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CT125・ハンターカブでニーグリップができて荷物も入る!!アイディア製品「誕生秘話」

静岡県浜松市「モトサービスエッジ」がCT125・ハンターカブ用センターキャリアを開発

オン/オフロードを問わない幅広い状況下での利便性に加え、クラシカルなデザインで人気を博するホンダ CT125・ハンターカブ125。
一方でユーザーからは「リヤキャリアに頼らない積載性がもっとほしい」「ニーグリップができないのが怖い」といった声も聞かれる。

そんな「CT125・ハンターカブのここがもう少し」を解決するアイテム「CT125ハンターカブ・センターボックス」が、静岡県浜松市のバイクパーツメーカー「モトサービスエッジ」から登場した。

「CT125ハンターカブ・センターボックス」を装着したホンダ CT125・ハンターカブ。

「モトサービスエッジ」は浜松市の南区にあるバイク屋さんで、車両の販売も行なっているが、車両整備とカスタム、タイヤ販売を中心に行う中部陸運局認証工場だ。モトサービスエッジを含めたグループでは塗装、カーボン、FRP、樹脂整形部品などに関わる仕事も行っている。2021年の11月の鈴鹿8耐にはADVANCE MC&FOC CLYMORE EDGEとしてサポートするなどレーシングサービスも行っている。

静岡県浜松市南区にある「モトサービスエッジ」の社屋。

そんな「モトサービスエッジ」が2021年6月末に発売する「CT125ハンターカブ・センターボックス」はCT125・ハンターカブのセンターに固定するハードタイプのボックスで、10Lの積載容量を確保するほか、ボックスを膝で挟んで乗ることで、ニーグリップ的な操作も可能にするという。
「CT125ハンターカブ・センターボックス」の実力と開発の経緯を、製品開発を担当したモトサービスエッジの藤田勝行さんに聞いた。


何台ものカブを乗り継いだ開発者が「自分が欲しかったもの」を作った

開発者の藤田さんは、金属加工などの技術に詳しく、レーシングパーツやカスタムパーツを今まで作ってきた経験がある。勤務する「モトサービスエッジ」ではオリジナル製品の企画・開発関係を担い「CT125ハンターカブ・センターボックス」の試作はほぼ藤田さんひとりの手によるものだという。

「CT125ハンターカブ・センターボックス」を開発したモトサービスエッジの藤田勝行さん。

「自分自身が何台ものカブを乗り継いできたこともあって、CT125・ハンターカブは発売時期も決まらないうちにホンダドリーム(ホンダの二輪正規販売店)に注文をいれていました」とは、このセンターボックスを製作したモトサービスエッジの藤田さんの言葉だ。にもかかわらず、人気車ゆえの品薄状況によりハンターカブが藤田さんの手元に来たのは発売からしばらくたってからだった。

藤田さんは車両が手元に届くより前から「自分のカブにこんなものが欲しい」と思っていたアイディアを練り、いざハンターカブが手元に届くと走らせながらアイディアをカタチにしていった。そして生まれたのがこの「CT125ハンターカブ・センターボックス」だったという。アンダーボーンタイプのフレームの上部空間を積載スペースとして活かせるFRP(強化プラスチック)製のハードタイプのボックスだ。

ニーグリップを補助する効果もある「CT125ハンターカブ・センターボックス」

「CT125・ハンターカブのこの空間を積載スペースとして活かすアイテムは、他にも以前からバイク用品市場にはありました。簡単な荷台だったり、それをベースとしたタンクバック(?)的なモノだったり。そんな中で、ありそうでなかったのがハードケースタイプのハンターカブ用センターボックスです。CT125・ハンターカブ向けで、この様な形の製品を見た記憶はありません。アンダーボーンの上面を活かしたセンターキャリア的なモノではなく、この空間に気軽に使えるしっかりとした小物入れがほしかった。そして、どうせならニーグリップもできれば!という思いで製品を作りました」とのこと。

開発にあたった藤田さんは全日本選手権トライアルチームにも関わっている。そんな彼が求めたのは単にモノを積めるスペースの確保だけでなく、「CT125ハンターカブ・センターボックス」を装着することによって、乗り手がバイクをコントロールする幅を広げることも考えたのだ。

「CT125ハンターカブ・センターボックス」を装着することで、ニーグリップができるようになる。

「あくまで積載ボックスとしての機能ありきで、多少ニーグリップ的な操作でライディングのアシストもできるということです。それが常ではないのですが、あるとないとでは全然違うというものにしたい。それを意識しつつ、メインである積載ボックスとしての機能面では、できるだけ大きなスペースを確保することが目標でした」

