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■「レゴ®テクニック ヤマハ MT-10 SP」を組む
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Yamaha, the Tuning Fork Mark, MT-10 SP and the likeness there of are trademarks of Yamaha Motor Corp., USA & Yamaha Motor Co., Ltd used under license.
見た目だけでなく機構まで緻密に再現! レゴ好き男子、「レゴ®テクニック ヤマハ MT-10 SP」と対面!
そのデザインとギミックの再現度、組み立ての難易度、インテリアにもなり得る存在感から、「大人レゴ」として知られるレゴ®テクニックシリーズに、ヤマハのフラッグシップモデルが登場!
発表直後から大きな話題を呼んだハイパーネイキッド・MT-10SPを再現したレゴ®ブロック、「レゴ®テクニック ヤマハ MT-10 SP(製品番号:42159)」は、2023年8月1日(火)に発売された。価格はオープン。完成時サイズは(約)高さ25cm✕幅44cm✕奥行15cm。対象年齢は18歳以上。
同シリーズからは、これまでにBMW M 1000 RR、ドゥカティ パニガーレ V4 Rなどが発売されているが、ヤマハのバイクのレゴ ブロック化は今回が初めて。
特徴的なデザインはもちろん、直列4気筒エンジンや駆動部などのディティールまで再現されているのが先鋭的で、レゴ ブロックファンはもちろん、ヤマハファン、バイクファンからも広く注目を集めている。

WEB「モーサイ」では、そんな注目の新モデルの最速組み立てにいち早くチャレンジ!
作業を担当したのは、幼少期からレゴ ブロックに親しみ、オリジナルデザインの作品も自由自在に組み立てる「レゴ好き男子」の中学生、Nくんだ。
Nくんは以前、ピース数830の「レゴ テクニック マクラーレン セナ GTR™」を完成させた経験があり、今回の組み立てチャレンジを打診してみたところ「特に問題はない。ちゃんと完成させられると思う」と答えてくれた。
だが、「レゴ テクニック ヤマハ MT-10 SP」のピース数は1478と桁外れに多く、対象年齢も18歳以上と完全に大人向け。組み立て難易度は飛躍的に高いことが予想される。果たして、無事に完成させることができるだろうか?

発売されたばかりの「レゴ テクニック ヤマハ MT-10 SP」のパッケージは、身長165cmのNくんと対比しても、かなり大きい。箱の幅だけでも肩幅を超える。
なお、完成させるとスケールは実物のMT-10SPの1/5。
幅約44cmというから、相当ジャンボなサイズになる。

箱の中には、袋詰めされたピースがぎっしり。
袋には、1から6までのナンバーがふってあり、ナンバー順にシャシー、エンジン、足周りなど、車体を部位ごとに分けて組み立てるようになっている。

組み立てマニュアルを見ると……

厚みがあり、なんと300ページ超!
組み立ての説明にはテキストは一切使われておらず、すべてを精密なイラストで説明。

ひとつひとつのピースをどのように組み合わせ、どう組み立てればよいのか、1ピースごとに細かく図解されている。
とにかく工程が桁外れに多い。完成させるには、かなりの集中力、そして忍耐力が必要になりそうだ。果たして無事に完成させられるのか。そして、いったいどれだけの時間がかかるのだろうか。

まずは作業開始前にマニュアルをめくるNくん。組み立ての流れを確認しているようだ。
緻密に再現された車体パーツに驚き。まずはシャシー&エンジンの組み立てだ
では、いよいよ組み立てをスタート!
「1」の工程はシャシー。3つの袋に詰められたピースは、非常に細かいものも多いため、袋を開封したらトレイなどに入れて紛失しないようにした方がよさそうだ。
組み立てマニュアルに示されたパーツをパーツトレイから探し、図解のとおりに組み立てていく。

レゴ ブロック制作に慣れているNくんは、ほとんど迷うことなくすいすいとパーツを探し出し組み立てていくが、筆者には似た形のパーツを見分けることがまず難しい。マニュアルに示されたパーツを探すだけでもかなり骨が折れそう。

シャシーの形が見えてきた。下側に4本並んだエキパイ、上部にはシートレール。
ここまで30分。さすがにレゴ ブロック組み立てに慣れているNくん、作業スピードが速い。

