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強く印象に残る体感性能!
ヤマハが開発したパフォーマンスダンパーは、2001年のトヨタ クラウンアスリートVXに市販車初採用されたのを皮切りに、レクサスなどの高級車にも搭載され、生産累計200万本の実績を持つ画期的な技術である。
これを二輪車に転用したのが、ワイズギアから発売されているパフォーマンスダンパー。エンジンや路面からの振動を減衰して抑えることで、快適性や安定性の向上を図ることができるアイテムだ。
二輪車用は、パワービームの名称だった時代を含めて10年の歴史。筆者も以前、セロー250で効果を体感している。しかしそのときは、装着していない状態と同時比較試乗ができなかったため、少しだけプラシーボ効果を疑っていたのも事実。とはいえ、その上質な走りは強く印象に残っており、愛車の最終型トリッカーにも装着しようと考えていたところだ。
パフォーマンスダンパーのストロークは1mm以下。これはつまり、フレームが変形するといってもその量はごく僅か……ということなのだが、この”ほんの少し”が意外と車体の走りに影響を与えていることは、パフォーマンスダンパーを装着することで実感できる。特に、走りの安定感と上質感がアップするのが魅力だ!
YZF-R25やMT-07、セロー250および同じフレームを使うそれらのバリエーションモデル、TMAXやSR400など、さまざまなヤマハ車に対応。21年型でフルチェンジした新型MT-09&トレーサー9GT用も既にラインアップ!
走行中の二輪車は、外から大きな力が加わりフレームにごく僅かな変形が生じる。フレームは金属製なので変形に対する減衰性が低く、外力エネルギーがほぼそのまま蓄積・放出され、固有振動数で変形を繰り返そうとする。これを減衰してたわむ速度を緩やかにするのがパフォーマンスダンパーの役割だ
ベテランライター田宮が新型MT-09に装着して実走! アルミフレームでも効果は感じる?
新型MT-09でも、装着直後からノーマルとの違いが感じられた。市街地の速度域でも直進安定性が増した感触。バンピーな峠道では、車体の安定感が増した雰囲気があった。これは首都高で路面の継ぎ目を通過したときも同様で、走りの上質感がアップした印象だ。あと、すぐに慣れたが、特に高速域では車体の寝かせ始めや切り返しがやや重くなった。落ち着きある走りで疲労感が軽減されることも考えると、スポーツ以上にツーリングとの相性が良さそう!
ワイズギア パフォーマンスダンパー適応車種&価格
3万800円(セロー250、XT250X、トリッカー、SR400、TMAX)
3万9600円(MT-09/トレーサー9GT)
レポート●田宮 徹 写真●小見哲彦
ワイズギア
TEL:0570-050814