ツーリング

愛知最高峰の山麓を行く〜茶臼山高原道路の走り方〜

澄み切った山の空気に包まれ、星の眺めが素晴らしい奥三河の奥地へと続く山道は、気づけばいつの間にか標高を上げているといった穏やかな表情を見せる。

冬ならなお美しい風景が期待できるものの、冬の山道だけに注意は必要だ。

↑愛知県と長野県にまたがる天竜奥三河国定公園に属し、特に奥三河と南アルプスの山々の眺めが素晴らしい茶臼山高原エリアへと続く山岳道路。名古屋市街地まで約100km、新東名の新城IC、中央道の飯田IC、中津川ICまでそれぞれ約60kmの地点にある。

■地元では有名な快走ルート

愛知県の東北部、北設楽郡豊根村にある茶臼山は標高1415mを誇る県内最高峰であり、その北側の裾野は長野県下伊那郡根羽村にまで及ぶほど広大なエリア。遮るものの少ない周辺からは雄大な眺望を随所で楽しませてくれる。その頂上間近まで続くのが、かつて有料道路だった茶臼山高原道路、県道507号だ。

名古屋からは下道を通ってもさほど遠くない距離なので、中京地区のツーリングスポットとしてポピュラーな存在だが、関東をはじめ全国的にはさほど有名とは言えない。その理由のひとつが、アクセスの悪さだ。

新東名高速が開通したため新城I Cを経由することでかなりスムーズに行けるようになったが、それでも比較的交通量の多い幹線道路を延々と走り続けなければならないことに違いはない。それは中央自動車道を利用しても同じだ。また、ほかの道を組み合わせたツーリングルートを作りにくいのも、メジャーになれない理由と言えるかもしれない。例えば、茶臼山の南には鳳来寺山スカイラインや本宮山スカイラインがあるものの、距離が短く路面状態もあまり良好とは言えない。さらには大きく周囲の展望が開けるわけでもないのも、やや残念なところである。

↑国道257号の西納庫の信号から入る茶臼山高原道路。生い茂る樹木で視界が開けることはほとんどなく、展望台などの施設もないが、 終点付近と面ノ木IC周辺からは周囲の山々や眼下の集落が少しだけ見え隠れし、いつの間にか標高を上げていることに気づく

新城ICからは国道257号を北上するのが一般的だが、前述の鳳来寺山スカイラインなどを経由するのもいいし、県道 号沿いを北上し、遠まわりになるが四谷の千枚田など訪ねながら走るのもいいだろう。

ところで、茶臼山高原周辺はもちろん、この県道 号や国道257号も休日に営業しているGSが少ない。燃料の残量が気になるようなら、新城もしくは稲武の町で補給しておくことをお薦めしておこう。

国道257号沿いにある道の駅、「アグリステーションなぐら」の真ん前が茶臼山高原道路の入り口。緩 やかなコーナーの続く登り坂を進め ば国道沿いに点在していた民家など の姿はなくなり、いきおい山道の雰 囲気がいっぱいに漂っていく。冬は通過に気をつけたいトンネルを2つ抜けると現れるのが、面ノ木ビジターセンターと道の両側に広々とした駐車場のある休憩所。そば屋などもあるが、残念ながら冬期は閉鎖されている。さらに淡々と登り続けるワインディングからの視界もさほど開けないが、冬ともなれば落葉樹の透き間から周囲の山々を望むことがきできるだろう。そのころになると意外と標高が高いことに驚かされるはずだ。そのため、たとえ気配がなくても日陰のコーナーなどは凍結や積雪に要注意。それまで木々に覆われていることの多かった周囲の景色が開けると、茶臼山高原に到着する。

茶臼山が魅力的なのは、周囲に大きな町や視界を遮るほど高い山々がないことだ。茶臼山高原道路を上りきると茶臼山を間近に眺める高原地帯をグルリと一周する道があり、そこかしこから遠くに連なる山々の頂を望む雄大な景色が広がっている。また、夜ともなれば冬の澄んだ空気きらめ のなかで煌く満天の星を眺めることができるだろう。

「例年なら雪が降るのは 月下旬から」と地元の人は言うが、それでもいつ降雪に見舞われるかわからないし、気温の下がる朝晩は路面凍結の恐れも大きい。路面状況が悪ければ途中で引き返すことも必要だし、たとえ状況がよくても一泊して星空を楽しみつつ、比較的気温の高い昼間に移動するなど余裕あるスケジュールで楽しみたいワインディングだ。

 

★自然豊かな高原風景を堪能できる★

茶臼山高原スキー場

高原の一画に、愛知県で唯一のスキー場がある。この周辺に雪が降るのは例年では1月下旬ごろと言われているが、年末には人工降雪機を使った営業が始まるほど気温が下がる。

野生の鹿

茶臼山周辺は野生の鹿の生息地であり、夕方ともなれば高原のアチコチに出没する。特に高原牧場周辺に多く現れるが、路面の凍結とともに、道路への突然の飛び出しにも要注意である。

休暇村茶臼山高原

ホテルや通年営業の山小屋風コテージ、
7〜8月のみ営業するキャンプ場なども併設。毎月1回程度のペースで「星のソ
ムリエによる星空観察会」を開催。大浴
場は入浴のみの利用も可能(15〜20時、
入浴料500円)。連絡先:0536-87-2334

モーターサイクリスト編集部

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