ヒストリー

ファンでなくても知っておきたい!? スーパーカブ雑学大辞典:前編

60年を超える歴史を誇るスーパーカブは生産台数も世界一。
そんなスーパーカブのことを知らないのはもったいない! 知っているとちょっと自慢できる(かもしれない)スーパーカブ雑学集を紹介しよう。
(※本記事は平成21年に発行の「地球一バイク ホンダスーパーカブ50年の歩み」より抜粋しています。特に断りがない場合、記載データは2009年当時のものとなります)

 

「SuperCub」名称の由来

実はホンダには、スーパーカブ以前にもカブFという名の製品があった。
自転車に取り付ける小型エンジンである。

カブFの発売は1952年。当時の日本はまだ貧しく、自転車にエンジンを後付けした「原動機付き自転車」が大活躍していた。
後付け小型エンジンは他社にもあったが、カブFはデザインのよさや斬新な販売法で大ヒットした。
スーパーカブは、カブFの精神を受け継いで発展させたバイクなのだ。

なお「Cub」というのは英語で「獣の子供」を意味する言葉。小さいけれど、元気よく走りまわる。
そんなイメージからのネーミングなのである。

 

世界生産累計5800万台突破!

スーパーカブは1958年に発売されてからの累計生産台数が、2007年12月の段階で何と5800万台に達している。
発売4年目の1962年に200万台を突破。1974年に1000万台の大台に乗り、1991年に2000万台に到達。
この辺りから東南アジアの経済発展で生産が伸び、年産が100万台を突破。

まさにホンダのいう『小さく産んで大きく育てる』だ。

なおスーパーカブの世界生産台数は、2017年に1億台を突破。今なお世界中で愛され続けているのである。

 

生産拠点は世界15カ国

スーパーカブは歴史的メガヒットバイク。
発売3年目の1960年、ホンダはスーパーカブ専用の工場(鈴鹿製作所)を建てたほどだ。
輸出は1959年に開始されたが、海外での生産も早くから行われた。

最初は1961年、台湾でのノックダウン生産だ。1963年にヨーロッパのベルギー、1967年にアジアのタイと続き、2009年の時点で、スーパーカブは世界の15ヵ国で生産されている。

写真は1963年にベルギーで生産されたC310というモデル。
ダブルシートで、レッグシールド上部に燃料タンクがある。

 

賞金総額500万円クイズ

エンジン付きの乗り物の中で、スーパーカブの累計生産台数はダントツの1位。
4輪のトヨタ・カローラでさえシリーズ全体で3200万台ほど。
しかもカローラは何度もフルチェンジしているが、スーパーカブはエンジンや車体の基本構成が変わっていない。
さて上は1967年の懸賞広告。この年の4月末でスーパーカブが生産何台になるか当てるのだ。
賞金総額は500万円で、特賞はスーパーカブ1台と200万円。
大卒初任給が2万6000円ほどの時代だ。ホンダがいかにスーパーカブを大切にしていたか分かるだろう。

 

クラブマンレースに出場したスーパーカブ

スーパーカブが発売された1958年当時、50㏄で4.3psは常識外れのハイパワー。
だからレースにも引っ張り出されたのである。

写真は1959年の第2回全日本クラブマンレース、50㏄クラス。
場所は浅間高原自動車テストコース、つまり伝説の浅間火山レースが開催されたのと同じ場所だ。
ゼッケン302は3位になった飯島義二選手、322は4位の奥津靭彦選手。
このレース、1位から4位までスーパーカブで、上位10台中の6台を独占。
ちなみに2位は、後に4輪レースの大スターになった生沢徹選手である。

 

カブレーシングの“カブ” って?

1962年に発売されたCR110は、カムギヤトレインDOHCに8速ミッションと、GPマシン並みのメカを持つ50cc市販レーサー。
ところが正式名はカブレーシングなのだ。
どうしてCR110にカブの名が付いているか。

ホンダは1960年にスーパーカブのエンジンを使い、スポーツカブという小型スポーツを発売。
しかしライバルの追撃を受け、スーパーカブのクランクケースに、DOHCヘッドを載せたエンジンを製作。
これが発展して生まれたのがCR110である。全然違うバイクに見えても血統はスーパーカブなのだ。

 

C100とC50の違い

1958年に登場した初代スーパーカブにはC100という型番が付いていた。
当時のホンダの型番は、100番台が50㏄、90番台が125㏄、70番台が250㏄と、何ともややこしく分かりにくかったのだ。
そこで1960年代半ばに、排気量がそのまま型番になるよう変えたのである。

スーパーカブの50㏄モデルも1966年にC50という型番になったが、同時にエンジンも外装も一新。
エンジンはOHVからOHCに変更された。
外装はやや角張ったモダンなものになり、基本的に現在まで受け継がれている。

 

幻の6サイクルエンジン

スーパーカブのエンジンは非常に燃費がいいが、ホンダは常にその先をねらっている。
上の写真は1988年にイギリスで開催された燃費競技に出場し、優勝したエンジン。
ホンダのエンジニアが製作したもので、4サイクルではなく6サイクルなのだ。

難しい理屈を説明する余裕はないが、理論上は4サイクルよりはるかに低燃費になる。
この競技会での記録はガソリン1リットルで2269㎞走行という驚異的なもので、もちろん新記録を達成。
世界をアッと驚かせた超低燃費エンジンなのだ。

 

遊び心がヒットしたハンターカブ

スーパーカブには多様なバリエーションが存在する。
中でも有名なのは1963年に登場したハンターカブだろう。
その名のとおりハンター向けのモデルで、獲物を追って野山を駆けめぐる目的で造られた。
猟銃のホルダーがあり、超低速で登坂走行が可能な副変速機を持つ。

基本的に北米マーケット向けで、日本でも販売されたが、国情の違いもあり少数派。
日本では1980年代に入り、海外から逆輸入されたCT110系が有名。
一風変わったツーリングバイクとして根強い人気がある。

 

→:後編はこちら(順次公開)

 

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モーサイ編集部

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