北海道

北海道まで陸路で移動!! 実走2800kmの旅

走りたいだけ走り疲れたら寝る
キャンプの旅は自由の象徴

静寂が心地よい
目的地として北を選んで大正解だった。限られた時間での旅だから、最近は、ひがし北海道や道央へ向かうことが多かったが、なんだ、きた北海道も捨てたもんじゃない、いや、東よりいいとさえ思えた。何よりクルマが少ない。そして観光客が少ない。
言い換えれば万人向きの観光地が少ないということなのだが、しかしだからこそ、走ることに夢中になれる。そもそも、いわゆる観光施設を訪ねたいわけではないのだ。

国道275号で北上を続け、音威子府(おといねっぷ)を過ぎ、敏音知(ぴんねしり)岳が前方に見える頃になると、周囲の景色は畑から牧草地へと変わる。ひがし北海道のようにだだっ広い平原の中を走るわけではないが、どこか解き放たれた。
自由を強く感じさせる風景だ。
 

[左から]国道232号は晴れれば爽快ルートだが、天気が悪ければきっと憂鬱な道に感じられることだろう/海岸線の道は留萌を過ぎると国道231号となる。増毛駅にて休憩。周囲はノスタルジックな雰囲気に満ちている。風待食堂、醸造元國稀なども見学する


 

甘エビ水揚げ量日本一の羽幌

●羽幌は甘エビの水揚げ高日本一の町。フェリーターミナル脇の「産直工房きたる」では1㎏ 2200円と激安で販売していた。近隣の食堂ではえび丼も味わえる


 

羽幌炭砿

●国道232号から道道356号を15㎞ほど進むと現れる。1970年に閉山した羽幌炭砿跡で、往時は1万人ほどが居住していた。草むらにそびえる建造物が哀愁を誘う


 

大規模草地牧場

●北上を続けると、周囲はいつしか畑から牧草地帯へと変化する。その道北らしいクライマックスが豊富町の牧草地帯。適度なアップダウンを繰り返す道は、1日中走り回りたくなる心地よさである


 

[左から]偶然出会った乳牛の道路横断/海岸線の道道106号へ出て北緯45度のモニュメントと出会う


 

●サロベツ原野のパンケ沼にて

 

そんな旅の夜はやはりキャンプがいい。
静々と暮れゆく湖畔。何をすることもなく、空と森、そして水面が織りなす光のクライマックスを鑑賞する。風もなく鳥も鳴きやみ、驚くほどの静寂が広がるなか、見事なグラデーションもまた無音で収束していく。このサイレンスの愉悦はキャンプならではだ。

その静寂と、時にひんやりとした空気の肌触りからも北海道らしさを感じる。何もすることのないこの時間に、昼に焼き付けた光景がフラッシュバックする。

 

●羽幌からは国道232号日本海オロロンラインをひたすら南下。札幌方面へは留萌で深川留萌自動車道に乗ると早いが、フェリーの時刻まで余裕があるので石狩市まで南下を続けた


 

[左から]暑寒別岳の西はトンネルが多く人家も少なく寂しさが漂う。日没までにどこまで行けるか?/石狩市浜益区で日が沈んだので451号で内陸へ向かい、道中道・滝川ICを目指すことに


 

クッチャロ湖畔キャンプ場

●オホーツク海沿いの汽水湖・クッチャロ湖に面し、夕日の美しさで知られる。バイクの乗り入れは不可だが近くには停められる。隣に温泉宿泊施設「はまとんべつ温泉ウイング」があり550円で日帰り入浴可能(21時まで)

【DATA】浜頓別町クッチャロ湖畔 TEL:01634-2-4005 営業日:5~10月 料金:200円

 

 

連泊するキャンプは久しぶりだ。しかし、この穏やかな夜に慣れてきたと思ったら、もう東京には戻らなければならない。
 

[左から]苫小牧フェリーターミナルには22時過ぎに到着。出港は23時59分だが22時30分にはもう乗船できる。これはうれしい。目指すは八戸/5時過ぎに甲板に出ると、朝日が昇る瞬間に遭遇。自身にとって、近年で1番美しい日の出を拝むことができた


 

帰路は不思議と辛さを感じなかった。旅でリフレッシュした充足感ゆえだろうか。八戸からの680㎞を、まさに気付けば走りきっていた。
 

[左から]7時30分に下船、八戸ICより一路東京を目指す。往路と異なり、船内で熟睡したのですこぶる体調がいい/途中で寄り道をしながら18時に帰宅。トータル6日間で走行距離は2800kmを超えた


 

和ごころ ゆめ

●特産を味わえる店。9月に解禁となったサケを使った漬け丼(取材は9月)、クッチャロ湖で獲れるスジエビのかき揚げ、いずれも旨い


 

【DATA】浜頓別町大通1-20 TEL:01634-2-0001 営業時間:18:00~23:00 定休日:月

初山別みさき台公園キャンプ場

●日本海を望む高台にあり夕日も美しい。キャンプ場は灯台の脇と坂道を下った場所にある。サイトは綺麗に手入れされた芝生で非常に心地いい。またバンガローもある(4300円~)。公園内のホテル岬の湯では日帰り入浴が利用できる(500円、11:00~ 21:30)。なお道の駅も隣接する

【DATA】初山別村豊岬 TEL:0164-67-2031(岬の湯) 営業日:4月下旬~10月下旬 料金:無料

 

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