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ヘルメットが入らないのにナゼ「ヘルメットバック」? 実はアメリカ空軍発祥!! お洒落デカトートの歴史

ヘルメットをどう持ち運ぶ? 購入時に付属の「保存袋」はお出かけ向きじゃないような……

ライダーにとって、ヘルメットは身に着けて移動するものと相場は決まっていますが、ときおり電車での移動や自転車でもって教習所に通うなどという場面もあるかと。はたまた、タンデムツーリングに出かける際、後席に座る方(いわゆるパッセンジャー)を迎えに行くなどというシーンでも「ヘルメット持参」の必要が生じるかもしれません。そんな場合は、たいていヘルメットを買ったときに付属してきた保存袋を使ったりするのがデフォルトでしょう。

しかしながら、あの保存袋とやらは名前の通り保存しておくには適しているのでしょうが、持ち運びにはやや不便。なんとなれば、ヒモでぶら下げることになり「スイカじゃないんだから」と自らに突っ込みいれる方すらチラホラと。

ヘルメットを購入すると付属することの多い「ヘルメット保存袋」。アライヘルメットの場合、最上級モデルでは写真のグレー、それ以外ではネイビーの袋が付属します。

「ヘルメットバッグ」と検索するとナゾのトートバッグが大量にヒット

そこで、ヘルメットが入るバッグを買ってもいいなと「ヘルメットバッグ」と検索してみると、出るわ出るわ「俺が探してるのはこれじゃない感」マシマシなバッグ。大きなトートバッグのようなカタチです。たしかにオシャレだし大ぶりな袋モノだから形状によってはヘルメットも入ることもあるかもしれませんが、スクエアなスタイルや、担げそうもないちょっとした手提げハンドルなど、およそライダー向けには見えません。一体、どうしてこれが「ヘルメットバッグ」と呼ばれているのか、不思議に思う方も少なくないでしょう。

■「ヘルメットバッグ」と呼ばれるファッションアイテム。たしかにオシャレですが、ヘルメットは入りそうもありません。上の写真はフライトジャケットブランドの「バズリクソンズ」と吉田カバンがコラボして生まれた「ポーターコラボ・ヘルメットバッグ」。価格は3万9600円。

トートバッグ風「ヘルメットバッグ」の誕生は1950年代のアメリカ空軍で

実は、このトートバッグ風「ヘルメットバッグ」はアメリカのミリタリーグッズに端を発しているもの。そこらの来歴をちょっとだけご紹介しましょう。

1950年代、朝鮮戦争時にアメリカ空軍(US AIR FORCE)が正式に組織された際、パイロットがハードヘルメットを装着するようになりました。ハードヘルメットには強い日差しをカットしてくれるサンバイザーや、高高度むけ酸素マスクといった装備があったため、空軍の装備課が「やっぱ、なんかバッグにいれたほうが良さげ」そう考えたとしても妥当でしょう。
ちなみに、ハードヘルメット以前は、レザーでイヤーマッフルがついた「飛行帽」でしたから、バッグやケースの必要性はそれほど高くなかったのでしょう。

で、最初に支給されたヘルメットバッグはいわゆる普通のトートバッグ。ナイロン製で、当時の写真を見ればわかりますが、いかにもミリタリーなテイストで少々安っぽい。これでヘルメット大丈夫か?と思わず心配になってくるほど。それでもシンプルで丈夫そうな印象で「これはこれでアリ」と思わせてくれる仕上がりです。

その後、空軍で好評だったのか、陸/海軍でも「ヘルメットバッグ」が制式備品となりました。朝鮮戦争が終結し、アメリカがベトナム戦争に介入したころですから、1960年代ということですね。

1956年〜1958年頃の初代「軍用ヘルメットバッグ」。ナイロンツイルの表地にパイル地を薄手ナイロン地でカバーしたライニングを組み合わせています。白いUSAFのデカールがポイント。

