ヒストリー

【バイク熱狂時代は永遠に:2】そこには守るべき“ルール”があった……高校生が見た1980年代の峠の世界

チームでつるむわけでもなく、レースを目指すわけでもなく、それでも毎日のように府中市の自宅から1時間かけて通う……。
青春が単車とともにあった、高校生の視点から見た峠の群像。

※本記事はMotorcyclist2016年1月号に掲載されていたものを再編集しています。

 

コバタケ


●1968年11月生まれ。高校時代はバイトとバイクと大垂水アタックの日々だったが、大学入学後は一転してクルマの世界へ。約20年のブランクを経てリターンを果たし、現在はアドベンチャーモデルで旅を楽しんでいる
 

 

そこを走る誰もが理解し、守っていた"掟"があった

84年に高校へ入学し、16歳になった11月に中免を取得して、XJ400Z-Sを手に入れました。

高1 YAMAHA XJ400Z-S
●オールナイトフジがスタートした83年登場。カウルレスはZ、ハーフカウル版はZ-E。DOHC4バルブの水冷直4は55ps/3.5kgmを発揮

峠に興味はなかったんですが、一度友達に連れられノックアウト。少し練習したあと通うように……。

当時、走り屋にとって大垂水峠はドライブインごと3つのパートに分かれており、一番上が"旭山"、真ん中が"なかがみや"、そして下にあるのが"松山園"。
みんなピットのように使っていました。

3つのパートごとにUターン場所が決められていて、往復を繰り返すという流れですね。
上級者というか速い人は走り出すとき先頭になり、遅い人は後ろにつく。
ひとしきり駆けて「あ、この周囲にいる人たちよりは速いかも」とわかったら、Uターンのとき自己主張して、ちょっと前のほうに割り込む。
これはみんなが守っていたローカルルールでしたね。

トップレベルの人たちは、なかがみやパートを使うことが多かったんですが、いまだ鮮烈な記憶が残っているのは、やんちゃガンマさん、RT戦国、RTしゅわっちの菊池さん。
もちろん彗星さん、南南西の風さんも覚えています。
なかでもやんちゃガンマさんは上りでずっとウイリーしてて、その状態のままコーナーをクリアしていく姿に衝撃を受けました。

土日は混んでしまうため、平日にも時間を見つけては通っていました。
2年のとき友人からボロボロのGSXーRを購入し、「うわっ、XJより速い!」とビックリ。吹け上がりが段違いに鋭かったんです。

高2 SUZUKI GSX-R
●禁煙パイポがヒットした84年、クラス初のアルミフレームに59ps/4.0kgmの水冷直4を搭載してデビュー。4into1マフラー!

ずっとバイトを2つかけ持ちしつつ、またまた無利子の親ローンを活用し、3年のときTZR250を新車で購入しました。異次元な感覚でしたね。
2段階はうまくなったような気が……。すべてバイクのおかげだったんですけど。先頭もたまに走りました。

高3 YAMAHA TZR250
●ミノルタα-7000登場の85年、45ps/3.5kgmの水冷パラツインをデルタボックスアルミフレームに搭載。乾燥重量126kg

毎日のように通っていると当然、事故も見かけます。
誰かがコケたらほかのライダーも止まっていましたが、ギャラリーも総出で救護したり壊れたバイクの面倒をみたりして、すごい団結力でした。
誰に指示されるわけでもなく、車両を起こして路肩に寄せる人、負傷者を手当する人、後続車を誘導する人、漏れたオイルに砂をかける人……。
まさにオフィシャル状態ですね。
僕ももらい事故で1回だけお世話になりました。あまりにも峠が楽しくて、1年浪人してしまったのですが、いざ大学に受かるとウソのようにバイクへの熱が消えてしまいました。

ただ、あのとき身に付けたテクニックや考え方は、バイクにリターンした今、非常に役立ってます。

 

キミはヤツを超えられるか? ウワサの最速ライダーを追う! 峠のスーパースター列伝 より

1987年1月号で展開された記事内イラストを一部ここに再録。
もちろんその本文中には"彗星" さんについての記述もある。
彼らはまさしくヒーローだったのだ。

illust●松原三千男

大垂水

奥多摩

六甲

 

→:【「バイク熱狂時代」は永遠に:3】上野バイク街の魅力とは(順次公開)

 

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モーサイ編集部

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