計」の令和4年版によると、令和4年度に運転免許を更新したドライバーの合計は1456万7880人でした。
そのうち、交通違反などで基礎点数3点以下の軽微な違反が累積し、その点数が6点になったドライバーが受講する違反運転者講習を受けたのは183万8064人です。
過去5年間に軽微な違反を1回だけ犯したドライバーが受講する一般運転者講習を受けたのは253万6173人でした。
合計すると、約437万人のドライバーが直近の数年以内に点数の加算を受けていることになります。
一方で、過去5年間にわたって無事故・無違反だったドライバーが受講する優良運転者講習を受けたのは912万6721人です。
令和4年中に運転免許を更新したドライバーの62.6%が、いわゆるゴールド免許を取得したことになります。
この数字だけをみれば、交通社会の大部分を優良ドライバーが占めているといえそうですが、それは間違いです。
無事故・無違反でゴールド免許を取得した人の中には、違反点数に影響しない軽微な物損事故を起こしたドライバーも含まれています。
危険な運転を犯して周囲のクルマが事故に遭ったのに、何事もなかったかのように走り去ったドライバーもいるかもしれません。
それに、ゴールド免許を取得しているドライバーの全員が、交通ルールを遵守しているわけでもないでしょう。
たとえば、常に制限速度を時速1kmたりとも超えずに運転しているドライバーはまず存在しません。
黄色信号でも構わず交差点に突っ込んだり、一時停止で停止線をわずかに越えて止まったり、車線変更の際にウインカーを出し忘れたりといった経験は誰にでもあるはずです。
運転免許に一切傷がついていないドライバーも、違反をしたタイミングで警察官に見つかっていないだけで、まったく違反を犯していないわけではありません。
無事故・無違反で居続けられるのは、単なるラッキーです。
ただし、事故や違反を起こしてしまったからといって、ただ「運が悪かっただけ」と考えてはいけません。
事故や違反を起こしたドライバーの典型的な心理
事故や違反を起こしてしまったドライバーの多くが「運が悪かった」と感じています。
渋滞していたのでいつもは通らない抜け道を使ったら一方通行を逆走してしまった、日頃から会社を出発して大通りに出てからシートベルトを着けていたがたまたま会社を出たすぐのところで警察官に見つかったなど、確かにアンラッキーとしか言いようがないケースも少なくないでしょう。
運転中にコーヒーをこぼしてしまい焦っていたところ前方の停止車両に追突してしまった、電話が鳴ったので道路脇に停止してスマホを確認していたら後続車両がミラーに接触したといった事故に遭ったときも、やはり「ついてないな……」と感じるはずです。
まったく自分に非がない事故も、まさか今こんなところで……と感じるような違反も、実はただのアンラッキーが原因ではありません。
「オカルトだ!」と言いたくなるかもしれませんが、事故や違反を引き起こしているのは日頃の運転で溜めているカルマが影響しているのだと考えてください。
日頃の運転で「カルマ」を溜めないことが無事故・無違反の秘訣
無事故・無違反で居続けられる秘訣は、日頃の運転で「カルマ=業」を溜めないことです。
無事故・無違反は、所詮ラッキーのたま物でしかありません。
業を溜めず、反対に徳を積む運転を続けていれば、事故に遭ったりたまたま取り締まりを受けたりといったアンラッキーを回避し、無事故・無違反というラッキーを引き寄せる体質になっていくのだと筆者は考えています。
「そんなのオカルトだ!」と指摘したくなるでしょう。
もちろん、実際の道路事情や交通状況、その地域の警察がもつ取り締まり方針などによって、事故・違反に遭遇する確率は上下します。
しかし不思議なもので、実際に悪い事情・状況の中でもさらに悪いアンラッキーを引き寄せてしまった人の多くは、日頃からカルマが溜まるような運転を続けていた人ばかりだと感じられます。
ここで、筆者の知人であるAさんの体験談を紹介しましょう。
