「DJ ・1」や「チャンプ」などのカッ飛びスクーターが大流行! 80年代後半も続く「50cc原チャリ大戦争」【1988-1989年編】

1985年1月発売のヤマハ・ブラックジョグ。当時人気を誇っていたジョグにピレリファントムパターンのタイヤとリヤサスにガスショックを採用した。精悍な専用カラーでスポーティな装いにして登場した。
1985年3月発売のヤマハ・トライ。軽量ボディに最高出力5馬力のエンジンを搭載。リヤに小型キャリヤを装備していた。
ヤマハの猛攻に対抗すべく、1985年3月に発売されたホンダ・DJ・1。ボディカラーは4色あったが、すべてツートーンだった。インナーボックスを装備した特別仕様車(1万円高)も設定されていた。
今や装備されているのが当たり前となっているシート下のメットイン機構を50ccスクーターで初めて採用したヤマハ・ボクスン(1985年発売)。キー付きだったので盗難対策は抜群だった。
ヤマハを追撃すべく、ホンダが1985年6月に発売したイブパックスS。女性向けモデルであるイブの後継車として、5psエンジンとVマチックを採用してスポーティ路線を追求した。
ホンダvsヤマハの戦いを静観していたスズキが、突如として1985年7月に投入してきたカーナ。49kgと軽量ボディに高出力6.5psエンジンを搭載する驚愕のスポーツスクーターだった。
堰を切ったようにスズキのニューモデルラッシュが続く。「ハイパースクーター」というキャッチコピーで人気を集めた、1985年12月発売のスズキ・ハイ。6.5馬力のエンジンと乾燥重量49kgの軽量ボディで、アクセルワークのみでカンタンにウイリーするほどの瞬発力を備えていた。
1986年3月発売のホンダ・リードSS。油圧ダンパーにアンチダイブ機構をプラスしたフロントサスや、アルミキャストホイールを装着。ハンドルカバーの形状も変更されていた。
アンダーカバーやフォークカバー、テールフィンなどを備え、ハイグリップタイヤやエア封入式ダンパーまで与えられたホンダ・リードR(1986年)。リードSS同様、スポーツ路線を明確に打ち出したモデルであった。
リードと同様のタイミングで、さらにスポーティな路線を推し進めたホンダ・DJ・1R(1986年3月発売)。5.5psエンジンやハイグリップタイヤを備えるだけでなく、サイレンサー付きチャンバーやエアロアンダーカバー、新デザインメーターも装備されていた。白とピンクのカラーを採用したスペシャルエディションも販売されたほか、水玉のストライプカラーの「ビバユー」もラインアップ(7月22日発売)。
ホンダのスポーツ路線化に対し、ヤマハはソフト路線のミントで対抗(1986年4月発売)。女性向けだったキュートの後継車で、フロントトランクやセルスターターを標準装備して9万6000円で販売。6月にはキックのみとした標準モデルも8万3000円で追加された。
無論ヤマハも、スポーツ路線の強化を怠らない。1986年7月発売のヤマハ・チャンプスペシャルは標準モデルのチャンプと同様に電気式フューエルメータを装備したほか、30Wのハロゲンライトやハイグリップタイヤも投入されていた。そのほかガス封入式リヤショック、バーエンドグリップ、専用メーターを装備する力の入れようだった。
1987年も、各スクーターの熟成・強化は続く。同年1月に発売のホンダ・タクトフルマークは、フルフェイスヘルメットも入るメットイン機構を採用したほか、5.8馬力のエンジンとVマチック変速機構を組み合わせ、レスポンス良くパワフルな走りを実現していた。
続く1987年2月にはジョグがモデルチェンジして全車6psにパワーアップ。ホイールベースも15mm伸び、より強力な走りを実現した。スポーティは2トーンカラー採用で11万5000円だった。
ヤマハ・ジョグとほぼ同じタイミングで、ホンダは6ポートシリンダーと樹脂リードバルブを採用して6.0psを達成したDJ・1Rをリリース。前後にエア封入式ダンパーと軽量ホイールを採用したほか、ヒップアップしたスポーツシートなども装備されていた。
さらにホンダは1987年3月に、軽量モデルのイブパックスSに「イブパックスS JPSスペシャル」を設定して攻勢をかける。3000台限定の販売で、スペックに変更はなかった。1970年代にF1で大活躍したJPSロータスのロゴのようで、いま見ても抜群にカッコ良い。
「イブパックスS JPSスペシャル」に遅れること4カ月、今度はヤマハがチャンプRSに資生堂「TECH21」のカラーリングをあしらったチャンプRS TECH21をリリース。前年の鈴鹿8時間耐久レースに出場した平忠彦/クリスチャン・サロン組のYZF750カラーと同じカラーリングだった。
HY戦争が終わったと思えない新車ラッシュであったが、それに呼応するようにスズキもスポーツスクーターを販売。それが、スズキ初のメットイン機構を備えたアドレスだった(1987年11月発売 ※写真は1988年モデル)。
