C100やCB72など、1950年半ば〜60年代中ごろまでのホンダのバイクでは「100・200・72・92」のような数字が車名に使われている。これは1957年のドリームC70から約7年使用され、アルファベットはバイクのタイプを、数字は排気量をそれぞれ表している。
ただし数字に関して言えば、CB250、VFR400のような現代のものと異なり直接排気量を指しておらず、ある一定の法則に基づいてい表記されていた。
この年代のモデルは現代でも旧車ファンの間では人気があり現存数が多いものの、この法則がわからないと「このバイク何cc?」といった疑問が生まれてしまうのだ。
それまでのホンダ車は、1947年に登場した自転車補助エンジンのA型(2スト50cc単気筒)に始まり、B、C、D……とモデル名を増やしていた。しかしアルファベット1文字ではすぐに使い切ってしまうため、1953年頃からアルファベット二文字を使い始め、モデルによっては年式や排気量もそこに加えられた。
そして冒頭で触れたアルファベット+数字の時代を経て、1965年頃からはアルファベットと排気量を組み合わせたモデル名が広く使われるようになった。また、ユーザーの認知も定着した事から、一部の例外があるものの「モデルシリーズ + 排気量」の組み合わせが定番となり現在まで用いられている。
では問題の1957年からのモデルの法則性はどんなものか? 各モデルについては次のページの表を参照頂きたい。モデル名最初の「C」はサイクル(モーターサイクル)を意味しており、次のアルファベットは、「S」スポーツ、「B」スーパースポーツ、「R」レーシンング、「L」スクランブラーと区別されるが、その命名には諸説が存在する。
なおこの表では、国内の主要モデルに絞りまとめてあり、年式による詳細記号は省略しているのでご了承頂きたい。
文●上屋 博
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