バイクのよろずはなし

バランスいいアッパー&ボトム、加えて調子のいいシャンク! ライディングブーツはコレでOK! 【バイクのよろずはなし 005】

■ブーツの説明をするので、カットモデルを作りました!

まずはアッパーとボトムを合わせる製法についてから

みなさんこんにちは。
フラッグシップの上野です。

バイクアパレル業界内側からのおしゃべり、「バイクのよろずはなし」。
今回はブーツ&シューズの構造について、お話をしたいと思います。
構造といっても、製法によってそれぞれ特色があるのが靴。
その製法はかなりざっくりと分けて、4つあります。

1 糸で縫い付ける製法……「グットイヤーウエルト式」「マッケイ式」
昔からある製法

2 接着剤で貼り付ける製法……「セメント式」「加硫式」
大量生産に向いている製法

3 縫いと接着剤を使う製法……「ステッチダウン式」「カルフォルニア式」
いろいろな製法を組み合わせて作る製法

4 一体成型する製法……「加硫圧着式」「インジェクション式」「スラッシュ式」
ゴム長といわれる長靴はこの製法

この「〜式」という製法についての用語は、アッパー(甲部)とボトム(底部)を接合する方法のことを指します。
このように、靴は大きく分けてアッパーとボトムの2つの部分で構成されているということになります。

「俺のレッドウィングはグットイヤーウエルトで作られてるんだよ!」と言うのは、靴底の付け方についてを言ってることになるわけですね。

カットモデルで各部の名称を紹介

そのアッパーとボトムも、さらに細かな部位に分けられ、またそれぞれに名称があります。
ただ紳士靴、パンプス、スニーカーなどジャンルごとに違う名称があり、その全てを紹介するのはあまりにもマニアック過ぎるので、ここでは弊社が作っているライディングブーツで名称の説明をしたいと思います。

まずはブーツの外観写真。

【バイクのよろずはなし 005】

上写真のブーツを半分に切ったものが下の写真。

【バイクのよろずはなし 005】

これに名称を入れてみましょう。

【バイクのよろずはなし 005】

ちなみにこのブーツは「セメント式」の製法を用いて作られています。
大量生産に向いている製法で、量販店で売られているものの大半がこの製法です。

板バネのシャンクがあるから歩きやすい

ここで、普段は聞き慣れない「シャンク(Shank)」という名称の部品について説明したいと思います。
シャンクとは、靴の土踏まず部分に挿入される部品で、「踏まず芯」とも呼ばれています。

靴底の変形防止、ヒールの固定(婦人パンプスのハイヒール)、歩行の助長などがシャンクの役割です。歩行の助長とありますが、板バネのようなもので反発を利用して推進力を得られるとして考えて頂ければ分かりやすいかと思います。

昔は木材や皮革などの素材が用いられていましたが、今では鋼鉄製や樹脂製のものが大部分を占めています。
アウトソールとインソールの間に埋まっているため、ふだんシャンクを目にする機会はほぼありません。

このシャンクは土踏まずの支えとなる重要なパーツで、歩行時にかかるエネルギーを補助し安定感を生みます。
特にヒールハイトの高い婦人パンプスでは顕著で、仮にシャンクが折れるとグラつきやヒール折れの原因になるそうです。

シャンクが入っていない、あるいはシャンクが効いていない靴は形状が歪み、靴そのものの寿命が短くなります。そればかりか、シャンクが効いていなければ使用者の脚のトラブルにも繋がりかねないという重要なパーツです。

そんなシャンクなのですが、弊社のブーツに入っているものはこんな形状をしています。

【バイクのよろずはなし 005】

まさに板バネ的な感じですね。それを支える硬質のインソールと合わせて使用しています。

アッパーとボトムのバランスが大事! 試着で感じ取って!

実は靴は見えない部分が重要!!
とにかく靴はアッパーとボトムのバランスが大切なんです。

私も昔、やらかしたことがありました。
あるとき買った靴なのですが……アッパーがニット素材の伸びる生地で作られていて、ソールもやたら柔らかく軽く、気軽に履けるものだと思って買ったのですが、これが大失敗!!

ぐにゃんぐにゃんのソールに加えて、アッパーも伸びるため、靴の中で足が定まらず動いてしまって、踏ん張りが効かないし、歩いていると土踏まずあたりがつりそうになった記憶があります。
靴はしっかり足をホールドして履くものだと、身をもって経験したのでした。

さて、バイク用品の量販店でライディングシューズとして売られているもののなかにも、ゴム成型のソールを1枚だけアッパーと接着したものが売られていることもあります。
確かに値段は安いのですが……私からすると「この作りでこの値段? すごく高いものだな」と感じるものもあります。

気軽に履けるのもひとつの答え。でもバイク用としてしっかり作られているものを使ってみると違いは歴然です!!
安全・安心と快適性を得ようとすれば、それだけ高い価格を支払うことになってしまうのですが、それだけの価値は必ずあります。

先ずは販売店にて、各メーカーさんの靴を試着してみてください。
履いて、重心をかけたりするぐらいだったら試着時でも問題ありませんので、メーカーそれぞれの違いを感じ、納得したものを選んでいただけたらと思います。

靴だけに自分の足に合わないほど、くつうなことはないので……。

レポート&写真●上野時夫


Profile●上野時夫

メーカー側からのコラム発信場所として「バイクのよろずはなし」をやらせていただいてます!! 「フラッグシップ」の上野と申します。とりあえず、所有バイクはWR250Rと50ccのカブ、です。
バイクが持つ懐の広い世界にどっぷりと浸かっています。
バイクのアパレルに限らず、バイクそのものや用品、ほかいろんな事柄について、器大きくお話ができたらいいなーと思っています。
ひと月に1、2回、アップしていきますので、どうぞよろしくお願いします。

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