ホンダ・タクト
1988年に入っても、ホンダの攻勢は続く。若者向けのカジュアルなスタイルを採用したホンダ・ディオを1月に投入したのだ。すでに定番となっていたメットインスペース(24L)だけでなく、6.4psエンジンやテレスコタイプのフロントフォーク、3.00-10タイヤを装備し、人気を集めた。価格は12万6000円。
ホンダ・DJ・1RR
ディオと同日に発売されのが、DJ・1Rを6.8psへパワーアップさせるとともに、油圧式ダンパー内蔵テレスコタイプフロントフォーク、デュアルヘッドライト、サイドエアダクトを装備するDJ・1RR。価格は13万円だった。
ヤマハ・チャンプCX
もちろんヤマハも黙ってはいない。好評のチャンプにメットインスペースを設けたチャンプCXを3月に追加発売したのだ。ディオの登場に刺激されたことは間違いないだろう。
猛追するヤマハを突き放すかのように、ホンダが3月29日に追加したのがパックス クラブ。イブパックスの後継車で、軽快なスタイルはそのままに5.5psエンジンを採用していた。価格は10万6000円。
パックス クラブと同じタイミングで1988年3月29日登場したのが、モデルチェンジが行われたホンダ・リード。メットインを採用するとともに、90ccモデル同様のフロント・ディスクブレーキを装備した。価格は19万5000円だった。
怒濤のホンダニューモデルラッシュに対してヤマハが出してきたのは、スクーターにオフロードイメージを盛り込んだBW’Sだった(1988年4月発売)。ワイドタイヤやデュアルヘッドライトを採用するなど、これまでと違った方向性のバイクは、今なお根強い人気を誇るほど新鮮なものだった。
さらにヤマハは、12月にジョグの派生車種であるジョグスポーティを追加。若者に訴求するためスポーティさを前面に押し出し、2月に発売した80ccエンジン搭載のジョグスポーツと同じロゴを採用した(写真は80ccモデルのジョグスポーツ)。
ホンダ・ディオSP
1980年代最後となる1989年も、ホンダ怒濤の新車ラッシュから幕を開ける。前年に新発売したばかりのディオに、新カラーリングを採用するディオSPが設定されたのである。ディオSPはほかにも、船舶の国際信号旗をモチーフにした「マリーンエディション」(6月発売)やエスニック風のデザインを取り入れた「エスニックエディション」(9月発売)などもラインアップした。価格は12万9000円。
ホンダ・ジーダッシュ
新年早々ホンダの攻勢は止まらない。ディオスペシャル発売の翌日、160mmの大径ディスクブレーキや油圧テレスコピックフォークを採用する本格スポーツスクーターのジーダッシュ(G’)を新発売。1140mmのショートホイールベースやヒップアップしたシート形状、大型アルミブレーキレバーなど、ハイの一人勝ちだったスクーターレースでの活躍が期待された。価格は14万3000円。
ホンダの攻勢に、ヤマハも黙ってはいない。人気のジョグをモデルチェンジして3代目となるニュー ジョグを発売。エポックはXLサイズのフルフェイスでも収納可能なメットイン機構、シートより後に配置された給油口、6.8psになった前傾シリンダーのエンジンなどを採用し、より戦闘力を高めたモデルだった。価格は13万9000円だった。写真は4500台の限定で発売されたニュージョグスポーツTECH21。
ホンダ・タクト
ライバルのモデルチェンジに歩調を合わせるように、ホンダは3月にタクトをモデルチェンジ。やはり定番になりつつあったメットイン機構を採用するとともに、6psエンジンやチューブレスタイヤ、大径ディスクブレーキなどを採用。世界初の電動式オートスタンドも話題になった。価格は15万4000円。
ホンダ・パル
さらにホンダは、小型メットインスクーターのパルをモデルチェンジ。新設計の無段変速機SVマチックを採用したほか、スリムなボディにフォークカバーを装備するなど、衝突安全性を向上させた。価格は10万9000円。
ここでスズキはメットイン機構を備えながら675mmという低いシート高を実現したセピアを新発売。従来のアドレスからフロントフォークを変更して低価格にしたモデルで、広告キャラクターには井森美幸を起用した。価格は12万9000円。
ホンダ・ディオ
ホンダは1989年最後に前年1月に発売されたディオをモデルチェンジ(1989年12月)。新設計のシリンダーとシリンダーヘッド、排気効率を向上させた新型マフラーを組み合わせ、6.8psを発生する新エンジンを搭載。前後チューブレスタイヤを採用するなど着実な進化を遂げていた。価格は12万9000円。
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