Aさんは、特に乱暴な運転をするような悪質なドライバーではありません。
交通ルールもある程度はしっかり守り、ゴールド免許を取得しています。
スピードは制限どおりではないが周囲の流れに従う、一時停止は「ピタっ」と止まるとまではいわないけど限りなく停止に近い徐行、赤信号はしっかり止まるけど黄色なら状況次第で突っ込むといった取り締まりを受けない程度の軽微な違反は日常茶飯事ですが、このくらいならごく普通にあることでしょう。
ただ、Aさんには「抜け道を好む」という癖があり、少しでも流れが悪いとすぐに脇道に入って渋滞をかわしていました。
信号待ちが嫌で、交差点にある敷地を通り抜ける、いわゆる「コンビニワープ」なども平気でやります。
こんなことを繰り返していたAさんは、わずか1か月の間に、すれ違いざまに対向車とミラーが接触する事故に遭ったり、強風にあおられて隣に停まっていた車にドアをぶつけてしまったりと、軽微な物損事故を繰り返してしまいました。
立て続けに事故に遭遇したAさんは「運が悪いなぁ」とぼやいていましたが、ただのアンラッキーとは思えません。
抜け道をする癖や信号待ちを避ける癖といった、違反にはならないけどカルマが溜まる運転をしていた結果、ツケを支払う時が訪れたのでしょう。
ルールやマナーを守っていてもカルマが溜まる?
筆者は、Aさんのような抜け道をする癖や信号待ちを避ける癖のほかにも、こんな運転がカルマを溜めてしまうと考えています。
●車線が減少することを知っていて、渋滞している本線の先頭付近に割り込む
●周囲に車両がいるのにウインカーを出さず車線を変更する
●信号が赤から青に変わる前からジリジリと動き出す
●わざと車間を詰めて車線変更をブロックする
●歩行者が横断歩道の前で待っているのに停止しない
●右折する先が渋滞していると、入る隙間がないのに強引に大回りをして交差点に入る
●「止まればいい」と考えて、迷惑になる場所にクルマを停めて電話をしている
●シートベルトが窮屈だといって脇の下に通したり、尻に敷いたりしている
●空き缶やペットボトル、たばこの吸い殻をポイ捨てする
など。
明らかに違反になる行為は当然ですが、違反にならなくても周囲から見れば「セコいな」「ズルいな」と思われるような運転もカルマを溜めやすいといえます。
では、絶対にルールやマナーを守っていればカルマを溜めず徳を積めるのかといえば、実はそうでもありません。
たとえば、優先道路を走っているのに自分が停まって脇道や店舗・駐車場などから出てくるクルマに進路を譲っていると、自分では「親切なことをした」と思っていてもずっと後ろでは渋滞を引き起こす原因になっているかもしれないのです。
一人に思いやりを提供しても、数十人から恨まれるようではただの迷惑でしかないのだと覚えておきましょう。
無事故・無違反の第一歩は「意識すること」
まるで信ぴょう性のない話のようですが、ただのオカルトだと思わないでください。
無事故・無違反で居続けるためには、日頃から事故に遭わない・起こさない、違反をせず安全運転を心がけるという「意識」が大切です。
「あの時、もう少し注意していれば事故に遭わずに済んだのに……」
「まあいいか、なんて考えていたらたまたまパトカーに遭遇してしまった」
こんな後悔をしたくありませんよね?
カルマを溜めない運転を心がけることは、常に周囲に気を配り、注意を張り巡らせるという意識づけにつながります。
そう考えれば、あながち「オカルトだ」などと無視できる話ではないはずです。
ぜひみなさんも、無事故・無違反のためにカルマを溜めない運転を実践してみてください。
レポート●鷹橋公宣 写真●モーサイ編集部/PIXTA
※編集部から:記事がオカルトかどうかという観点より、社会的な交通安全に寄与するか、ドライバーの安全運転の啓蒙につながるかの観点を重視し、掲載しました。心がけと実践、大事ですよね。
元警察官・刑事のwebライター。
現職時代は知能犯刑事として勤務。退職後は法律事務所のコンテンツ執筆のほか、noteでは元刑事の経験を活かした役立つ情報などを発信している。