CT125・ハンターカブのアンダーボーン上のスペースは、一見すると大きな空間ではあるが、実際にはいろいろと制約がある。なぜなら、燃料タンクにアクセスするためシートを開閉するスペースが必要で、乗り手の体格差も考える必要があるからだ。また、ハンドルを切ったときの逃げも考慮しなくてはいけない。

ハンターカブの車両イメージを崩さない艶ありブラックの塗装で仕上げられている。FRP製品にありがちな黒ゲルコートとは違う仕上げのよさを持つ。耐ガソリン塗料を使っており、再塗装を行う際にも下地を作りやすい。内部はFRPの地のままになる。

「ヒザの当たるボックスのサイド部分の形状を考慮していくうちに自然と今の大きさになっていきました。外観的にはCT125・ハンターカブのデザインに合うようにスクエアな形状を狙っています。そして、ボックスを支えるステーにも取り付けのしっかり感を持たせるよう、ステンレスのプレートを使っています」

10Lの積載容量を確保しながら、ハンターカブの軽快さを損なわない

試行錯誤の結果、「CT125ハンターカブ・センターボックス」の独特な形が生み出された。懸念事項だったボックスの内部容量も、約10Lが確保できた。

「CT125ハンターカブ・センターボックス」に入れられるアイテム量の目安。アウトドア用のヤカン、ガスバーナーとガス缶、マグカップ、折りたたみイスなどを入れることができる。

「ちょっとしたお出かけの時にも気軽に荷物が放り込める。10Lの容量があるから、帽子やグローブ、パンク修理キットや多少の工具も余裕で入ります。もちろん雨具もね。日帰りツーリングなら満足できる容量だと思います」と、藤田さんも出来栄えに自信を覗かせる。

荷物の出し入れがしやすいように極力大きく取った開口部。グローブなど、さっと取り出したいものを入れるのに最適だ。
ボックスは施錠が可能。取り付けに必要なステーなどはすべて同梱されている。防水処理は施されていないが、ちょっとした雨くらいであればしのげる。内部底部には水抜きの穴が設けてある。

CT125・ハンターカブを日常の足として使う人の多くによく見られるのが、荷台に常設的にコンテナ等を取り付けているスタイルだ。それはそれで便利なのだが、時にそれが積載の自由度を奪っていることもある。荷台のスペースはキャンプやロングツーリングへ行く際など、特別なときに取っておき、日常の使い勝手とニーグリップ的な操作によるライディングのアシストで実現する軽やかな走りは、この「CT125ハンターカブ・センターボックス」によって手にいれる。そんな提案も見え隠れするアイテムだ。

センターボックスは国内生産で、補修部品などへの対応も安心だ。車両の重心に近いところにあるので走りのバランスにも影響が少ない。

もちろん使い方はそれだけではない。手にしたユーザーがそれぞれに工夫し、新たな価値を見出すことができそうなアイテムだ。

また、モトサービスエッジでは「CT125ハンターカブ・センターボックス」以外にもCT125・ハンターカブなどのパーツを制作している。例えば、人気のある「カーボンライクナンバーバックプレート」(1500円)は、CT125・ハンターカブにも使える汎用パーツで、カーボン綾織りの模様を立体的に模ったナンバープレートの保護パーツだ。原付・原付二種の標準的な長方形のナンバープレートの周囲に5mmほどの枠ができる。
素材には耐候性に優れるAES樹脂を使用し、一般的な長方形のナンバープレートに対応した製品のほか、浜松市のご当地ナンバーに対応した下角に丸みのある製品も用意している。

「カーボンライクナンバーバックプレート」(1500円)。同形の製品で小型二輪・軽二輪用(1800円)もある。
各地のご当地ナンバーにも対応した「カーボンライクナンバーバックプレート」(1500円)。一番上は小型二輪・軽二輪用(1800円)。
一番左は浜松市のご当地ナンバーの形に合うよう、下の角の丸みをもたせた形の「カーボンライクナンバーバックプレート」(1500円)。原付1種、2種用の製品にはナンバープレートとバックプレートの隙間を埋める厚さ3mmのワッシャーと粘着テープ付きのスポンジが付属する。

CT125ハンターカブ・センターボックス製品情報

メーカー希望小売価格:2万9700円
素材:FRP(強化プラスチック)
カラー:ブラック艶有塗装仕上げ
仕様:鍵付き、防水性能はありません
容量:約10L 積載重量:1.5kg
発売日:2021年6月末
※記事の内の写真は試作品もありますので製品とは若干異なる部分もあります

まとめ●中牟田歩実 写真●モトサービスエッジ

問い合わせ先

モトサービスエッジ
静岡県浜松市南区卸本町82
TEL:053-424-8586

モトサービスエッジ公式ウェブサイト

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