用品・グッズ

132gの超軽量バーナーはいかが!【SOTO】「ST-350」はチタンを使ったり、ゴトクの足を2.5本にしたり

■【SOTO】「ST-350レギュレーターストーブ TriTrail」と「ST-711 CB TOUGH 130」の組み付け状態

驚きのシェアを誇るSOTOのロングセラーバーナー。いちど使うとやめられないその魅力とは……

バイクの楽しみ方として、ツーリングキャンプが人気を博して数年。近年バイクに乗り始めた人のなかには「キャンプに行くために二輪免許を取った」という人もいるのではないだろうか。

ところで、キャンプに行くには、当然ながらキャンプギアが必要となる。
居住空間としてテント、寝具としてシュラフ。野外空間をキッチンに変えるテーブル。最近では、炎を楽しむ焚き火台も必需品となりつつある。そして、何より欠かせないのが調理器具であるバーナー(ストーブ)だ。
これらのキャンプギアは、様々なメーカーから多種多様なものが発売されていて、「キャンプを始めよう」と思ったら、まずギア選びに悩むのが全てのキャンプ経験者が通る道、といっても過言ではないだろう。

そうなのだが、ツーリングキャンプで使うバーナーに関しては、経験者の多くが「これを選べば間違いない!」と太鼓判をおすベストセラーアイテムがある。
アウトドアブランド・SOTO(メーカーは新富士バーナー株式会社)から発売されている「ST-310 レギュレーターストーブ(6,930円)」だ。

ST-310 レギュレーターストーブ

人気の理由は「手に入りやすいCB缶(カセットボンベ用のガス缶)が使え、コンパクトに畳めて、重心が低くゴトクも大きく、使っていて安定感がある」こと。筆者が以前取材したツーリングキャンプのイベントでは、ランダムに取材した中の半数近くがこのバーナーを使っていた、というぐらいのシェアの高さを誇っている。

ちなみにこのバーナー、実は筆者自身も個人的に愛用中の品。他のバーナーを使ったこともあるのだが、しばらくすると結局これに戻ってきてしまう……というぐらい使いやすい、超おすすめの品である。

中央・ST-340 レギュレーターストーブRange 右・ST-330 レギュレーターストーブFUSION

ST-310は、「シングルバーナーのグローバルスタンダード」と言ってよいほどの完成度であるがゆえに、これまでも「バーナー部分を大型化し火力アップ(画像中央・ST-340 レギュレーターストーブRange 9,020円)」「燃料ボンベを分離式に(画像右・ST-330 レギュレーターストーブFUSION 11,000円)」など、様々な派生モデルが展開されている。

2024年は、ロングセラーバーナーST-310に「発展系」が登場! 圧倒的な軽さでツーリングキャンプにもお薦め!

SOTO新製品内覧会

2023年11月、そんな大人気バーナー・ST-310のさらなる発展系と呼べる新製品が発売されるらしいとの情報を聞きつけ、都内で開催されたSOTOの新製品内覧会に参加してきた。

気になる新製品はこちら!
「ST-350 レギュレーターストーブ TriTrail(トライトレイル)」。予定価格は9,900円。

ST-350 レギュレーターストーブ TriTrail

一見すると、冒頭でご紹介したST-310とほとんど変化がないように見える。
だが、その実ST-310とは似て非なる物なのである。
それは、新製品ST-350の圧倒的な軽さにある。

ST-310 レギュレーターストーブ

こちら、既存製品のST-310。
金属部分はステンレス製で、約330g。
見た目はコンパクトだが、手にするとそれなりの重量感がある。

ST-350 レギュレーターストーブ TriTrail

こちらが新製品のST-350。
約130gという重さは、ST-310の半分にも満たない。
手に持つと、まず「軽い!」という驚きが来るほどだ。

見た目はほとんど同じなのに、ST-350はどうしてこれほど軽量化できたのか?
理由は「材質」と「形状」だ。

ST-310のゴトクはステンレス製であるのに対して、ST-350はチタン製とすることで、大幅な軽量化を実現した(ついでながら、チタンならではのマットで深みのある質感も満足感が高い)。さらに注目したいのが、ゴトクの形状だ。

ST-310 レギュレーターストーブ

こちら、既存製品のST-310。
ゴトクはしっかりとした四本足で、安定性が高い。

ST-350 レギュレーターストーブ TriTrail

一方、新製品のST-350のゴトクはこうなっている。
2本足のゴトク……?と思いきや、公式ではこの形状を「2.5本足」と呼んでいるのだとか。たった2本の足で、どうやって本体を支えるのか? というと……。

