メッシュと呼ばれる新しい通信方式は、これまでのインカムの弱点だった通話人数を大幅に拡大させたことで注目を集めた。そんなメッシュを採用するミッドランドの最新モデル、ラッシュRCF(RUSH RCF)の特徴は、実は使いやすさと独自の“音”にある。
個々のインカムのチャンネル番号を決めておけばボタン操作1つで10人での通話が始められるパブリックグループと、長距離通話に強い最大通話人数6人のプライベートグループの2つのモードを持つが、いずれも離散・集合時のペアリング操作が不要。つまり簡単な初期設定さえ行えば、後のライダーの動きに制約はないわけだ。これは旧来のインカムにはないメリットと言える。
空間オーディオの匠、RCF監修の音をひと言で言えば“自然”。さまざまな走行音にさらされるインカムで聴く音楽はそのノイズに負けないよう多かれ少なかれ“作られた音”という印象を受けるが、ラッシュRCFはまるでヘルメット全体が音場かのような心地いい音を奏でてくれる。なお、独自のノイズキャンセル技術「MWe」によりクリアな音声で通話できることも付け加えておきたい。
通話人数の多さに注目が集まるメッシュインカムだが、ラッシュRCFは最高峰と呼ぶにふさわしい、優れた基本性能を備えている。
MIDLAND RUSH RCF
価格:3万4000円(シングルパック)、6万6300円(ツインパック) 本体サイズ:W107×H45.7×D23.6mm 本体重量:53g Bluetooth Ver:Bluetooth5.0 対応プロファイル:HSP、HFP、A2DP、AVRCP 最大通話人数:10人(パブリックグループモード)、6人(プライベートグループモード) 最大通話距離:最大3.5km(MMC通信 プライベートグループ 6人使用時) 最大稼動時間:約12時間(メッシュ通信時)、約20時間(Bluetoothインカム通信時) 防水対応:IPX6相当
メンバーが変わってもボタン1つで接続
一般的なブルートゥースインカムは接続順があるため、メンバーが替わるたびにグループの再構築が必要。しかしメッシュを搭載するラッシュRCFは、参加メンバーが増減しても再構築の必要がなく、メンバーが集まったらメッシュ接続ボタンを押すだけですぐに走り出せる
分離や合流しても自動で再接続
例えば、上記のように5人でツーリングしているときに信号のタイミングなどでグループが2つに分かれても、特別な操作をせずにそれぞれのグループで会話を続けることが可能。さらに、2つのグループが合流したときには自動的に再接続してくれるため再設定も不要。操作の必要がないということは、走行中の安全性も高まるのだ
直感的に操作できるプロダクトデザイン
バイク用インカム初となるマグネットマウントを採用、盗難対策のために本体を取り外すのも簡単だ
世界三大デザイン賞の1つ、レッド・ドット・デザイン賞を受賞したスタイルも魅力で、エッジの効いたスイッチはグローブをしたままでも確実に操作できる
音響機器メーカーRCF監修のサウンド
RCFは、横浜スタジアムをはじめ世界73か国・1000か所以上の施設の音響を手がけてきたイタリアの音響機器メーカー。同社が監修したスピーカーとソフトウェアにより、まるでコンサートホールにいるかのような臨場感ある空間オーディオを楽しめる
まとめ:モーターサイクリスト編集部 写真:永田まさお