BMW新型R1300GS試乗「9馬力アップに12kg軽量化! 一般道&ワインディングで光る、軽さと電子制御機構」

R1300GS BMW
試乗車はR1300GSツーリングにオプション719(ハンドブレーキ&クラッチレバー、ハンドブレーキ&クラッチフルードカバー、スパークプラグカバー、ライダーフットレストシステム、ギヤシフト&フットブレーキレバー)を追加標準装備した仕様で、塗色は専用のアウレリウスグリーンメタリック。
R1300GS BMW
メインフレームがスチールパイプのトラス構造から、板金シェル構造のスチールフレームへと変更され、コンパクトなモノコックデザインのアルミ鋳造リヤフレームとの組み合わせて軽量化&剛性強化。エンジンを含め12kgの軽量化を果たした車体。エンジン後方に大容量の排気コレクターを配置できたことで、サイレンサーの小型化も実施。
R1300GS BMW
12kg減の車重ながら、前から見ると大排気量アドベンチャーらしく相応なボリュームのある車体。特徴的なのは左右対称ヘッドライトで、X字型のポジションランプ、中央のプロジェクターヘッドランプが斬新。ヘッドライト上の黒い部分にACC用レーダーセンサーを内蔵。ウインカーはハンドプロテクター内蔵のLEDタイプに(GSスポーツを除く)。
R1300GS BMW
絞り込まれた印象に貢献する、小型化して内側に追い込まれたサイレンサー。これにより、パニアケースを装着時は張り出し幅の低減も果たした。テール&ストップランプはウインカーに内蔵されるタイプとなり、代わってテール中央部には車両後方の障害物を検知するレーダーセンサーを内蔵(その下の赤プレートは反射板)。
R1300GS BMW
ワインディングでのR1300GSは軽快さと電子制御技術の進化を実感できる
R1300GS エンジン BMW
左横下側から見た水平対向2気筒のカットエンジン。エンジン下にトランスミッションギヤを配置。DOHCヘッドの吸気側(写真上側)は、アクチュエーターにより低回転と高回転側で切り替えるシフトカムを装備。これはR1250GSからの装備だが今回R1300GS用に見直されている部分。
R1300GS BMW
メインフレームがスチールパイプのトラス構造から、板金シェル構造のスチールフレームへと変更され、コンパクトなモノコックデザインのアルミ鋳造リヤフレームとの組み合わせて軽量化&剛性強化。エンジンを含め12kgの軽量化を果たした車体。エンジン後方に大容量の排気コレクターを配置できたことで、サイレンサーの小型化も実施。
R1300GS エンジン BMW
エンジンから駆動系に至る透視図。カムチェーンラインを右気筒は前、左気筒は後ろ側として独立させたことで、左右シリンダー位置を対称に近づけた。ミッションシャフトをクランク下に配置してエンジン前後長を詰めた分、リヤスイングアームは30mm長くでき、トラクションを向上させている。
R1300GS フレーム BMW
1993年のR1100RSで初導入された前側のテレレバーサスペンションはEVOテレレバーに進化。フロントフォークをアッパーフォークブリッジにリジットクランプし、ハンドルバーの傾きを抑制したほか、軽量化と同時にスタンドパイプ直径を拡大して構造全体の剛性を向上。一方リヤのEVOパラレバーは従来比で30mm長くなったスイングアーム,でトラクションを向上し、大トルクに対応した大型ユニバーサルジョイントや、耐荷重と精度を高めるニードルベアリングの採用で、剛性と作動性が向上。
R1300GS グレード BMW
日本で販売されるGSのグレードと価格。スタンダードが2色(青と黒。黒には電動調整スクリーンと幅広のウインドプロテクターを装着)、オフ性能を高めたGSスポーツが青1色、上級グレードのツーリングが3色(青、黒、緑。緑は各部操作系をオプションパーツにしたOption719を追加装備)。価格は284万3000円から336万8000円まで。
R1300GS オプション BMW
GSスタンダードの標準装備リストで、青字は日本仕様独自の追加装備。上級仕様のツーリングには、このほかコーナーリングライト付きのヘッドライトPro、パニアケースホルダー、センターロックシステム、ナビホルダー、ハンド・プロテクション・エクステンション、エキゾースト・パイプ・クロム仕様のほか、車高調整機能付きDSA、電動スクリーン+幅広ウインドプロテクター、安全機能を充実した操作支援用のアクティブ・クルーズ・コントロール(ACC)、フロント・コリジョン・ワーニング(FCW)、レーン・チェンジ・ワーニング(SWW)などを追加。
R1300GS BMW
オフ性能を高めた仕様がGSスポーツ。ハンドルバーライザーやエンジンプロテクションバー、アンダーガードなどがセットのエンデューロパッケージProのほか、+20車高が高くなるスポーツサスペンション、クロススポークホイール(ブラック)、コンフォートシート、オフロード寄りのタイヤ(メッツラーKAROO)、別体式フロントウインカーなどを標準装備し、車体色は青。価格は297万1000円。
BMW社内のエンジニアやメカニックらが独自に改造して楽しんでいた800ccボクサーツインのオフロード仕様Sixdays Boxerを起点に、オンオフオールラウンダーとして初量産化されたのが空冷OHV2バルブ搭載のR80G/S(1980)。そこからR100GS(1987)へ発展し、1994年に空油冷ハイカムOHV4バルブエンジン+新型シャシーのR1100GSが誕生。R1150GS(1998)では重厚なツアラー方向となったものの、2004年には車体の全面刷新で約30kgの減量とエンジンの大幅改良で性能進化したR1200GSに。2013年には新型空水冷エンジンのR1200GSとなり性能が大幅にアップし、2019年には1169ccから1254ccへ排気量アップしたR1250GSへ。そして2023年にR1300GS登場で、新時代を迎えることとなる。
この画像の記事ページへ
  1. Rebel 1100〈DCT〉は旧車を乗り継いできたベテランをも満足させてしまうバイクだった

  2. 定年後のバイクライフをクロスカブ110で楽しむベテランライダー

  3. CL250とCL500はどっちがいい? CL500で800km走ってわかったこと【ホンダの道は1日にしてならず/Honda CL500 試乗インプレ・レビュー 前編】

  4. 【王道】今の時代は『スーパーカブ 110』こそがシリーズのスタンダードにしてオールマイティー!

  5. 新車と中古車、買うならどっち? バイクを『新車で買うこと』の知られざるメリットとは?

  6. ビッグネイキッドCB1300SFを20代ライダーが初体験

  7. どっちが好き? 空冷シングル『GB350』と『GB350S』の走りはどう違う?

  8. “スーパーカブ”シリーズって何機種あるの? 乗り味も違ったりするの!?

  9. 最も乗りやすい大型スポーツバイク?『CB1000R』は生粋のSS乗りも納得のストリートファイター

  10. 40代/50代からの大型バイク『デビュー&リターン』の最適解。 趣味にも『足るを知る』大人におすすめしたいのは……

  11. ダックス125が『原付二種バイクのメリット』の塊! いちばん安い2500円のプランで試してみて欲しいこと【次はどれ乗る?レンタルバイク相性診断/Dax125(2022)】

  12. GB350すごすぎっ!? 9000台以上も売れてるって!?

  13. “HAWK 11(ホーク 11)と『芦ノ湖スカイライン』を駆け抜ける

  14. 160ccスクーターならではの魅力!PCX160だから楽しい、高速を使ったのんびりランチツーリング