「ST-350レギュレーターストーブ TriTrail」と「ST-711 CB TOUGH 130」の組み付け状態

3本目のゴトクは足を兼ねず、ゴトクとしてのみ機能。
そして、3本目のゴトクの下にCB缶を取り付けることで、ガス缶が足の役目を担う構造になっている。重量のある燃料ボンベを足にすることで、本体の足が1本減っても安定感は十分。なんとも秀逸なアイデアである。

ST-350 レギュレーターストーブ TriTrail

ST-350の収納時は、ST-310と同様に足を折り畳んでこんな形状になる。
収納スタイルは同じだが、足の数が減らされた分、重さだけでなく収納時の仕舞いもよりコンパクトになっている。

「軽量化」の理由は登山ユーザー向けの企画製品だから。創意工夫をこらしてバーナー+燃料ボンベも新型に

今回の新製品・ST-350は、「TriTrail(トライトレイル)」という愛称がイメージさせる通り、機材の徹底的な軽量化が優先される登山ユーザー向けに開発されたものだ。

レギュレーターストーブシリーズでは燃料にCB缶を使うが、既存のCB缶は低温下では燃焼しづらい。そのため、既存のST-310はどんなに人気でも山での使用にはスペック不足。登山用ストーブとしては、CB缶ではなく、低温下でも燃焼させやすいOD缶を使うタイプを選ぶのがセオリーだった。
今回、SOTOではST-350の企画にあたり、「低温でも使えるCB缶」の開発に着手。

手前ST-711/ST-712 CB TOUGH 130/230

奥のシルバーの缶は、既存タイプのCB缶。そして手前の黒い缶が、新型のCB缶「ST-711/ST-712 CB TOUGH 130/230(440円/495円、画像はST-711)」だ。
これまでのCB缶より耐圧性が高いボンベを使用することで、OD缶と同等のガスが充填可能になり、CB缶でありながらOD缶同様低温下でも使用可能になった。さらに、OD缶より軽く、既存CB缶より外れにくい新型キャップ装備というオマケつきだ。

SOTOでは、新製品ストーブのST-350とこの新型ガスボンベを組み合わせることで、登山ユーザーに「使い勝手のよい形状で、さらに山でも使えるようになったレギュレーターストーブ」として提案しているというわけだ。

ちなみに、ST-350は既存のCB缶も燃料として使えるので、ツーリングキャンプでは安価な既存のCB缶を使いつつ、ST-350の軽さを享受できる。「エンジンで走るバイクなら、そこまで軽量化にこだわらなくてもよいのでは……?」という声も、もちろんあるだろう。が、やはり装備は軽いに越したことはない。近年増加している女性キャンパーにとってはなおのこと。

筆者は、子どもとタンデムでツーリングキャンプに行く機会があるため、装備は数を絞り込み、さらにできるだけ軽い物を、という基準でチョイスしている。そのように、「小ささ・軽さ」を求めるツーリングキャンパーにとっては、人気製品の軽量化モデルである新製品ST-350は、非常に魅力的なモデルになりそうだ。

ST-350 レギュレーターストーブ TriTrailの発売は、2024年4月を予定。
ギア選びに迷うツーリングキャンパー諸兄諸姉には、ぜひチェックいただきたい。


バーナーの他にも気になる新製品が続々! 良デザインのアイテムでキャンプの満足度を高めよう

SOTO新製品内覧会では、他にもツーリングキャンパーの心に刺さりそうな新製品がいくつも発表されていた。

ST-489 MICRO TORCH Edge

こちらは、人気の充填式小型トーチ「マイクロトーチ」シリーズの外装を亜鉛ダイカスト化した「ST-489 MICRO TORCH Edge(マイクロトーチ エッジ)」。予定価格は2970円。その名の通りエッジの利いた造形は、樹脂外装のシリーズ既存品と比べて質感が高く、強度もアップ。所有欲を満たしてくれる一品だ。2024年4月発売予定。

マイクロトーチ アクティブHORUS

一方、既存のマイクロトーチには、限定カラーが12月に登場。
「マイクロトーチ アクティブHORUS」として展開されるこちらは、グレー(ST-486HGY)とコヨーテ(ST-486HCT)の2色をラインナップ。予定価格はともに1,980円。ここ数年バイク業界でも存在感を増しつつあるタクティカルデザインを支持する人には、大いに刺さりそうなカラーだ。

ST-487

なお、発火部を伸ばせる「スライドガストーチ」シリーズでも、同じカラーが限定展開されるぞ(ST-487HGY/HCT、ともに予定価格2,750円)。どちらも数量限定生産となるため、手に入れたい方はお早めに。