「1」工程終了、ここまで90分。シャシーが完成した。
レゴ テクニックは、汎用ピースが多い一般的なレゴ ブロックと比べて専用のピースが多く、しかもピースのひとつひとつがかなり細かい。組みつけるときにけっこう力が要る箇所もある。

ステムヘッドなんてちゃんと可動するようになっていて複雑だ。
シャシーを組み立てたNくんは、そのまま2~3工程へ。
「2」工程はエンジンのギヤボックスからドライブスプロケット、チェーンまで。「3」工程まで進むとトランスミッション(変速機)が付き、エンジン全体が組み上がる。

チェーンのピースは……なんという小ささ! しかも1コマずつ手組みというから驚きだ。

64ピースを繋げて完成、ドライブスプロケットに組み付ける。

ギヤボックスには大小のギヤが整然と並ぶ。

そして変速機。3速ミッションで、ニュートラルに入れることもできる。
エンジンを作る「2」~「3」の工程は、とにかく作業が細かくかつ複雑で、まるで実車を組み立てているよう。相当やりがいがありそうだ。

直列4気筒のピストンは、1個の高さが1cmあるかないかのミニチュアサイズだ。

ピストンにコンロッドとクランクシャフトを組み付ける。こんなところまで忠実に再現されている。(一見するとフラットプレーンクランクシャフトに見えるが、軸の位置をよく見るとちゃんとクロスプレーンクランクシャフトが再現されている!)

ピストンをクランクケースに収め、ギヤボックスと合体させるとエンジンが完成。

エンジン前方にはラジエターも取り付けられる。

シャシーにエンジンが載ったら、もう、完全にバイクと分かる形状になっている。
ここまでの工程に要した時間は約4時間。ときどき休憩を挟んではいるが、いちど作業を始めると2時間近くはぶっ通しで作業を続ける中学生男子の集中力には驚かされる。
レゴ好き男子がハマった思わぬワナと作業ミス。構造を理解してエンジンを正しく組み立てろ!
ところがここで、思わぬトラブルが発生した。
「レゴ テクニック ヤマハ MT-10 SP」は、エンジン内のシリンダー/変速機/駆動部の機構まで緻密に再現されており、ギヤを入れた状態でチェーンを回せばピストンも動くようになっている。だが、Nくんが組み立てたエンジンではギヤが空回りしており、変速機も正常に作動していない。
どうやらNくん、「お手本通りに形を作る」ことは得意でも、バイクが動く仕組みをまだよく理解していない。そのため、マニュアル通りに作業していたつもりでも、組み立てが手順通りに進められていなかったようだ。バイクの構造を知らない中学生男子ならではのミスといえるだろう。
逆を言えば、バイクの構造を理解している大人の方が、エンジンの組み立て作業はスムーズに行えるのかもしれない。

ミスについてNくんに説明すると、潔くよくエンジンを分解し、「2」の工程からやりなおすことに。

再びの組み立て作業は、筆者がバイクのエンジンの構造についてNくんに解説し、マニュアルとくびっ引きで「とにかく正確に」を心がけ、進めていく。
再度組み立てたトランスミッションでは、エンジン横に取り付けるシフトノブの操作で、きちんと変速できている。

極小サイズのピースと格闘すること2時間。エンジンの再組み立て作業が完了した。
ワンステップごとにマニュアルと突き合わせ、動作確認を取りながら作業を行ったため、かなりの時間を要してしまった。
エンジンを組み立てた段階で動作テスト。
今度はしっかりギヤの動きとピストンが連携しているし、変速もできる!
見た目のデザインだけでなく、内部の機構まで緻密に再現している「レゴ テクニック」の真骨頂を目の当たりにできた。
続く「4」の工程では、スイングアームからリヤホイールまでを組み立て、シャシーに合体させる。

タイヤとホイールは専用のパーツとして用意されている。

リヤサスのパーツ造形も、驚くほどリアル!

