ヒストリー

【バイク熱狂時代は永遠に:3】レプリカヘルメットやスーパークロス……1980年代に流行したバイク用品&バイクジャンル

ブームを支えた用品・イベント

今では当たり前のように使っている用品や開催されるイベント、事象も、元をたどればこの時代から発生したものがかなり多い。どういう経緯から生まれ発展し、現在に影響を与えたのかを改めて振り返る。

report●廣瀬達也/高野栄一

※本記事はMotorcyclist2016年1月号に掲載されていたものを再編集しています。

 

進化はいきなり、ではない

バイク本体だけでなく、ヘルメットやウエア、バッグなどの周辺用品まで、あらゆるものがバイクブーム以後に劇的な進化を遂げた。
どんなに安価なジャケットでもプロテクターが当たり前のように装備されるようになり、各地ではライダー向けのイベントが数多く開催。
バイクブームのころに比べて販売台数が激減したとは思えないほどの充実ぶりだ。

ちなみに上の写真「ザ・BIKEMAN」(その右が本体)はバイク用の無線機。インカムどころの騒ぎではない大がかりな装置だ。

これらの起源はやはりバイクブームがあったからこそ今日実現したものであることは間違いない。
身近な例で言うとジャケットだが、バイクブームのころのそれは今のようにプロテクターを装備したものは皆無に近く、(当時の)スキー用とさほど変わらないものが大半。
実際冬はスキーウエアを着て走る人も多く、プロテクター付きのウエアを着たければ革ツナギを着る以外になかった。

こうした例はすべてに言えることであり、かつて一世を風靡した〝スーパークロス〟も、現在各イベントでおなじみのスタントショーに変化したという見方もできる。
一度まわりのものをじっくり見直して、「昔はこうだったよなあ」と思い出してみるのも結構楽しいものである。

 

スーパークロス

アメリカ生まれのド派手な競技

施設が不便、見る場所や通路も泥で汚い、会場まで遠いなどという、それまでのMX観戦の悪いイメージを一新したのがアメリカで誕生したスーパークロスだ。
街なかのスタジアムに特設されたコースで、高く派手なジャンプやコースのアチコチで繰り広げられるデッドヒートを、観客席でくつろぎつつ見られるのだから熱くならないはずがない。
日本における第一回大会が開催されたのがドームになる前の東京・後楽園球場、1982年のことである。

 

ヘルメット

スペンサーレプリカが1番人気

●左はウエス・クーリー、下は8耐などで活躍したデール・シングルトン選手のレプリカモデル。右は85年のカタログの一部

レース観戦やサーキットで走りを楽しむ人が増えたこの時代。
あこがれのライダーと同じ色のヘルメットが欲しいという要望が高まるのは必然であった。
特に85年に500㏄&250㏄ダブルタイトルを獲得したフレディ・スペンサーのレプリカモデルは、現役当時はもちろん2015年にも30周年記念モデルが登場。
アライヘルメットの場合、ブーム当時は工場フル稼動(手作業が多いため簡単には増産できない)、完成したその日に出荷する繁忙ぶりだったという。

 

革ツナギ

有名ライダーとの契約で縫製技術も向上

●当時は年度ごとのカタログがなく、雑誌広告がその代わり。クリスチャン・サロン、ドミニク・サロンほか多くのライダーと契約

ヘルメットと同様革ツナギにもトップライダーと同じカラーリングを取り入れたレプリカモデルが登場。南海部品でも1番人気はスペンサーレプリカ。
ミニバイクレースに熱中する10代後半から30代の人を中心に、ノーマルデザインと合わせて最大で年間2万~3万着を販売した。
当時は月賦の金利が高かったため現金払いの人も多かったそうだ。
実戦を経てのサポートライダーからの助言は、立体裁断や縫製技術、安全性など品質面の進化にも影響を与えた。

 

オフロード

土の上には楽しさがあふれていた

国道にも未舗装区間があった時代、山奥まで行き登山や温泉を楽しむための道具としてもバイクは注目されていた。
やがて日本人初のモトクロス世界チャンピオンが誕生するとブームに火がつき、ミニバイクやスクーターなど身近なバイクでのエンデューロ、カブクロスなども大流行した。
上の写真はラフ&ロードが海外から輸入、社外パーツを装着しコンプリート販売したXR250R。
プロテクターやベンチ付きジャケットもこのころのオフ用から発展したものだ。

●費用も安く済んで競技ライセンスも不要な"草レース"。レース後は保安部品を取り付け自走で帰るなんて光景も見受けられた

 

ミツバチ族

北海道に魅了されて移住を決意する人も

風景の美しさや、そのなかに延びる走りやすい道が今もなお変わることなくライダーを魅了する北海道。
80年代に大ブームが巻き起こり、その走る音(おもに2ストの音)から"ミツバチ族"と呼ばれた。
居心地のよさに加えて牧畜や農業、漁業など現地の働き手需要もあり、ツーリング先に住み着くライダーも珍しくはなかった。

●開陽台の展望台内に貼られた張り紙

 

逆輸入車

お金持ち向けの高級品

●「私も当時買ったばかりのセリカXXを手放しVF1000Rを買いました」とは、ホンダ逆輸入車・輸入車専門店『パッセージ』の山本泰二さん

80年代から一般化した逆輸入車だが、80年代前半は1ドル=240円前後で推移。
写真のVF1000Rはもともとの値段設定が高く約250万円とかなり高価で、一部の好事家だけの乗り物であった。
それが一般的になるのは80年代後半、1ドル=120円前後にまで下がってから。
GPZ900Rは持ち前の性能に加えて元々の価格が安く、100~110万円前後で買えるようになったことから日本での人気も一気に高まった。

 

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モーサイ編集部

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