1970 年代になると軍用品も「ヘルメット保存袋」っぽいカタチに

で、トートバッグだったスタイルが、今度はちょっと大きめのきんちゃく袋に変わりました。現代のいわゆる「ヘルメット保存袋」とさして変わらないスタイルですが、当時は陸・海・空軍とも兵士向けバッグが充実していたらしく、このきんちゃく袋はバッグ・イン・バッグとして活用されていたようです。そして、カラーもいわゆるアーミーグリーン(セージグリーン)へと変更。ミリタリー感上がってきました。

そして1970年代、ベトナム戦争が終わってからのヘルメットバッグこそ、検索するとたくさん出てくる「あのカタチ」へとモデルチェンジ。おおむねトートバッグに近いものですが、バッグの身頃には大きなポケットが装備され、支給される日用品がどっさり入る仕様です。また、容量も上がっているようで、朝鮮戦争後も進化を続けているパイロットヘルメットの大型化にも対応しているとのこと。それにしても、シンプルというか無骨なスタイルなのに、ファッションシーンでこれほどウケて、スタンダード化するとは、最初の備品課担当者は夢にも思わなかったことでしょうね。

1970年代頃の「軍用ヘルメットバッグ」。巾着型で、現代のヘルメット保存袋に似たカタチです。
1970年代以降の「軍用ヘルメットバッグ」。巾着型からトートバッグ型に戻り、容量が大幅UPしたことでヘルメット本体のほかに酸素マスクなども持ち運べるようになり、技術の進歩によって大型化した航空装備の対応しました。

これならヘルメットを持ち運べる!! バイカー向けお薦め「ヘルメットバック」

で、ここからは肝心のバイカー向けヘルメットバッグのおすすめを3品ご紹介!もう、無駄な検索で「これじゃない」気分を味わうことはありません。気になるバッグがあったら、ぜひチェックしてみてくださいね!

アライ「ヘルメットバッグ」

欲しかったのはコレ!って感じのドンズバなバックパックタイプのヘルメットバッグ。当然、ヘルメット収容可能なメインルームと、ゴーグルやグローブが収納できるサイドポケット付き。さらに、ベロクロで着脱可能なスペアシールドケースまで標準装備というのも嬉しいポイント!さらに、ショルダーストラップを使用しないときは収納できるなど、バイカーの使用シーンをしっかり考慮してくれた逸品でしょう。どうやら、アライの4輪方面でのプロダクトらしく、バイカー目線で見つかりづらいわけです。なお、お値段は1万1000円となっています。もちろん、アライヘルメット以外のヘルメットを使っているみなさんにもオススメですよ!

デグナー「ヘルメットバッグ」

こちらは、バックパックなどにハングオンできるフックがついているヘルメットバッグ。お馴染みのバイク用品メーカー・デグナーの気が利いた製品で、特に同社のバックパックとの親和性は完璧で、その他のバックパックにも十分応用できることでしょう。使わないときは小さく折りたためるので、バイクの収納スペースやポケットにだってしまえるはず。たとえば、バイクが故障してレッカー車でドナドナ、自身は遠くから電車やバスで帰宅といったシーンでも、ポケットに忍ばせておいたこのバッグがあれば、少なくともヘルメットの持ち運びに苦労はなさそう。そんなお守り的にも手が出しやすいお値段2750円です!

ドッペルギャンガー「モトバックパック メットイン」

バイク用アイテムからキャンプ用品まで幅広く展開しているドッペルギャンガーのヘルメットバッグは、まさにかゆいところに手が届いた仕上がり。普段はアジャスターで使いやすい大きさに調節しておいて、いざヘルメットを入れようと思えばオフロードヘルメットまで収納できる28Lの大容量に拡張!

しかも、バッグの素材がウェットスーツ素材ということで、防水性能や衝撃吸収も期待できます。今や多数派といってもいいデジタルガジェットを携行するバイカーにとっても嬉しい機能性ではないでしょうか。さらに、ドッペルギャンガーらしく、モトバッグに装備されたデイジーチェーンに市販のコードなどを通せばバイクへの積載時もしっかり固定できる優れた設計。価格はオープンプライス(実勢価格4700円~)なので、ネットショップなどでチェケラ!

レポート●石橋 寛 写真●アライヘルメット/デグナー/ドッペルギャンガー 編集●中牟田歩実

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