リヤホイールにドリブンスプロケット、Rブレーキディスクを組みつけたのち、スイングアームを左右順番にピボットシャフトでシャシーに組み付けていく。

「4」工程を終えると、エンジン~リヤ周りが完成。
ここまでの作業時間は合計8時間。休憩を挟みながらの作業で、時刻も深夜に及んでいたため、1日目の作業はここで終えることになった。
外装組み立ては「レゴ好き男子」の得意作業。みるみる形になっていく精密なデザインに感動!
2日目。Nくんは、モチベーションが持続しているうちにと、朝から作業を再開する。

「5」工程はフロント周りの組み立てだ。
ステムヘッドの左右に、フロントフォークを組み付けていく。

これもまた、思わずにんまりしてしまいそうな再現度の専用ピースが準備されているのだ。

フロントホイールが入ると、さらにバイクらしい姿になる。

フロントのブレーキキャリパーは指先ほどの大きさだが……

再現度は素晴らしいもの。

もちろん、ブレーキホースのピースも準備されている。
設計通りの緻密な組み立てが求められたエンジン部に比べると、比較的難易度が低いせいか、Nくんは快調に組み立てを進めていく。

いよいよ最終の「6」工程に突入。
外装パーツ類を取り付け、一気に仕上げのフェーズへ突入だ。

組み立てたハンドルバーは、「これ、本当にレゴ ブロック?」と言いたくなるほどのリアルさ。

バイクの「顔」ともいえる前照灯を組み付けると、一気に「MT-10 SP」の面構えになる。

特徴的なフォルムのサイレンサーを取り付け、タンクやテールの形を整えるピース、そして外装カバーを組み立てると、いよいよ完成だ。

迫力のサイズ感!
完成したときの達成感は、半端ないものだ。

左右のステップにはちゃんとシフトペダル、ブレーキペダルが付属している。

リヤサスには特徴的な黄金色のリザーバータンクもついている。
Nくんが苦労したエンジンも正常動作を確認。
ホイールを回すとエンジン内部のピストンが動いている。
外装パーツを組み付けると、エンジンの動きはもう見えなくなってしまうのだが、自分の手で組み立てただけに、車体内部でパーツがどんな風に動いているのかつぶさに想像できるのも面白い。
「レゴ テクニック ヤマハ MT-10 SP」は、エンジンの機構に加えてステムやサスペンションの動作も再現されている。
これから組み立てに挑戦する方には、完成後、どこまでリアルに寄せたデザインになっているか、そして細かな部分の動作ギミックも、ぜひじっくりと確かめていただきたい。
「レゴ テクニック ヤマハ MT-10 SP」の組み立てに、これからチャレンジする人へ向けてのアドバイス!
今回、Nくんが「レゴ テクニック ヤマハ MT-10 SP」完成に要した時間は、延べ11時間。
1478ものピース数と設計の精密さを考えると、「最速組み立て」の企画にふさわしい、優秀なタイムといえるのではないだろうか。

作業を終えたNくんは
「大人向け(18歳以上対象)というだけあって、これまで作ったレゴ ブロックと比べてもものすごくピースが細かかったし、構造もややこしくて、事前に想像していたより作業は大変だった」
と語ってくれた。
レゴ ブロックの組み立てが得意な「レゴ好き男子」にもそう言わせる「レゴ テクニック」。やはり一筋縄ではいかない難易度の逸品モデルだ。
だが、それだけに完成した時の達成感は格別ともいえる。

今回、「レゴ テクニック ヤマハ MT-10 SP」の組み立てに立ち会って、これから挑戦してみようと思っている方にぜひお伝えしたいことがある。
時間はかかっても少しずつ組み立てていく、という方法もあるが、「1」~「6」の各工程で車体の各ブロックがそれぞれ完成することを考えると、工程ごとに作業するのが効率的だ。
工程ごとに作業することで、ピースを紛失するリスクも軽減できる。
また、今回の組み立てでは、何度か精密ペンチが役に立つシーンがあった。

いったん組み付けたピースを修正のために取り外すときや、細かな外装部品の取り回しなど、完成間近で細かい部分に手が入りにくくなったとき、精密ペンチが作業の助けになった。
レゴ ブロックは基本的にツールなしで組み立てできるのが大前提で、それが大きな魅力なのだが、ちょっとしたツールが組み立ての助けになることもある。
頭の片隅に置いておくといいかもしれない。
実車のクオリティを、驚くべきリアルさでブロックに落とし込んだ「レゴ テクニック ヤマハ MT-10 SP」。
ヤマハファン、バイクファンはもちろん、ブロックトイを愛する方は、ぜひこの緻密な美しさに触れてみてはいかがだろうか。
レポート&撮影●増田惠子
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