操作性や快適性、安全性に加えてバイクから降りた際の歩きやすさなど、ライディングシューズにはさまざまな性能が要求されるが、それらを高い次元でまとめたモデルがFLAGSHIP(フラッグシップ)のFSB-802 タクティカルライディングブーツ。
アウトドアシーンによく似合うデザインのブーツタイプで、アッパーは人工皮革で広く覆われているが、見た目から受ける印象よりも柔軟性に富んでおり、シューズそのものと言ってもいい履き心地。ステップ位置が高めで足首の曲がりがきつくなるスポーツネイキッドでも違和感なくペダル操作が行えた。
ソールの前半分はシフト動作に支障を来さない厚さながら、左右から両手で押してもまったく変形しないほど強固。それでいて前後方向には十分な柔軟性が確保されており動きやすい。防水透湿フィルム「ヴォクサーム」のおかげか、25度C前後の気温では不快な蒸れもほとんど感じられなかった。
金属製ワイヤーを使用して速やかに、かつきめ細かい調節を可能にしたSPINONシステムをダブルで装備しているので、しっかり締めておけば万一転倒した際も脱げることはまずない。上部のダイヤルを緩めると足首より上の自由度が向上するので歩き回るのも苦にならない。雨露にぬれたキャンプ場はもとより、ショートからロングツーリングまで幅広いシチュエーションで活躍するだろう。
FSB-802 タクティカルライディングブーツ
価格:2万1780円
カラー:サンドベージュ、ブラック
サイズ:23〜28cm
SPINONシステムをダブルで装備
ダイヤルを回すとワイヤーが締め付けられ、上に引っ張るとリリースされるSPINONシステムを履き口部と甲部分それぞれに装備。ワイヤーには引き手が付いており1アクションで緩められる。歩行時は履き口側を緩めにすると格段に動きやすくなる
要所を守るための装備は万全
シフトガードにくるぶしガード、ヒールガードが装備されており要所の保護は万全。ヒールガードにはリフレクターが装備されて夜間の被視認性を高めている。ソールは舗装路から不整地に至るさまざまなシチュエーションにおけるグリップ力を考慮したものになっている
安全性と動きやすさを両立したソール
インナーソールは薄い部分でも5mmほどの厚みがあり衝撃吸収性を高めている。その分本来のサイズよりもタイトに感じる可能性が高いので直に履いて判断した方がいいだろう。横方向に対しては強固だが前後方向の柔軟性は高く歩行やシフト動作も容易
report●高野栄一 photo●永田まさお