SOD-PD260BKS Hinoto プレミアディーラーシップ限定モデル オーナメントセット

こちらは、2021年の発売以来大人気となり、一時は入手困難だったキャンドル風ガスランタン「Hinoto(ひのと)」の特約店限定モデル、SOD-PD260BKS Hinoto プレミアディーラーシップ限定モデル オーナメントセット(画像中)。
通常ヘアラインシルバーのタンクが限定のブラック仕様になっており、さらに、ホヤの内部に装着することで、炎の表情が変わる「Hinoto オーナメント 麻の葉」も付属している。

夜のキャンプサイトの雰囲気作りに一役買ってくれるキャンドル風ランタン、炎のゆらめきに癒やされたい方にお薦めだ。

2023年12月発売予定。予定価格は9,900円。取り扱い店は「SOTO Premier Dealership Shop」(https://soto.shinfuji.co.jp/stores/)。


気になるST-530を中心に、駆け足でお届けしたSOTOの2024年新製品内覧会レポート。新製品は長く人気となっているベストセラー商品の発展系アイテムが中心のラインナップとなっている。新たな付加機能を与えられた新製品を手にするも良し、長く売れ続けているベーシックアイテムの良さを再確認するも良し。

キャンプに欠かせない「火」にまつわるギア選び、これからキャンプに挑戦する方には、便利な最新ギアとして注目いただきたい。もちろん、ベテランキャンパーの方々も、手持ちギアを揃え直すきっかけになるかも!? 各アイテムの発売日を、楽しみに待ちたい。

レポート●増田恵子 写真●増田恵子/新富士バーナー

CONTACT

新富士バーナー株式会社
https://soto.shinfuji.co.jp/

  1. CBR250RRに乗る女子高生ライダーが『CBR400R』に乗った感想「最高です。欲しくなりました」

  2. ベテランライダーが『CBR650R E-Clutch』に乗って感じた楽しさ

  3. 寒い時期はバイクに乗らない人へ!愛車を冬眠させるなら「4つの〇〇+α」をやっておけばずっと長持ち!

  4. 還暦からセカンドライフをスタートさせた『Rebel (レブル)1100 <DCT>』のオーナー

  5. 技術者たちが語る「Honda E-Clutch」。新しい技術に秘められた苦労と想いとは?

  6. CL500はストリートが楽しいバイク。ビギナーからベテランまでを満足させる万能マシンだ!

  7. 原付だから多くの人に愛された。『スーパーカブ50』の歴史を辿ってみる。

  8. CL250はセカンドバイクじゃない。この250ccは『メインの1台』になり得るバイクだ!

  9. Rebel 1100〈DCT〉は旧車を乗り継いできたベテランをも満足させてしまうバイクだった

  10. 定年後のバイクライフをクロスカブ110で楽しむベテランライダー

  11. CL250とCL500はどっちがいい? CL500で800km走ってわかったこと【ホンダの道は1日にしてならず/Honda CL500 試乗インプレ・レビュー 前編】

  12. 【王道】今の時代は『スーパーカブ 110』こそがシリーズのスタンダードにしてオールマイティー!

  13. 新車と中古車、買うならどっち? バイクを『新車で買うこと』の知られざるメリットとは?

  14. ビッグネイキッドCB1300SFを20代ライダーが初体験

  15. どっちが好き? 空冷シングル『GB350』と『GB350S』の走りはどう違う?

  16. “スーパーカブ”シリーズって何機種あるの? 乗り味も違ったりするの!?

  17. 40代/50代からの大型バイク『デビュー&リターン』の最適解。 趣味にも『足るを知る』大人におすすめしたいのは……

  18. ダックス125が『原付二種バイクのメリット』の塊! いちばん安い2500円のプランで試してみて欲しいこと【次はどれ乗る?レンタルバイク相性診断/Dax125(2022)】

  19. GB350すごすぎっ!? 9000台以上も売れてるって!?

  20. “HAWK 11(ホーク 11)と『芦ノ湖スカイライン』を駆け抜ける

おすすめ記事

ヤマハ MT-09に新オートマ機構「Y-AMT」搭載モデルが追加!2024年内に国内発売予定 バイク&クルマで行きたい!秋の紅葉「感動ルート東日本編」栃木、福島、千葉、山梨、長野、新潟から厳選!! 【サイン・ハウス】のインカム「B+COM」シリーズの特徴まとめ!用途に合った最適なモデルを選ぼう

カテゴリー記事一覧

  1. GB350C ホンダ 足つき ライディングポジション