ヒストリー

「DJ ・1」や「チャンプ」などのカッ飛びスクーターが大流行! 80年代後半も続く「50cc原チャリ大戦争」【1988-1989年編】

ホンダ・ロードパルが1976年に発売されて以降メーカー各社が様々なスクーターを送り出し、空前のスクーターブームが巻き起こることとなった1980年代。
スクーターブームはホンダとヤマハが販売合戦を繰り広げたHY戦争へと発展し、車両販売価格はみるみる下落。1万円から5万円ほどで買えた中古スクーターは若い世代の足バイクとしてドンピシャで、男性だけでなく女性も大いにスクーターライフを楽しみ、日本全国に浸透していった。

原動機付自転車のヘルメット着用義務化が1986年7月から始まると、週1ペースで新車がリリースされていた80年代前半のような勢いはなくなっていったものの、ホンダとヤマハ、そしてスズキが覇権をかけて争う構図に変わりはなかったのである。

1980年代の50ccスクーターの歴史を振り返るシリーズ第3回目は、1988年から1989年までに販売された50ccスクーターを紹介していこう。

1980年代に巻き起こった百花繚乱の50ccスクーターヒストリー1【1980-1984年編】
1980年代に巻き起こった百花繚乱の50ccスクーターヒストリー2【1985-1987年編】

1988年:ホンダ・ヤマハ・スズキの三つどもえ状態が続く

TECH21カラーのチャンプRSや、ANDFやエアロフェンダーを採用したレーシーなスズキ・Hi-Rが販売されるなどの新車攻勢が続いていた1987年。

続く1988は1月にホンダのニューモデル発売で幕を開けた。メットインだけでなく6.4psエンジンやテレスコタイプのフロントフォーク、3.00-10タイヤを装備するディオが12万6000円で発売されたのだ。

ホンダ・Dio

1988年発売のホンダ・ディオ。

しかも同日、DJ・1Rを6.8psへパワーアップさせるとともに、油圧式ダンパー内蔵テレスコタイプフロントフォーク、デュアルヘッドライト、サイドエアダクトを装備するDJ・1RRを発売している。こちらは13万6000円だった。

ホンダ・DJ・1RR

1988年発売のホンダ・DJ・1RR。

続く3月にはヤマハがチャンプにメットインスペースを設けたチャンプCXを追加発売する。ディオの登場に刺激されたことは間違いないだろう。

ヤマハ・チャンプCX

1988年発売のヤマハ・チャンプCX。

ところがホンダは突き放すかのように3月29日、2台の新型車を発売する。

1台はイブパックスの後継車パックスクラブで、軽快なスタイルはそのままに5.5psエンジンを採用。
続く1台はリードだ。今回のモデルチェンジでメットインを採用するとともに、90ccモデル同様のフロント・ディスクブレーキを装備した。価格は19万5000円だった。

1988年発売のホンダ・パックスクラブ。


1988年発売のホンダ・リード。

ホンダ怒涛のニューモデルラッシュだが、ヤマハはここで意表をつくモデルを発売する。それが4月に発売されたBW’Sだ。スクーターにオフロードイメージを盛り込み、ワイドタイヤやデュアルヘッドライトを装備する本格派。価格は14万9000円だった。

1988年発売のヤマハ・BW’S。

また12月には、ヤマハがジョグに派生車種を追加。
2月に発売した80ccエンジン搭載のジョグスポーツと同じロゴを採用して、サスペンションをハードに設定したジョグスポーティを発売している。

1988年発売のヤマハ・ジョグスポーツ(80ccモデル)。

ホンダvsヤマハの戦いにスズキが割って入る? 1989年もまだまだ続く1980年代スクーター大戦争!

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