ヒストリー

誕生から50年経過しても変わらない! CB750Fourならではの魅力に迫る

今なお高い人気のCB750Four K0(砂型)を詳細チェック!!

"こんなデカいオートバイ、誰が乗るんだ?"それが本田宗一郎の受けた第一印象だったという。
だが創業者の予想を覆す形で、"ナナハン"は世界中で爆発的な人気を獲得したのだ。

北米試乗の要求を受けて、’67年から開発が始まったCB750フォアは、’48年に創業したホンダが初めて、〝世界一〟を念頭に生み出したモデルである。
もっとも2気筒全盛の時代に、量産車では世界初となる並列4気筒車を手がけるに当たって、ホンダは一抹の不安を感じていた。
だからこそ、当初の年間生産予定台数を、かなり控えめな1500台に設定したのだが……。
 
’68年10月の東京モーターショー公開を経て、翌’69年から市販が始まると、世界中から注文が殺到。
1500台の年間生産台数は、即座に〝月産〟に変更され、後にその数字は3000台にまで引き上げられることとなった。
なおシリーズ全体を通して、最も生産台数が多かったのはK1の7万7000台で、それに次ぐのはK2の6万3500台。
製造設備の準備と更新に手間取ったためか、K0は6万800台で、砂型鋳造のクランクケースを採用していたのは、極初期の約7400台のみである。

●外観上のK0のわかりやすい特徴は、後端が跳ね上がったシート、左右に張り出したサイドカバー、端部の折り返し処理が行われていないフロントの通称「カットフェンダー」など

↑ハンドルは当時の大排気量車の定番と言うべき大アップタイプ。メーターは日本電装製。

↑デビュー時には世界GPで得た技術を還元……と言われたものの、’60年代のRCレーサーとCB750Fourのエンジンは、実際には似て非なるモノだった。
OHCヘッドやロングストローク設定のボア×ストローク、ドライサンプ式の潤滑などは、エンジンの小型化に配慮した結果。
フロート室がワンタッチで脱着できる気化器はケーヒンPW28。

↑フロントブレーキは量産初の油圧式ディスク。
φ296㎜ソリッドディスクの素材は錆に配慮したステンレスで、キャリパーにはホンダ独自の左右位置調整機構を導入。

↑リヤドラムはφ180㎜。
スイングアームは当時としては珍しい角型で、4本マフラーは完全な独立式ではなく、エンド部で1/2番と3/4番気筒を連結している。

↑’60年代中盤までのホンダ車は、ざん新な形状の燃料タンクを採用することが多かったものの、CB750Fourは一般的なティアドロップ型とした。
後端が跳ね上がったシートとスリットが入ったサイドカバー/オイルタンクは、K0ならではの特徴。
 

K0ならではの特徴のごく一部を紹介

’70年代前半までのホンダ車は、デビューから数年の間に多種多様なセッペン=設計変更を行うのが通例で、CB750フォアも初代K0の販売期間中に膨大な数の見直しが行われた。
それらの変更の詳細を知りたい方は、ヤエスメディアムック420、DREAMCB750FOUR SERIESをご覧いただきたい。
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●1本のワイヤーが途中で4本に分岐するスロットルワイヤーもK0の特徴。スロットル操作が重いと評され、K1からリンク式キャブに改められた

フラットなオイルフィルターカバー(上)と樹脂部品付きのヘソキー(下)は、K0の後期でフィン付き/樹脂部品なしに変更されている。

●ザラリとした鋳肌の砂型クランクケースはエンジン番号CB750E-1007414まで


 

SPECIFICATION(K0)

●エンジン 空冷4サイクル並列4気筒 OHC2バルブ ボア・ストローク61×63㎜ 総排気量736㏄ 圧縮比9.0:1 燃料供給装置ケーヒンPW28 点火方式バッテリー 始動方式セル&キック併用式 クラッチ湿式多板コイルスプリング式・ワイヤ作動

●性能 最高出力67ps/8000rpm 最大トルク6.1㎏ m/7000rpm

●変速機 5段リターン式 変速比①2.500 ②1.708 ③1.333 ④1.097 ⑤0.939 一次減速比1.167 二次減速比2.688

●寸法・重量 全長2160 全幅885 全高1155 軸距1455  シート高─(各㎜) キャスター27° トレール85㎜ タイヤサイズ Ⓕ3.25-19 Ⓡ4.00-18 乾燥重量218㎏

●容量 燃料19ℓ オイル3.5ℓ

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