ゴディエジュヌー・パフォーマンスレプリカ1135Rが新車で販売されていた当時、『別冊モーターサイクリスト』1984年3月号では元ネタとなった本物の世界耐久チャンピオンマシンKR1000の実車と並べ、2車の相違点を比較している。
外観は似ているが、フレーム・サスペンション・シートなどには公道走行版とするため、相違点や工夫が見られるのが興味深い。
耐久レーサームード満点の車体
富士モーターミュージアム(*)の協力を得て、このゴディエジュヌー・パフォーマンスレプリカ1135Rのモデルとなった1982年のワークスマシンと並べてみた。やはり本物の耐久マシンよりも、1135Rはフロントが高く、全体に大柄な印象である。しかし、カウリングとシート形状がそっくりなので、耐久マシンのムードは満点である。
(*)静岡の御殿場市にあった博物館で、現在は廃館している。著名な二輪レーシングマシンや国内外の名車といわれるマシンが数多く収蔵されていた。
1982年の世界耐久チャンピオンマシン(右)と、それをモデルに生み出されたゴディエジュヌー・パフォーマンスレプリカ1135R(左)。こうして見るとサイズの差はあまりないようだが、1135Rのほうがフロントフォークが長いことがわかる。
チャンピオンマシンはフレームの後ろ半分、シートレール部分はアルミ角パイプで造られている。スプリントのGPマシンとは違って、カウリングのスクリーンはライダーをすっぽり包み込む高さと幅がある。
以下はチャンピオンマシンのフロントまわり。メーターは1万2000回転まで刻まれたタコメーターが中心にあるのみで、余計なもの一切はない。
フロントフォークはKR譲りの機械式アンチダイブ機構を備えたもの。レーシングマシンだけに全体は1135Rよりこぢんまりとしてまとまりがいい。
次は1135Rのメーターまわり。Z1000Jのそれと同じで、近代的な台形のメータークラスターに速度、回転、燃料計と各種警告灯が収まる。カウリングやウインカーのステーはアルミ製。取材車の車名末尾シリアルナンバーは39だった。
セパレートハンドルだが比較的高めの位置で乗車姿勢は思ったほどきつい前傾ではない。
当記事は『別冊モーターサイクリスト』1984年3月号の記事を再構成したものです。
(試乗レポーター●大光明克征 写真●金上 学 編集●上野茂岐)
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