ヒストリー

【’80sバイク熱狂時代】スーパーカブとライバルたちが繰り広げた伝説の燃費No.1争奪戦

前身となる自転車用補助エンジンキットの"cub" なら歴史は1952年までさかのぼれるが、スーパーカブの元祖は1958年8月に登場した「スーパーカブC100」。4ストOHVエンジンは4.5馬力。燃費は90㎞/ℓ

長い歴史を持つ国産車ブランドと言えば、何と言ってもホンダ・スーパーカブ。
当然ながら 【’80sバイク熱狂時代】長い歴史を持つ各メーカー代表モデルを振り返るで紹介した"CB"より年上だ。
そんなスーパーカブも1980年代前半は、闘争心を全開にしてライバル車をたたき伏せた経歴を持っているのである。

report●小川恭範

※本記事はMotorcyclist2018年1月号に掲載されていたものを再編集しています。

伝説の燃費No.1争奪戦

それはまさにビジネスモデルジャンルでのHY(+S)戦争だった。
80年代に入り、2ストのヤマハ メイトとスズキ バーディーにエンジンパフォーマンスだけではなく、燃費でも劣勢に立たされていたスーパーカブは(2スト2車はともに90㎞/ℓ〈※〉。カブは85㎞/ℓ)、81年2月登場のモデルから「エコノパワーエンジン」を搭載。

4.5馬力で105㎞/ℓに「スーパーカブ50」
●新搭載「エコノパワーエンジン」は、半球形燃焼室やピストン、コンロッドなどを軽量化するなど、細部改良を積み重ねてリッター100㎞時代を切り開いた。スタイルもザ・カブ

82年4月には新「4サイクル・エコノパワーエンジン」を引っさげ史上最高の5.5馬力と150㎞/ℓを実現した。

82年4月発売「スーパーカブ50 SDX」は史上最強の5.5馬力と150㎞/ℓを両立
●さらなるエンジン全体のモディファイで1馬力アップして5.5馬力に。4速化されたモデルは150㎞/ℓを達成。角目ヘッドライト仕様や全身をモンツァレッドに塗った「赤カブ」も登場して一般ユーザーからも注目を集めた

ところがヤマハが同年11月に4ストのタウンメイトで燃費No.1の座を奪取。
だが、ホンダの反撃は素早く、83年2月に180㎞/ℓモデルを発表。同年10月にスズキも4ストのバーディーを出したが170㎞/ℓに留まった。

●シャフトドライブ+160㎞/ℓで"カブ超え" を達成したヤマハ

●春風亭小朝さんをイメージキャラクターに据えるなど広告戦略にも気合いが入っていたタウンメイト。Y.I.C.S.や加速ポンプ付きキャブなどを採用した4スト単気筒は5馬力を発揮した

「スーパーカスタム」 が空前絶後の180㎞/ℓを達成!
●さらに改良を受けたエンジンは馬力こそ5.5→5馬力と下がったがトルクは0.02kgm向上。空気抵抗を減らす(?)エアロミラーとメーターバイザーも採用。「赤カブ」も復活した

●新たに5馬力を発生する4ストエンジンを開発し、50㏄ビジネス車燃費競争に名乗りを上げたスズキの「4サイクルバーディー」。燃費は170㎞/ℓカブの180㎞/ℓには及ばなかったが、0.57㎏mの最大トルク値は4スト3台の中ではNo.1。根強い支持を得たが、登場するのが少しだけ遅かった!?

※30km/h定地走行テスト値。この記事で紹介している燃費はシリーズ中で最も燃費が優れているモデルの数値である。

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